税込表示|改定理由と表記の正誤|消費税の専門家・評論家がクイズで解説|2021年3月14日更新|消費者経済総研


■本ページ上段:4月から税抜のみではダメ|7年半ぶりに変更の消費税|評論家が解説

■本ページ下段○それとも×?|クイズ形式で、税込表示の消費税を専門家が簡単解説


消費税の価格表示が、7年半ぶりに、2021年4月1日から、変更されます。
税抜のみの価格表示では不可で、税込表示(総額表示)が、義務付けられます。

消費税の専門家・評論家の松田優幸(ファイナンシャルプランナー)が、
わかりやすい解説でお伝えします。


東京新聞から、筆者(松田)が、取材を受け、消費税の減税に関する内容が掲載されました 。
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初稿:2021年3月13日 最新稿:2021年3月14日
 本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていく場合があります。

ご注意
このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、
対応して下さい。また「免責事項」をお読みください

4月1日から税込表示が義務
2021年4月1日から、消費税は、税込表示(総額表示)が義務になります。
ところで、今までの消費税の「税込・税抜」の表示の歴史を見てみます。

◆1989年4月~:税抜OK
 ↓
◆2004年4月~:税込義務
 ↓
◆2013年10月~:税抜OK
 ↓ 
◆2021年4月から:税込義務

このように、何度も変わりました。その理由を、解説します。




2004年、税込表示になった理由 とは ?
答えは、消費者の利便性アップです。消費者が、判断しやすくするためです。

2004年4月から、税込総額の表示を義務付ける「総額表示方式」が実施されています。
その前まで多かった「税抜表示」では、消費者は、支払総額が、わかりにくかったのです。

また「税抜表示」と「税込表示」のお店が混在していると、価格比較が、やりにくかったのです。
「総額表示の義務化」は、消費者が、消費税を含む支払額が、一目で分かるようにするためです。

2013年、税抜表示okになった理由 とは ?
答えは、「値札シール等の貼り変え等が、面倒だから」です。

2012年の8月に「消費税法の一部を改正する法律」が成立しました。
当時の税率の5%を、10%まで、段階的に引き上げることが、定められました。

 この法律の正式名称は「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」です。

消費税の税率は、2014年に5%→8%、2019年に8%→10%と変更されました。

税抜表示なら、税率が変わっても、商品に貼った値札シールは、そのままで貼り換え不要です。
例えば、100円の商品なら、商品の値札シールは100円のままで、貼り替え不要です。

税込表示だと、商品の値札シールは、105円→108円→110円と、増税の度に貼り替え必要です。
この値札の貼り替え等の、事業者の事務負担に配慮して、税抜表示がokとなりました。



2021年、再び、税込表示になった理由 とは ?
答えは、消費税の税率の変更予定が無いからです。

先述の通り2012年の「消費税法の一部改正の法律」で、10%までの引上げが、決まっていました。
そして2019年10月に、ついに消費税率が、その10%になりました。

消費税の増税は、今後は、法律上の予定がありません。よって、当面10%のままです。
そこで「支払い総額の わかりやすさ」の見地から、税込み(総額)の表示に、なったのです。

もちろん、税法の変更がなされれば、消費税の税率は、上がることも下がることも、ありえます。

菅首相は、首相就任前に
 「将来的なことを考えたら、消費税は、引き上げざるを得ない。」
と言う趣旨の発言をしました。

その後、その発言の火消しに走り、
 「安倍首相は『今後10年ぐらい上げる必要はない』と発言している。私も同じ考えだ。」
と軌道修正しています。

この発言からは、消費税は、10年間増税は、なさそうです。
一方で、消費税の減税は、どうでしょうか?

コロナ禍で、多くの国が、消費税を減税
アジアでは、中国、韓国、マレーシアが、
欧州では イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギーなどと、
海外では、様々な国が、コロナ禍で消費税を、減税しています。※付加価値税を含む


日本でも自民党の有志が、コロナ禍対策として、消費税減税を求める緊急声明を、出しました。
コロナ禍においてでも、平時でも、消費税は、増税すべきでしょうか?減税すべきでしょうか?

消費者経済総研は、消費税に関して、増税の影響、減税の効果、税収に占める割合などを、
今まで、解説してきました。

消費税特集・各テーマ 一覧」もご覧下さい。

続いて、税込表記の良し悪しを、クイズ形式で、解説します。




クイズで、○ or × 正解は?

