日本の消費税はスウェーデンより多い? | わかりやすく 評論専門家が 解説


|日本の消費税はスウェーデンより多い?|
わかりやすく評論専門家が解説。

高税率25%のスウェーデン・デンマーク・ノルウェーも抜く、
日本の消費税収の多さの謎とは?

消費者経済総研が、
消費と経済を、わかりやすい3分解説をします。


【 連載シリーズ 消費税 】
「実は、日本の消費税は多い?」

~3分でわかる 消費税の実態~

消費と経済を科学する「消費者 経済 総研
(東京都新宿区、代表:松田 幸治)は、
消費税の海外比較を分析し、その内容を発表します。

消費税率に関しては、日本は低く(8→10%)、北欧諸国(25%)は高い
しかし中身を見ると、どうでしょう?

日本は、2019年10月に、消費税率が10%になります。

消費税率25%の北欧諸国よりも、日本の方が、
消費税のウエート( 消費税の税収 ÷ 全ての税収 )が、高くなる、
その謎とは? について解説します。

消費者経済総研は、チーフ・コンサルタントの松田優幸を筆頭に、
消費や経済等の評論家・専門家として
わかりやすい解説を、お届けしています。


 
■【 消費税の 税率は?  高い? 低い? 】

日本の消費税率は10%でも、諸外国より低いので、さらに税率を上げていきましょう、
という意見も聞きます。

高福祉で幸せな国民生活をおくる国として、北欧諸国が、よく取り上げられます。
スウェーデン、ノルウェー、デンマークの3カ国は、25%と高い消費税率です。


■【 消費税のウエートとは?】

上記は、「税率」でしたが、続いて「構成比」に注目です。

消費税の税率ではなく【 消費税の税収での構成比 】つまり
「 消費税の税収 ÷ 全ての税収 」で見ると、
日本の消費税は、北欧の国より、多いことがわかります。(10%へ増税後)

日本においては、様々な種類の税がありますが、
中でも「法人税」「所得税」「消費税」の3つが、主な税として注目されます。

全ての税収とは「法人税 + 所得税 + 消費税 + その他の税」の税収の合計です。

北欧の中で消費税率が25%と高率であるスウェーデン、ノルウェー、デンマークに
注目します。下記↓グラフを見て下さい。(時期は2016年ベース)

構成比は、スウェーデンは24%、ノルウェーは22%、デンマークは21%です

2019年10月に日本の消費税率は、10%になりますが、
試算では、税率10%での日本の消費税の構成比は、26%となります。

消費税率25%の北欧3カ国より、10%の日本の方が、消費税の構成比は、大きくなります。(計算根拠は後述)


■【消費税収 の 比率の謎 は?】

■様々な 軽減税率 がある

スウェーデンの消費税率は、25%ですが、各種の軽減税率があります。

医薬品は、ゼロ税率です。食料品、ホテル利用、外食等は12%の軽減税率で、
新聞、雑誌、書籍、スポーツ観戦、映画、輸送等は、6%の軽減税率となっています。

よって、平均税率(実効税・負担率)は、25%を大きく下回ると考えられます。
(14~18%程度の試算もありますが、後日、詳細が分かればお伝えします。)

■その他の税金が高い?

*所得税は、どのくらい高いか? 実効税率の例

消費税以外の税で、所得税に注目してみます。

「所得税」は、国際比較のために「個人所得課税」※というワードにします。
   ※Taxes on income, profits and capital gains of individuals

個人所得課税の「実効税率」で見てみます。

世帯収入が500万円の共働き家庭の例では、実効税率は、
スウェーデンは約17%で、日本は約4%です

この例では、スウェーデンでは、日本の約4倍高い個人所得課税を負担しています。


※「実効税率」の項では、内閣府の資料を参照しています(詳細は下段記載)
※この 5%、17% の値は、資料のグラフに数字がふられていないため、目測によります。
※「実効税率」とは?
 ・ここでの「実効税率」の意味は、内閣府資料に明確な定義は、見あたりませんが、
  備考欄に「実効税率・負担率」と言うコトバがあるので、
 「負担すべき所得税額+個人住民税額(所得割)+復興特別所得税額」÷「年収の額」の率であると
  想定しています。
・「法人税の実効税率」では、法人税の他に地方法人税、法人住民税、法人事業税を、考慮した税率を
 言うことが多いです。
*個人所得課税のウエートは?

個人所得課税の「税率」ではなく「構成比」( 個人所得課税の総税収における構成比 )
つまり 「個人所得課税の税収 ÷ 全ての税収 」で見ると、
スウェーデンでは34%となります。

スウェーデンの税収の構成比では、個人所得課税が34%で、前述の消費税が24%です。

*日本とスウェーデン 総税収の負担レベルは?

