渋谷キャストと渋谷ブリッジ|連載シリーズ渋谷再開発その4|消費者経済総研|2019年11月24日
■「 連載シリーズ 渋谷再開発」 「連載シリーズ 渋谷再開発」として、続々誕生の渋谷の複合商業施設を、連載していきます。 筆者は、東急不動産(株)、東急(株)で、広域渋谷の複合施設の企画・開発・運営をしてきました。 その後、商業施設コンサルタントとして、全国の複合商業施設を調査分析してきました。 ■番組出演・執筆・講演等のご依頼は、お電話・メールにてご連絡下さい。 ■ご注意 このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、対応して下さい。また「免責事項」をお読みください。 |
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写真:上は「渋谷キャスト」 下は「渋谷ブリッジ」
~シブヤの街を 広げる。渋谷駅徒歩10分の場所に、東急の施設が、2つ誕生~ ~「渋谷キャスト」と「渋谷ブリッジ」が、2017・2018年に、オープン~ 「渋谷スクランブルスクエア」と比べると、 この2つの施設は、派手さは、ないが、個性が光る施設 ★「ミクストユース」とは ? 複合用途が混在の施設(ミクストユース)では、人々の交流が、盛んになる ★「コンパクト・シティ」とは ? 様々な機能が近接する街・複合混在の施設では、移動が楽になる。各時間帯が賑わう ★「クリエイティブ企業の拠点」とは? オフィス区画には、クリエイティブ企業が入居。東急は渋谷をクリエイティブの聖地へ ※このページの情報は、本物件のオープン直後時点を、基準にしています。 現在は変化・変更された部分が、ある場合があります。 ■■ 今回号の 注目ポイント ■■ ■シブヤ が ヒロガル ◆シブヤの街を、北と南 へ広げる。 東急の施設が、2つ誕生 ◆北側に「渋谷キャスト」2017年4月 オープン ◆南側に「渋谷ブリッジ」2018年9月 オープン ◆2つの施設は、渋谷駅ゾーンから、少し離れて誕生。シブヤを広げる。 「渋谷キャスト」は、渋谷駅から、北北東へ、約500m 「渋谷ブリッジ」は、渋谷駅から、 南東 へ、約600m ※距離は:直線距離 ※徒歩時間は:実際に歩くと、両方とも、徒歩約10分 ■2つの施設は、共に、「複合施設」 ~ミクストユースとは?~ ◆「店舗」以外も、ミックスした、複合施設 ◆「渋谷キャスト」は、「店舗」「オフィス」「住宅」のミックス ◆「渋谷ブリッジ」は、「店舗」「オフィス」「ホテル」「保育園」のミックス ◆2つの施設は、共に、「交流する空間」 ・オフィスでは、クリエイティブ・ワーカーが、交流。 ・住宅では、住民同士が、交流。 ・ホテル宿泊者が、相部屋で、交流 ・保育園では、園児が、大人たちと、交流? ■2つの施設、共に、「交流する オフィス」がある ◆「渋谷キャスト」には、「シェア・オフィス」もある。 フリーランサーや、企業クリエイターが、集まり、交流・連携・マッチングできる ◆「渋谷ブリッジ」には、「ストリート・オフィス」もある。 ストリート・オフィスとは「シェア・オフィス」や「コワーキング」の進化系 ■クリエイティブ企業 2社のオフィスが、2つの施設を選択し、入居 ◆クリエイティブ企業 2社とは? ・ファッション等の「ベイクルーズ」が、「渋谷キャスト」を選んだ。 ・広告代理店業界の「博報堂ケトル」が、「渋谷ブリッジ」を選んだ。 ◆2つの施設は、シブヤの 南と北 のクリエイティブ拠点 ・北側の、クリエイティブ拠点が「渋谷キャスト」 ・南東の、クリエイティブ拠点が「渋谷ブリッジ」 ◆クリエイティブ企業は、デザインにこだわる? ・「渋谷キャスト」には、「ナチュラル」で「ヒューマンスケール」感がある。 ・「渋谷ブリッジ」には、「エッジ」がある。 ◆東急は、「渋谷を“クリエイティブワーカーの聖地”へ」と、もくろむ。 ■2つの施設では、様々な「交流」ができる。 ◆交流するオフィス 渋谷キャストには「シェア・オフィス」がある。 渋谷ブリッジには「ストリート・オフィス」がある。 ◆他にも、交流空間がある 交流する「ホテル」がある。 交流する「保育所」もある。 交流する「スナック」まである。 ◆ホテルは、相部屋もあり、交流が広がる 渋谷ブリッジには、交流できるホテルがある。 ◆クリエイティブ・ワーカーが、交流する 渋谷ブリッジには、博報堂の子会社と、映像・画像のクリエイティブ企業5社が、集結。 ◆その子会社(博報堂ケトル)が、「ストリート・オフィス」を、開設 ◆渋谷キャスト には「キャンピング・オフィス」まである。 渋谷のテントの中で、働くって、どういうこと? ◆ストリート・オフィスの中には「カラオケ・スナック」まである。 そこは、お洒落な空間。 スナックでも、クリエイターが、交流できる ◆こうして、2つの施設では、あちこちで、交流できる。 以上が「要約編」です、これから「詳細編」です。 ![]() ■■「ミクストユース」と「コンパクト・シティ」とは ?■■ ■新たな街づくりコンセプト「ミクストユース」 とは ? ・オフィスなら、オフィスだけの建物、オフィスだらけの街 ・商業なら、店だらけの建物、店だらけの街 ・住宅なら、住居しかない街 このように、昔は、特に住宅系で「用途」の「純化」に、こだわっていました。 住居しかない街を、想像すると、夜怖いですね。 (静まり返ると、家に帰宅するまでに、何か起きそうな気がしてくる。。) オフィスだけの街は、夜間や休日では、人がいなくなり、寂しくなります。 総合不動産の最大手の三井不動産も、近年「ミクストユース」を強調しています。 「東京ミッドタウン日比谷」は、三井不動産の総力結集の「ミクストユース」の一例 東急も、その言葉は使ってませんが「ミクストユース」の取り組みを、してきています。 東急は、1つの建物でミックスするのではなく、面的展開(街展開)で、ミックスしてきました。 しかし、渋谷の再開発では、東急は、建物でもミックスしています。 ミクストユースの街になれば、商業、オフィス、ホテル、住宅などが、混在します。 ミクストユースで混在すれば、下記のメリットが生まれます。 ・朝・昼・晩と、様々な時間帯で、人がいて、賑わいが、生まれます。 ・各要素が、近い距離にあるので、アクセスが便利です。 ・いろんな人々がいるので、交流のきっかけを、得ることができます。 ■日本政府が、推進する「コンパクト・シティ」とは ? 「ミクストユース」の言葉では、「コンパクト・シティ」という言葉も、想起されます。 ※「コンパクト・シティ」とは 都市の中心部に、行政・商業・住宅など、様々な都市機能を、集中させた都市形態 上記の通り、昔は「用途の純化」に、こだわっていました。 2006年に、政府が「コンパクト・シティ」へ、舵を切りました。 コンパクトな街で、あれば、 ・すまい ⇔ 商業施設 での、買い物の移動 ・オフィス ⇔ すまい での、通勤の移動 ・病院 ⇔ すまい での、通院移動 これらの利便性は、高まります。 「高齢化」が進む日本では、3番目の通院移動も、大きなテーマになります。 ■「ミクストユース」と「コンパクト・シティ」は、時代の要請? ~ 移動時間 の削減を、人々が、求めている? ~ 高齢化であれ、生産性向上であれ、時短ニーズであれ、 移動時間は、短い方が良いですね。通勤地獄も、なるべく避けたいですね。 「コンパクトシティ」も「ミクストユース」も、日本での時代の要請でもあるのでしょう。 政府の「コンパクトシティ」と、デベロッパーの「ミクストユース」は、共通項もあります。 ◆「住みたい街」は、5年間で、どう変化したか? ~通勤時間を、削減?~ ~郊外から、都心へ接近か?~ *「住みたい街ランキング (関東)」(SUUMO調査) 2009年と2018年の9年間を比較しました。(ランキング上位ベスト10、山手線の内・外) 2009年では、山手線圏内で、ベスト10に、入っているのは 「池袋」「恵比寿」「渋谷」「目黒」の4つです。 2018年では、「恵比寿」 「品川」 「池袋」 「新宿」「目黒」と、5つに増えました。 *「メジャーセブン」※では? 上位10位での、山手線圏内は、2009年は、「恵比寿」「広尾」「目黒」の3つです。 2018年は、「恵比寿」「品川」「目黒」「広尾」「表参道」の5つに増えました。 ・鎌倉は、どうでしょうか? 「鎌倉」も人気の街です。しかし山手線からは、距離があります。 「鎌倉」の人気の変化は、どうでしょうか? 「鎌倉」の2009年の順位は、7位でしたが、2018年は、ベスト10から外れました。 ※「メジャーセブン」とは、大手不動産の7社が、共同で運営する、新築マンションの検索サイト。又は、その7社を指す。 ※「7社」とは、住友不動産 / 大京 / 東急不動産 / 東京建物 / 野村不動産三井不動産レジデンシャル / 三菱地所レジデンス (アイウエオ順) *都心(山手線の圏内)希望が、増加。 2つの調査では、共に、都心の山手線圏内の人気が、増えています。 