年金は、将来いくら?減るどころか増える|その理由とは?|3分でわかるシリーズ
年金は、将来いくら?減るどころか増える |みんなが知らない年金の話をわかりやすく解説 |将来の年金は、なぜ増えるのか? |もらえる年金月額は、22万円→将来41万円に増えます。 将来は 「もらえない」でもなく 「減額」でもなく「増える」 のです。 「将来の年金 なぜ増えるのか?」 わかりやすく この謎に迫ります。 ~3分でわかる将来の年金~ 令和と平成の消費と経済を科学する「令和平成・消費者 経済 総研」 (以下略称:「消費者経済総研」 東京都新宿区、代表:松田 幸治)は、 2019/6/15に、掲題内容を掲出します。 (直近の厚生労働省の財政検証は2014年なので、2014年をスタート点としています) ------------------------------ 本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていきます。 *初稿:2019年6月15日(土)21:00 *2稿:2019年6月16日(日)15:00 *3稿:2019年6月16日(日)18:00 *4稿:2019年6月17日(月)14:30 |

3分でわかる | 年金は、将来、減る どころか、増える! | 2019年6月15日
■先だって、今回号のポイントと結論 | ||||
◆2014年は、年金(月額)22万円もらえる ◆若者は、将来(老後)は、9万円しか、もらえない と予測する ◆しかし、将来は、実は、41万円も、もらえる ◆将来は、「もらえない」でもなく 「減る」でもなく 「増える」のです ◆もらえる年金の月額は、2014年の22万円から、将来は41万円に、増えます ◆「年金は破たんだ!」「年金は減る!」という煽りが、世の中には、多すぎです ◆減る等の不安話の方が、注目を浴びるのです。ここでは、増える説明をします ![]() | ||||
■2014年は、年金(月額)22万円もらえる *時点が、2014年なのは、なぜ? 5年に一度、公表される厚生労働省の財政検証(以下:厚労省検証)は、 直近の発表は、2014年なので、2014年をスタート点としています。 厚労省検証では、モデル世帯(夫婦)が2014年に、もらえる年金額は、21.8万円です。 ■若者は、9万円しか、将来(老後)もらえないと予測する 「年金は、将来(老後)、いくら、もらえると思うか?」のアンケートがあります。 若手世代の回答の平均値は、9万円(月額)です。 ■しかし将来は、実は、41万円も、もらえる 2050年には、もらえる年金(月額)は、増加して40.9万円になります。 *なぜ増えるのか? もらえる年金を支える原資の代表は保険料です。賃金が増えると、保険料も増えます。 厚労省検証では、将来は「賃金上昇→保険料増加→もらえる年金増加」となっています。 「給料は、増えて無い!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、 日本全体では、年収は、増えています。(下記↓グラフ参照)) | ||||
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「年収は、増えたが、物価も上がったじゃないか」という方もいるかもしれません。 「日本の失われた10年(20年)」というのは特殊であって、 2050年に向けての将来は、諸外国と同じように、日本はノーマルな経済環境であり 実質賃金は上昇するという考えに基づいています。 ![]() | ||||
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■若手が予測する 将来、もらえる年金額とは? 「年金は、将来(老後)、いくら、もらえると思うか?」 という趣旨のアンケートがあります。※(出典は下段に記載) 若手世代のアンケート回答は、もらえる年金の予想額の平均は、たったの9万円(月額)です。 9万円は平均値ですが、中には「1円も、もらえない」と予測する人が17%もいます。 「現在は22万円もらえるが、将来は減っていき、自分の老後では、9万円しか、もらえない。」 と、若手世代は、予想しています。 しかし、41万円も、もらえるのです。若手世代が予測する金額の4倍以上も、もらえます。 ■若手世代とは? このページでの「若手」とは、2014年での29歳を設定しています。 29歳の人は、65歳の年金受給の開始まで、36年あります。 なお、2014年の36年後は、2050年度です。 