4月からは、下記↓のうち、どれがNG? (本体価格10,000円の場合)

⑴ 11,000 円
⑵ 11,000 円(税込)
⑶ 11,000 円(税抜価格10,000 円)


 → 全て○:上記3パターンは、いずれもokです。



では、続いて、下記↓のうち、どれが × ?

⑷ 11,000 円(うち消費税額等1,000 円)
⑸ 11,000 円(税抜価格10,000 円、消費税額等1,000 円)
⑹ 11,000 円(税抜価格10,000 円、消費税率10%)

 → 全て○:こちらも、上記3パターンは、いずれもokです。




下記は、さすがに×

⑺ 10,000 円(税込価格11,000 円)


 →○:こちらも、okです。



「100円ショップ」の看板は、そのままでよい?

 → ○:看板は、そのままでok

商品等の支払総額が、いくらなのかを、消費者が、事前に一目で、わかるようにするのが趣旨です。
よって「100円ショップ」などの看板は、お店の名称(屋号)なので、税込表示は不要です。

しかし「100円ショップ」の店内の商品には、もちろん、税込表示をする必要があります。




「B to C」 ではなく、「B to B」 の ビジネス取引でも、税込表示?

 → ×:税抜きでもok


税込表示の義務は、不特定かつ多数の者に、対するものです。
つまり、消費者取引の値札や広告などで、あらかじめ価格を表示する場合が対象です。

事業者間でのビジネス取引は、税込表示の義務の対象になりません。



見積書や請求書等は、税込表示?

 → ×:税抜きでもok

税込表示の義務は、不特定かつ多数の者に対する(つまり消費者取引)の値札や広告などで、
あらかじめ、価格を表示する場合が、対象です。

よって、見積書・契約書・請求書等は、税込表示は、義務ではありません。




店舗や施設が、「会員制」なら、税抜ok?

税込表示の義務は、不特定かつ多数の者が、対象の場合です。
では、会員制の物販店や、スポーツクラブやゴルフ場などで、会員のみ場合は、どうでしょうか?

 → 会員のみが対象でも、会員募集が、広く一般に実施の際は、税込表示が義務です。



「税抜価格」を基に「税込価格」にした際、1円未満の端数は、四捨五入?

 → △:「四捨五入」でも、「切捨て」、「切上げ」、どれでもよい。

どれにするかは、各事業者が、自ら判断してかまわないのです。




下記↓のうちで、 okなのは、どれ?


 → A: 4つのうち、B・C・Dの3つは、いずれもNGで、Aのみがokです。

Bは、右下の税込表示が、小さすぎで、NGです。
Cは、右側の税込表示の文字間が、狭すぎで、NGです。
Dは、右側の税込表示が、背景の色と、かぶってしまいNGです。

消費税特集・各テーマ一覧
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今まで、解説してきました。

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筆者プロフィール
松田優幸が登壇のセミナーの様子
【松田 優幸 (消費者経済総研 チーフ・コンサルタント) 経歴】

*1986年
私立 武蔵高校 卒業

*1987年
慶応大学 経済学部 入学

経済学部で、
・マクロ経済学(GDP・失業率・インフレーション・投資・貿易収支等)
・ミクロ経済学(家計・消費者、企業・生産者、取引市場等)・労働経済学を専攻
 経済学科「高山研究室」にて、貿易経済学・環境経済学を研究

*1991年
慶応大学 卒業  東急不動産(株) 入社

*1997年
親会社の東急電鉄(株)へ逆出向
消費の現場である商業施設と街づくりの計画担当

*2000年
東急不動産 復職
各種の商業施設の企画開発・運営、接客等で消費の現場の最前線に立つ。

*2005年
東急不動産から、消費・商業・経済のコンサルティングをおこなう
株式会社 リテール エステートへ移籍し14年間、

全国の消費の現場を視察・調査。その数は多岐にわたる。

*現 在
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼 リテール エステート リテール事業部長 (52歳)

*資 格
 ・ファイナンシャル・プランナー
 ・宅地建物取引士資格者
 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで)
 ・簿記3級


【ファイナンシャル・プランナー 資格】

【消費者経済総研について】

■研究所概要
名称  : 消費者経済総研
所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
事業内容: 消費・商業・経済の、調査・分析・予測のシンクタンク
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チーフ・コンサルタント 松田優幸   経歴のページはこちら