消費税の他、所得税、法人税、その他の税を、合計した「総税収」と、
経済規模の「GDP」の関係で見てみます。

すると、「総税収÷GDP」では、スウェーデンは39%で、日本は18%です。

税金全体では、日本は高負担ではなく、スウェーデンは高負担です。

スウェーデンでは、消費税以外の各種の税金負担も高いため、
相対的に、消費税のウエートが下がります。

「総税収÷GDP」では先の通り、39% ÷ 18% = 約2.2倍ですので、
経済規模レベルからは、スウェーデンは、日本の2.2倍の高負担の税金の国です。

下記↓図をご覧下さい。イメージしやすいように、スウェーデンの円の面積を、
日本の円の面積の2.2倍にしました。

■【結 論】

スウェーデンは、高い消費税率(25%)であっても、
「軽減税率」があるのと、「他の税金が高率」であることから、そうなるのでしょう。

日本のような低負担がいいのか、スウェーデンのような高負担がいいのか?
次回以降も、注目していきます。


■【出典 及び 計算根拠】:本書の下段に記載

■【 3分でわかるシリーズ 開設の動機 】

チーフ・コンサルタントの松田優幸は、1987年に慶応大学の経済学部に入学して、
4年間、マクロ経済学を始めとした各経済学を研究していました。

研究を開始した時の感想は「経済学の論文や文献は、よくわからない」でした。

その後、理解が進んだ後には
「よくわかった。しかしなんで、わざわざ、わかりにくい表現をするのか?」
との感想を持ちました。

昨今のメディアに登場する解説でも「わかりにくい」表現は、
いまだ少なくない、と感じています。

そこで「3分でわかるシリーズ」を展開することで、
多くの方々に「わかりやすく」お伝えしていく考えです。

*松田優幸のプロフィールは、こちら
■【出典及び計算根拠】

■各国の消費税率国税庁「消費税(付加価値税)の標準税率
  
■参考総務省「国税・地方税の税収内訳(2017年平成29年度決算額
  別の年度ですが、総務省の資料は、全体像が見やすく、わかりやすいので掲載します。
  
■日本の消費税の構成比  ※以降は、特記無い限り2016年 (H28)

 *日本の税収額(国税消費税、地方消費税、国税総額、地方税総額)

  ・消費税収( 国 ):172,281億円  
    会計検査院「平成28年度 決算の概要」(396ページ)
    
  ・消費税収(地方):47,028億円
    総務省「第14表 住民税、事業税及び地方消費税の収入状況
  
  ・総税収(国):589,563億円  (地方):393,924億円 
    総務省「第25図 国税と地方税の状況
    
■各国比較 OECDデータ
   Tax revenues by subsectors of general government

   消費税:Taxes on goods and services (General taxes) → 略称:General taxes

 *日本の税収額 (34ペ―ジ)「Japan, Tax revenues」  単位:billion JPY
 
  ・General Taxes(消費税収) 
    21,931=(Central government)17,228+(Local government)4,703

  ・Total tax revenue(総税収) 
    98,348=(Central government)58,956+(Local government)39,392
 
  ・「増税前」消費税 税収 構成比 21,931 ÷ 98,348 =22%
 
  ・「増税後」消費税税収 構成比 (8→10%へ増税後の試算)
    「26,531(21,931+4,600※)」÷「102,948(98,348+4,600※)」 =26%

   ※日銀「展望レポート(2018年4月)図表B1-3:家計負担額(2019年度増税時)」
     4.6兆円=5.6兆円(消費税8→10%での増税額)-1.0兆円(軽減税率分)

■スウェーデン、ノルウェー、デンマークの消費税の構成比

*スウェーデン(48p) 単位:Million SEK

  ・General Taxes(消費税収) 409,367
    =(Central government)409,367+(Local government)0

  ・Total tax revenue(総税収)1,700,053
    =(Central government)1,014,138+(Local government)685,915
 
  ・消費税 税収 構成比 = 409,367 ÷ 1,700,053 = 24%

*ノルウェー (42P) 単位:Million NOK

  ・General Taxes(消費税収) 270,085
     =(Central government)270,085 +(Local government)0

  ・Total tax revenue(総税収) 1,207,126
     =(Central government)1,011,706 +(Local government)195,420
 
  ・消費税税収 構成比 = 270,085 ÷ 1,207,126 = 22%

*デンマーク (23P) 単位:Million DKK

  ・General Taxes(消費税収) 197,437
     =(Central government)197,437 +(Local government)0

  ・Total tax revenue(総税収) 958,867
     =(Central government)701,250 +(Local government)257,617
 
  ・消費税 税収 構成比 = 197,437 ÷ 958,867 = 21%

■総税収÷GDP 

 GDPデータ:OECD 「national accounts Gross Domestic Product

 *日本 (112p):総税収 98,348 ÷ GDP 535,986 = 18%

 *スウェーデン (168p):総税収1,700,053 ÷ GDP 4,385,497 = 39%
 
■個人所得課税 実効税率 日本、スウェーデン比較

    内閣府 「第23回税制調査会」(2018年11月28日)
   「夫婦共働き(給与所得者)世帯)(収入比3:1)」
    (1ページ目 左側グラフから、世帯収入500万円ラインで目視測定)

■日本 税収 構成比  (2016年を基礎に、10%へ消費増税後の試算値)
 「Tax revenues by subsectors of general government

*税収計 102,948(10%へ消費増税後の試算値)

*個人所得課税 30%(30,669÷102,948)
 Taxes on income, profits and capital gains of individuals

*消費税 26%=(26,531※÷102,948) (※10%へ消費増税後の試算値)
 General taxes

*法人課税 19%=(19,778÷102,948)
 Corporate taxes on income, profits and capital gains

*資産税 13%=(13,773÷102,948)
 Taxes on property

*物品税 11%=(11,780÷102,948)
 Taxes on specific goods and services&use of goods and perform activities

*他 0.4%=(418÷102,948)
 Other taxes

■スウェーデン 税収 構成比
 「Tax revenues by subsectors of general government

*税収計 1,700,053

*個人所得課税 34%=(578,403÷1,700,053)
 Taxes on income, profits and capital gainsof individuals

*消費税 24%=(409,367÷1,700,053)
 General taxes

*社会保障拠出金税 12%=(204,966÷1,700,053)
 Social security contributions

*賃金・労働力税 12%=(203,432÷1,700,053)
 Taxes on payroll and workforce

*物品税 8%=(134,966÷1,700,053)
 Taxes on specific goods and services&use of goods and perform activities

*法人課税 7%=(120,505÷1,700,053)
 Corporate taxes on income, profits and capital gains

*資産税 3%=(46,254÷1,700,053)
 Taxes on property

*他 0.1%=(2,159÷1,700,053)
 Other taxes

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