自死者数が、コロナ死者数を超えた|7月から増加|対策の再考必要|2020年11月23日

【再考必要】
新型コロナの対策・政策でのブレーキ(自粛等)の再考必要

ついに7月から、自死者数が、コロナ死者数を超えた

失業者も 隠れ失業者も 増加

C:犠牲者の総数 = A:感染の犠牲者 + B:経済の犠牲者
Aの増加防止は大切だが、Bの増加→Cの増加に 注意が必要

新型肺炎から、人々の健康生命を守るため、コロナ・ウイルス対策は、重要なテーマです。
同時に、経済を守るため、ウイルス対策は、同じく重要です。

「ウイルスの制御や制圧」がなされれば、激しく落ち込んだ景気は「V字回復」でしょう。
つまり「ウイルス対策」は、「最高の経済対策」でもあります。

消費と経済の消費者経済総研では、「経済対策」は、主たるテーマの一つであります。
コロナ問題を、公衆衛生の問題としてのみではなく、経済問題として連載しています。

そのため、消費者経済総研は、コロナ関連テーマを、お届け致しています。


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初稿2020年11月15日、11月23日更新
 本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていく場合があります。

ご注意
このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、
対応して下さい。また「免責事項」をお読みください
はじめに

新型コロナウイルスに、罹患された患者さま、
被害に遭われた皆さま、影響を受けられた皆さま、
またその関係者の皆さまに、心より、お見舞い申し上げます。
ついに「 自死 > コロナ死 」 となる
ついに、7月からは、「 自死 > コロナ死 」 となってしまいました。

まずは、「増加 自死数」(昨対 増加数)を、見てみます。


7月から 自死者数が、昨年を超える
6月までは、自死者数は、2019年より2020年の方が、少なかったです。
しかし、7月からは、昨年よりも増加しています。

 ※出典:警察庁データ

コロナ禍で、飲食店をはじめとする業種は、大変厳しい状況に置かれています。
4月30日に東京都練馬区で飲食店店主が、自ら命を絶たれた模様であるとの報道がされました。

緊急事態宣言の延長の予兆を感じ、希望をそがれて、しまったのでしょうか。

一方で、人々は、危機があった時は、生命本能・防衛本能から「生きよう」ともします。
昨対人数で、最も自死者数が、減少したのは、緊急事態宣言があった4月です。

東日本大震災でも、3月・4月は、自死者数は減少し、2か月後の5月度から増加しました
コロナ禍でも、緊急事態宣言解除から2か月後の7月から増加に転じています。

  ※出典:警察庁生活安全局、内閣府対策推進室の資料から、消費者経済総研が集計
     2011年の福島、宮城、岩手、茨城の4県の自死数の昨対率は、3月76%、4月94%、5月116%

「 自死 > コロナ死 」 とは?
7月からの「 自死 > コロナ死 」について見ていきます。

先だって、2020年の10月までの累計数を見ると、

新型コロナ死者数は、2月13日~10月末日までで、累計 1,770人 で、
一方で、自死者数は、 1月 1日~10月末日までで、累計 17,219人 です。

6月までと、7月からでは、大きな変化が見られます。そこで、7月以降にフォーカスします。
7月は、増加自死数は47人で、コロナ死者数は39人です。増加自死数>コロナ死者数です。




単月では、7月以降は、9月を除き増加自死数コロナ死者数となっています。
また、7月以降の累計でも増加自死数コロナ死者数です。

7月以降の「コロナ死者数」と「本年・自死者数 - 昨年・自死者数」で比較しています。
後者の「本年・自死者数 - 昨年・自死者数」が「増加自死数」です。

 ※出典:警察庁、厚生労働省

「犠牲者の総数」=「感染の犠牲者」+「経済の犠牲者」
コロナ感染の防止は、とても重要です。
経済生活も大切ですが、健康・生命の安全の確保が重要です。お金よりも命です。