職場へ接近することでの「移動時間の削減」願望も、要因の一つ、ではないでしょうか? 筆者の知り合いの人でも、郊外から都心へ、さらには、会社の徒歩圏のマンションに 引っ越しました、という話も、よく耳に、するようになりました。 ![]() ■■ ミクストユースで、交流 とは ?■■ ■渋谷ブリッジも、渋谷キャストも「ミクストユース」 「渋谷キャスト」と「渋谷ブリッジ」は、単なる商業施設でもなければ、 単なるオフィスビルでも、ありません。 複数の施設要素があり、多様な用途を融合し、創造性を誘発します。 また、施設内で、多様な人々が、混ざり合います。 様々なシーンを支援する空間なので、クリエイターが創造活動の拠点として活動できます。 様々なクリエイティビティが集い、新しいアイデア・ビジネスを、誘発する空間なのです。 ■「渋谷キャスト」 と「渋谷ブリッジ」の構成比較 ◆「渋谷キャスト」では、 「シェアオフィス」「オフィス」「店舗」があり、 さらに、「賃貸住宅」「多目的スペース」「広場」で、構成されています。 ◆「渋谷ブリッジ」では、 「オフィス」「店舗」があり、またカラオケ・スナック付きの「ストリート・オフィス」も。 さらに、「ホテル」「保育園」で、構成されています。 共通要素は「店舗とオフィス」ですが、異なる点は、 渋谷キャストは「住宅」と「広場」が、渋谷ブリッジは「ホテル」と「保育園」があります。 ■「渋谷キャスト」は、住宅でも、広場でも、交流 ◆交流する「住宅」がある 渋谷キャストには、住人同士が交流できる「コレクティブ・ハウス」があります。 キッチン・リビング・ダイニングなど住人の「交流」をサポートする共用スペースがあります。 ◆交流する「広場」がある 「渋谷キャスト」には、広場があり、四季の植栽・緑に囲まれた空間です。 常にオープンで、イベントも、開催されます。 全ての人が、クリエイティブに触れられる、交流のプラットフォームとしても、機能します。 ■「渋谷ブリッジ」は、「ホテル」「保育園」でも交流 ◆交流する「ホテル」がある 「MUSTARD HOTEL」はドミトリー(相部屋)もあり、室内で人々が交流できます。 ここでも、多様な人々が交流し、ツナガル場となります。 ◆交流する保育園がある スタイリッシュに、デザインされた、保育園があります。 その保育園の中にも、保育園が運営するオシャレなカフェがあります。 このカフェは、一般客も利用できます。そこには、園児たちも、訪れるようです。 こうして、一般の街の人々や、クリエイティブ・オフィスの人々や、 園児・保育士さんたちが、交流し、ツナガルのです。 ![]() ■■渋谷を「クリエイティブワーカーの聖地」へ■■ ~東急は「渋谷を “クリエイティブ・ワーカーの聖地”」へと、もくろむ~ 東急は、シブヤを 「クリエイティブ・ワーカーを、魅了するエリアへ、変貌させる」 「“クリエイティブ・ワーカーの聖地”へ」 とのスローガンを、打ち出しています。 ■「クリエイティブ・ワーカー」とは? 「クリエイティブ・ワーカー」を、求人の職種分類で見てみると、下記が見受けられます。 WEBデザイナー、プランナー、CGデザイナー、2D・3Dデザイン 映像制作、イラストレーター、ライター・・・など 動画・静止画のカテゴリーが多く、業界は、WEB・TV・映画・CM・出版・広告等ですね。 さらに、「ファッション・デザイナー」も、クリエイティブ・ワーカーに入るでしょう。 ~ 業界としては、どうでしょうか? ~ 「ファッション」業界も、クリエイティブ業界の一員だと、言えるでしょう。 ![]() ■■2つのクリエイティブ拠点■■ ~「北側」ゾーンの「渋谷キャスト」 「南東」ゾーンの「渋谷ブリッジ」~ ■「博報堂」と「ベイクルーズ」 ~「広域シブヤ」の「南東」ゾーンと「北側」ゾーンに、クリエイティブ企業が~ 博報堂の子会社は、クリエイティブの基地として まさに「渋谷ブリッジ」 が、ふさわしいと考え、「渋谷ブリッジ」へ、入居しました。 一方「渋谷キャスト」では、ファッション等の「ベイクルーズ・グループ」が 「渋谷キャスト」を、本社の移転先として、選びました。 ~ こうして、広域シブヤでは ~ 「北側」には、ファッション系のクリエイティブ企業の「ベイクルーズ・グループ」の 本社(3~10F)の他、様々なクリエイティブ企業が、入居しました。 「南東」には、「博報堂ケトル」を筆頭に、 様々な、広告・映像画像系のクリエイティブ企業が、入居しました。 ■クリエイティブの支援拠点 こうして、広域シブヤにおける ・北側のクリエイティブ拠点が「渋谷キャスト」 ・南東のクリエイティブ拠点が「渋谷ブリッジ」 となります。 ■「渋谷ブリッジ」と「渋谷キャスト」のテイスト 「渋谷キャスト」は、 やや、ナチュラルなテイストで、また「緑の多い広場」です。 緩やかな日差し・風・緑を、感じる空間が「くつろぎ」感の創出へ、大きく貢献してます。 「渋谷キャスト」は、 様々な個々の空間デザインが、個性を、発揮するのと同時に、 全体として、デザインが上手に、融合する空間です。 一方、「渋谷ブリッジ」は、「引き算思考」もありますが、 コンセプト・デザインは「とがった」方向に振った施設です。 エッジの効いた「渋谷ブリッジ」と、ナチュラル・緑をも取り込む「渋谷キャスト」 東急がプロデュースする、広域シブヤの、クリエイティブ系のミクストユース施設は、 異なるテイストで、それぞれの個性を、発揮しています。 ■詳細編 「渋谷キャスト」「渋谷キャスト」の2つの施設の「詳細編」は それぞれ、下記ページをご覧下さい。 ・「渋谷キャスト」は、こちら ・「渋谷ブリッジ」は、こちら |
■筆者プロフィール 松田優幸 ◆番組出演・執筆・講演等のご依頼は、お電話・メールにてご連絡ください。 ◆実績一覧(番組出演・執筆・寄稿・講演等)は、 こちらの実績一覧 を、ご覧下さい。 1987年 慶応大学 経済学部 入学 1991年~ 東急不動産、東急電鉄、リテールエステートで勤務 現在は、消費者経済総研のチーフ・コンサルタント 資格は、 ・ファイナンシャル・プランナー ・宅地建物取引士資格者 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで) ・簿記3級 |
■ご留意事項 ※当総研が提供する情報においては、情報の簡略化・省略等をしている箇所があります。 ※ご自身が記載内容と全部又は一部において一致又は類似していても、制度がご自身に同様に適用又は非適用とはならない場合があり、また、同じ計算や同じ計算結果とならない場合があります。 このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、行政庁等へ確認や相談をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、対応してください。 また「免責事項 」をお読みください。 |
■筆者プロフィール 松田優幸 1987年に、慶応大学 経済学部 入学 1991年に、東急不動産へ入社し、途中に親会社の東急電鉄へ逆出向もし、 都市開発・街づくり・不動産営業を、おこなった。 大規模タワーマンションの開発や、賃貸住宅の開発・営業も手掛けた。 ・ファイナンシャル・プランナー認定研修修了者(ファイナンシャルプランナー3級相当) ・宅地建物取引士資格者 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで) ・簿記3級 現在は、消費者経済総研 チーフ・コンサルタント |
■ご留意事項 本件のテーマに関連する制度や税制は、大変複雑です。 正確さを追求しますと、複雑化し、わかりにくくなります。 ここでは、わかりやすさを優先し、様々な点において単純化・省略化等をしています。 住宅ローン控除制度を利用するには、このページ記載情報以外にも様々な条件があります。 このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、 行政庁や税理士等へ確認や相談をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、 対応してください。また「免責事項」をお読みください。 |
■【 3分でわかるシリーズ 開設の動機 】 チーフ・コンサルタントの松田優幸は、1987年に慶応大学の経済学部に入学して、 4年間、マクロ経済学を始めとした各経済学を研究していました。 研究を開始した時の感想は「経済学の論文や文献は、よくわからない」でした。 その後、理解が進んだ後には 「よくわかった。しかしなんで、わざわざ、わかりにくい表現をするのか?」 との感想を持ちました。 昨今、世の中に登場する解説でも「わかりにくい」表現は、 いまだ少なくない、と感じています。 そこで「3分でわかるシリーズ」を展開することで、 多くの方々に「わかりやすく」お伝えしていく考えです。 |
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