2014年の厚生労働省の将来予測が、2050年度まで(ケースE)となっています。 なので、取り上げる年齢は、29歳が、一番ちょうどよい年齢となるので、そうしました。 ![]() ■現在もらえる、22万円とは? 2014年度での「モデル世帯」が、受け取る年金の額は、 21.8万円です。(四捨五入して22万円) 「モデル世帯」とは、平均的な収入の夫と、専業主婦の妻の世帯のことです。 ■将来、もらえる年金額は、誰がどのように公表? 厚生労働省は、年金の将来見通しを公表しています。※ 将来見通しは、予測なので、幅をもっています。 楽観シナリオから、悲観シナリオまで、8パターンの幅で用意されています。 A、B、C、D、E、F、G、Hの8件のケースがあります。 最も楽観的なのは、「ケースA」で、最も悲観的なのは、「ケースH」です。 年金の見通し話では、ケースEが、中間的なケースとして、よく取り上げられます。 ここでも「ケースE」をベースにします。 なお、ケースEでの、想定の実質経済成長率は、0.4%です。※1 2012年~2017年での、実質経済成長率の実績(年率)は、約1.2%です。※2 ケースEの想定成長率0.4%は、実績に対して控え目です。 この点では「中間的ケース」というより「控えめケース」(楽観していない)ですね。 ※2:実質GDP 約1.2%(1.225%) A×1.01225^5=B A:498,803(2012年) B:530,112(2017年)*単位:十億円 ※1出典(下の表):厚生労働省 平成26年 ![]() ■将来もらえる41万円とは? 将来(2050年)には、モデル世帯で、月額40.9万円もらえます。(四捨五入で41万円) 「ケースE」での2050年度の年金受給額(月額)は、26.6万円となっています。※下図➡ しかし、この26.6万円は、実際にもらえる金額ではありません。 厚生労働省の資料に注記があるように「物価で平成26年度に割り戻した額」です。※下図➡ (H26年 = 2014年) 26.6万円とは、物価上昇率を使って、40.9万円を、現在の価値に、割り戻した金額です。 なお、ケースEで設定された物価上昇率は、1.2%です。 ※1出典(下図):厚生労働省 平成26年 2か所の「➡」は、筆者が挿入 ![]() ■26.6万円と40.9万円の計算は? 26.6万円は、40.9万円を、物価上昇率を使って、現在の価値に、割り戻した金額です。 「割り戻す」だと、わかりにくいので、「割る (割り算)」ではなく、 「掛ける(掛け算)」で説明します。 ◆掛け算では、 2014年の金額に物価上昇率を、掛けていきます。 例えば、高級ブランドのスーツを買うとします。 そのスーツは、2014年に26.6万円の値段だとします。 1年後に、物価が1.2%上がったら、2015年は、26.9万円に値上がります。 ( 26.6万円 × 101.2% = 26.9万円 ) その次の2016年度は、27.2万円に値上がります。 ( 26.6万円 × 101.2% × 101.2% = 27.2万円 ) 毎年、毎年、物価が、1.2% 上昇したら、 36年後の2050年度には、40.9万円に値上がりします。 ( 26.6万円 × 101.2% × 101.2% × 101.2%・・・・・と、 101.2% を、36回、掛け算すると = 40.9万円 ) 以上が、掛け算です。 ◆割り算では? 40.9万円 ÷ 101.2% ÷ 101.2% ÷ 101.2%・・・・と、 36回、割り算すると、26.6万円になります。 こうして、2050年度での年金受給額(月額)の26.6万円は、 実際に受け取る金額ではなく、40.9万円を2014年に割り戻した計算上の金額です。 2050年に、もらえる年金の金額は、26.6万円ではなく、40.9万円です。(ケースE) 引かれるもの※がある場合は、40.9万円から引かれた残額が、預金通帳に振り込まれます。 ※引かれるものとは、 「所得税」「住民税」「介護保険料」「国民健康保険料又は後期高齢者医療保険料」 ■なぜ、物価上昇率を、計算に入れるのか? イメージ例の話をしてみます。 今年、26.6万円のスーツを、今年、貰った年金26.6万円で買うことができます。 しかし、来年、物価が1.2%上がれば、 スーツは、26.6万円 × 1.012 = 26.9万円 になります。 でも、もらう年金が26.6万円のままだと、 このスーツ(26.9万円)は、3千円不足して買えません。 お買い物のパワーが落ちないように、 物価が上昇した分、年金額もアップという発想があるのです。 (また、様々な比較をするために、2014年時点での価値に統一した方が比較しやすい。) この「お買い物のパワー」を「購買力」と言います。 年金制度は「購買力」も考慮した制度です。 上述のケースEでは、2050年にもらえる年金は、名目40.9万円でした。 2014年の価値に割り戻した金額でも、26.6万円です。 いずれも、21.8万円より、大きい金額です。2050年には、今より購買力も高まります。 年金制度は、ある意味、親切に、できています。 世間で言われるほど、年金は、悲観するものではありません。 ![]() ■みんなで、年金制度を 「年金は破綻する」「年金は、1円も、もらえない」 「もらえても、大幅に減る」など、こんな言葉が、日本では、飛び交っています。 金融庁ワーキング・グループの報告書の公表から、注目を浴びることになった「年金」 自民党の小泉進次郎さんは「年金を説明・議論するチャンス」 という趣旨の発言をしました。 消費者経済総研でも、ぜひ、皆さんと一緒に、 「年金を、知り、議論する」場を続けていきます。 ■出典 ※厚生労働省「国民年金及び厚生年金に係る 財政の現況及び見通しー平成26年財政検証結果ー」21PにケースE*平成26年=2014年 ※日本生命保険相互会社 ニッセイ インターネット アンケート(平成26年) ・「若手世代」は、上述の設定では29歳で、アンケート結果では「~20代」のカテゴリー ・「⑦想像できない」を計算から除外 |
■筆者プロフィール 松田優幸 ◆番組出演・執筆・講演等のご依頼は、お電話・メール にてご連絡ください。 ◆実績一覧(番組出演・執筆・寄稿・講演等)は、 こちらの実績一覧 を、ご覧下さい。 ◆経歴 1986年 私立 武蔵高校 卒業 1991年 慶応大学 経済学部 卒業 経済学部4年間で、 ・マクロ経済学(GDP・失業率・インフレーション・投資・貿易収支等) ・ミクロ経済学(家計・消費者、企業・生産者、取引市場等)・労働経済学を専攻 経済学科 高山研究室 にて、 ・貿易経済学・環境経済学を研究 1991年~東急不動産(株)、東急(株)、(株)リテール エステートで勤務 この間では、 消費経済の最前線の現場である、店舗・商業施設などを担当し、 各種施設の、企画開発・運営、接客等で、消費の現場の最前線に立つ。 また、全国の消費経済の現場を、視察・調査し、その数は多岐にわたる。 また、25年間の間「個人投資家」として活動中。 投資家として、マクロ経済(金利、GDP、物価、貿易、為替など)の分析や、 ミクロ経済(企業動向、決算、市場など)の分析にも、注力している。 *近年は、 消費・経済・商業・店舗・ヒットトレンド等で、番組出演、執筆・寄稿、セミナー・講演等で活躍 *現 在は、 消費者経済総研 チーフ・コンサルタント (53歳) 兼、株式会社 リテール エステート リテール事業部長 *資格は、 ・ファイナンシャル・プランナー ・宅地建物取引士資格者 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前迄) ・簿記3級 |
■ご留意事項 ※当総研が提供する情報においては、情報の簡略化・省略等をしている箇所があります。 ※ご自身が記載内容と全部又は一部において一致又は類似していても、制度がご自身に同様に適用又は非適用とはならない場合があり、また、同じ計算や同じ計算結果とならない場合があります。 このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、行政庁等へ確認や相談をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、対応してください。 また「免責事項」をお読みください。 |
■【 3分でわかるシリーズ 開設の動機 】 チーフ・コンサルタントの松田優幸は、1987年に慶応大学の経済学部に入学して、 4年間、マクロ経済学を始めとした各経済学を研究していました。 研究を開始した時の感想は「経済学の論文や文献は、よくわからない」でした。 その後、理解が進んだ後には 「よくわかった。しかしなんで、わざわざ、わかりにくい表現をするのか?」 との感想を持ちました。 昨今、世の中に登場する解説でも「わかりにくい」表現は、 いまだ少なくない、と感じています。 そこで「3分でわかるシリーズ」を展開することで、 多くの方々に「わかりやすく」お伝えしていく考えです。 |
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