しかし、一方、活動自粛などにより、経済には大きなダメージとなっています。

ところで、消費増税があった1997年からは、経済は悪化し、失業者も急増しました。
同時に、「自ら命を断つ数も急増」しました。

「失業率 と 自ら断つ数」は、高い相関関係となっています。(相関係数0.95)
感染の犠牲者と、経済の犠牲者の、双方を、救済すべきです。

感染防止で自粛等を強化すると、犠牲者の総数が、かえって増えてしまう懸念もあります。

 C「犠牲者の総数」= A「感染の犠牲者」+ B「経済の犠牲者」

「A」の増加を抑える施策の副反応で、景気悪化が加速し、失業者が増えるリスクもあります。
そして、自死者が、増えてしまう懸念が、あります。

「A」の増加防止は、とても大切です。
しかし、「B」が増加した結果、「C」が、かえって増えてしまわぬように注意が必要です。

上記のまでの文章は、消費者経済総研が、2020年3月29日にリリースした文章です。
今よりも、約8月前です。それを抜粋転載しています。

3月29日は、間もなく、緊急事態宣言が、発出される時期でした。
人々は、コロナにおびえ、恐怖を感じる情報も日々、報道されていました。

政府や自治体は、国民や、企業へ、様々な呼びかけをしました。
「自粛要請」という言葉が、はびこっていました。

アクセル(経済活動)を緩めて、ブレーキ(感染防御)を踏む ことに対して、
当総研は、3月から継続的に、繰り返し警鐘を発してきました。

あってはならない・起きてはならない予測であるものの、予測蓋然性から、警鐘を発しました。
その起きてはいけない予測の状態に、7月から、なってしまったのです。

本執筆時点は、過去最高のコロナ陽性者数となり、第3波の状態にあります。
しかし、感染対策の行動制限・自粛などの「ブレーキ」への過剰な傾斜は、要注意です。

ブレーキを踏むことで、別のリスク(自死)を、拡大する可能性が示唆されています。
コロナ禍の対策や政策は、再考が必要ではないでしょうか?

ブレーキ(コロナ対策)で、経済が悪化しました。
経済が悪化すると、自殺者数は、どうなるのでしょうか? まずは、失業率で見てみます。

失業率は?
◆1997年 消費増税 → 失業増 → 自死増

1997年4月に、3→5%への消費増税がありました。景気は悪化し、失業率も上昇しました。
下記のグラフの通り、1997年から1998年は、失業率は急増します。

下記のグラフの通り、失業率が増加すると、自ら命を断つ数も、増えてしまいました。
1998年は、前年の2.4万人から、3.3万人へ急増しました。



 ※失業率 出典:総務省統計局 労働力調査 長期時系列データ 完全失業率 総数
  1994年2.9% 1995年3.2% 1996年3.4% 1997年3.4% 1998年4.1%

 ※自死数 出典:厚生労働省 参考統計資料[警察庁統計]
  1994年21,679人 1995年22,445人 1996年23,104人 1997年24,391人 1998年32,863人


◆相関関係は?

1994~1998年で見ると「失業率」と「自死数」は、相関性が高いです。
相関係数を分析すると「0.95」です。1.0に近く、かなり高い相関性が、認められます。

相関係数は、「ゼロから、1まで」の値で、表されます。
全く相関がないが、「ゼロ」です。 完全に相関するのが「1」です。

一般に、「相関係数」は、下記が目安とされます。

 0.7~1.0 → 強い相関がある  0.4~0.7 → 相関あり
 0.2~0.4 → 弱いが相関あり   0 ~ 0.2 → ほぼ相関なし


◆2020年は?

現時点(最新データは2020年9月)では「失業率」の値自体は3.0%と、まだ高水準では無いです。
しかし、失業率は、上昇傾向にあります。




隠れ失業者 とは ?
◆「失業者数」や「倒産件数」は、なぜ、まだ多くない?

コロナ禍では、失業者ではないが、ほぼ失業状態であったり、休業中の人も多いでしょう。

会社の方は、表面化した「倒産件数」は、まだ多く無いです。
しかし休業中、実質停止中、閉鎖予定、ほぼ廃業前、の会社も多いでしょう。


◆隠れ失業 とは ?

「失業者」とは別に、「隠れ失業者」が増加しています。
隠れ失業者とは、広めに定義された失業者です。

隠れ失業者 = 失業者 + 就労を追加希望する者 + 潜在労働者 です。
男性より、女性のほうが高い値になっています。


※「失業率+隠れ失業率」とは、
  総務省統計局における「未活用労働指標4(LU4)」のことです。

※「失業率+隠れ失業率」の計算式は、
  (失業者+追加就労希望就業者+潜在労働力人口)÷(労働力人口+潜在労働力人口)×100です。

※追加就労希望就業者とは、
 就業時間が週35時間未満で,就業時間の追加を希望しており,追加できる就業者(下図A)

※潜在労働力人口とは、
  就業者でも失業者でもない者(非労働力人口)のうち,以下のいずれかの要件を満たす者(下図C)
 
 ・「拡張求職者」:1か月以内に求職活動を行っており,すぐではないが2週間以内に就業できる者

 ・「就業可能非求職者」:1か月以内に求職活動を行っていないが、就業を希望しており、すぐに就業できる者



 ※出典:総務省統計局


女性の 自死増加数が 高い
昨対の増減数を、別にみると、7月以降の女性の自死増加が顕著になります。

コロナ禍では、打撃を受けた「飲食店、アパレル、宿泊など」のパート店員さんに
女性の比率が多いからではないか、との推測もなされています。

 ※出典:警察庁データ

コロナより はるかに リスクが高いのは?
2020年11月15日時点では、新型コロナによる死者数は1,895人です。
(9か月間の人数とした場合の年間換算では、2,526人=1895÷9か月×12か月)

◆2019年の原因別死者数では、

上段に掲載した自死者数は、7月からの昨対の増加数でしたが、
2019年の年間合計では、2万169人です。

その他の原因別の死者数で、病気系で多いのは、
ガンは37万6392人、心疾患は20万7628人、脳卒中は10万6,506人です。

不慮のアクシデント系では、
転倒等は 9,543人、不慮の窒息は 8,379人、交通事故は 4,295人です。

季節性があるものでは、
「熱中症」は死亡数が1,221人です。インフルエンザは、3,571人です。
「不慮の窒息」のうち、餅がのどに詰まる窒息は、1月に増えると言われています。


◆コロナ騒動は、過剰では?

新型コロナの死者数は、年間推計では2,526人です。

新型コロナでは、ロックダウンまでは実施しませんでしたが、緊急事態宣言が発出されました。
緊急事態宣言の期間では、日本国民の行動が大きく縮小しました。

コロナで緊急事態宣言なら、夏に「熱中症・緊急事態宣言を」と言う人も、いました。
(猛暑期間は、ご年配の人は、政府が用意する涼しいホテルに滞在などの予算措置など)

そもそも、新型コロナの死亡率は、アジアは、イタリアの100分の一しかありません。
上記のように、他に様々な高い死亡リスクがあるのに、コロナばかりに注力するのは問題です。

 ※出典(原因別死者数):厚生労働省 人口動態統計 2019年

犯罪の増加も、懸念される

1997年に、3→5%への消費増税が、ありました。以降、景気は悪化していきます。
そして、失業率は、上昇していきます。

失業率のピークは、2002年(平成14年)で、平成30年間で最も高い「5.4%」の失業率です。
そこから、景気は反転し、リーマン・ショック前まで、回復傾向になります。

「失業率」と「犯罪発生率」の相関関係は、どの程度でしょうか。

「消費増税・ショック」から、リーマン・ショック前年までの10年間の相関係数は「0.94」です。
1.0に近く、高い相関関係になっています。

ブレーキ(感染対策)を踏むことで、景気悪化 → 失業者増の場合は、
自殺者数の増加のリスクに加え、犯罪増加のリスクもあります。


「感染の犠牲者」も「経済の犠牲者」も、共に「犠牲者」
コロナ感染の防止は、重要です。
しかし、一方、活動制限などにより、経済には大きなダメージとなっています。

感染防止で行動制限を強化すると、犠牲者の総数が、かえって、増えてしまう懸念もあります。

  C「犠牲者の総数」=A「感染の犠牲者」+B「経済の犠牲者」

「A」の増加を抑える施策の副反応で、景気悪化が加速し、失業者が増えるリスクもあります。
そして、自ら断つ人数が、増えてしまう懸念が、あります。

「A」の増加防止は、とても大切です。
しかし、「B」が増加した結果、「C」が、増えないように、注意が必要です。


コロナ死亡率が、低い 日本 とは ?

※日本では、新型コロナの被害が、少ない理由 とは ?
下記の過去特集号をご覧下さい。

「ファクターx」は何か? 日本のコロナ死者が、少ない理由は?|2020/11/12

日本のコロナ致死率が低い理由|ファクターx|亜種に感染し交差免疫を獲得済|2020/6/14・7/12


おわりに
あらためて、新型コロナウイルスに、罹患された患者さま、被害に遭われた皆さま、
影響を受けられた皆さま、またその関係者の皆さまに、心より、お見舞い申し上げます。


【筆者プロフィール】
松田優幸が登壇のセミナーの様子
【松田 優幸 (消費者経済総研 チーフ・コンサルタント) 経歴】

*1986年
私立 武蔵高校 卒業

*1987年
慶応大学 経済学部 入学

経済学部で、
・マクロ経済学(GDP・失業率・インフレーション・投資・貿易収支等)
・ミクロ経済学(家計・消費者、企業・生産者、取引市場等)・労働経済学を専攻
 経済学科「高山研究室」にて、貿易経済学・環境経済学を研究

*1991年
慶応大学 卒業  東急不動産(株) 入社

*1997年
親会社の東急電鉄(株)へ逆出向
消費の現場である商業施設と街づくりの計画担当

*2000年
東急不動産 復職
各種の商業施設の企画開発・運営、接客等で消費の現場の最前線に立つ。

*2005年
東急不動産から、消費・商業・経済のコンサルティングをおこなう
株式会社 リテール エステートへ移籍し14年間、

全国の消費の現場を視察・調査。その数は多岐にわたる。

*現 在
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼 リテール エステート リテール事業部長 (52歳)

*資 格
 ・ファイナンシャル・プランナー
 ・宅地建物取引士資格者
 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで)
 ・簿記3級


【消費者経済総研について】

■研究所概要
名称  : 消費者経済総研
所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
事業内容: 消費・商業・経済の、調査・分析・予測のシンクタンク
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チーフ・コンサルタント 松田優幸   経歴のページはこちら