【簡単】インフレ,デフレ,ハイパーインフレを経済評論家の松田優幸が解説|消費者経済総研|2021年9月18日

インフレ,デフレ,ハイパーインフレ,CPIとは
、わかりやすい例え(具体例)で簡単に解説

インフレ・デフレの発生の仕組みを
ミカンの値段の例でわかりやすく解説

金融政策(金融の引き締め・緩和)や
財政政策(財政出動)の関係も説明

ハイパーインフレは
ドイツは戦争で、発生
ジンバブエ・ベネズエラは独裁等で発生


-消費と経済をわかりやすく解説する-
  -「消費者 経済 総研」-


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初稿:2021年9月18日
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物価目標2%|総裁選の候補者は?
2021総裁選・候補者の、物価目標2%の見解は?


◆高市 早苗 氏は、

アベノミクス(物価安定目標2%)を、継承する。
物価安定目標2%の達成までは、増税はしない。


◆岸田 文雄 氏は、

大規模な金融緩和により、
「2%の物価上昇率目標」を維持する。


◆河野 太郎 氏は、

物価上昇率は、経済成長の「結果」からくるものだ。
2%上昇の達成は、かなり厳しいのではないか。


◆物価目標 2%とは

物価目標が、1%でもなく、3%でもなく、
2%である理由とは? これを下段に後述している。


◆インフレ、デフレ、物価とは

インフレは、
インフレーションの略で「物価上昇」のこと。

デフレは、
デフレーションの略で「物価下落」のこと。

インフレターゲットとは、
インフレ率(物価上昇率)の目標値のことや
それを実現させる政策のこと。




ミカンの例で、簡単3分解説
インフレやデフレは、なぜ起こる?
発生のメカニズム (第1の矢|金融緩和 編)

「 カネの量 > モノの量 」だと、インフレになる。

マネーサプライ(通貨の供給量)が増加すると、
「カネ>モノ」になり、物価が上昇する。


先に、インフレ・デフレの仕組みを、説明する。
「ミカン」の例えで、簡単に3分で解説だ。

◆八百屋さんのミカンでの具体例

例えば、、、

八百屋さんが、「1個100円のミカン」を、
10個売っている、とする。

近所の10人が、100円で1個づつ、買うとする。


◆「カネの量↑> モノの量 」 のケースは?

世の中のお金が、増えたら、どうなる?

近所の人が裕福になったと、八百屋さんは知った。

そこで、ミカン1個を、120円に値上げした。
値上げしても、買い手が裕福になったので売れた。

→カネが増えると、物価上昇(インフレ)になる。


◆「カネの量< モノの量 」 のケースでは?

逆に、近所の人のお金が、減ったら、どうなる?

不景気で、お客さんのお財布が、寂しくなった。
いつも通りの100円では、売れ行きが、良くない。

時間がたつと、ミカンは腐ってしまう。
八百屋さんは、「早く売りたい」と考える。

そこで、1個80円に、値下げした。

→カネが減ると、物価下落(デフレ)になる。


◆「 カネの量 >モノの量」のケースでは?

モノが減ったら、どうなる?

不作で、入荷が減って、5個しか、在庫がない。

5個×100円=500円の売上では、
八百屋さんは、生活できない。

なので、八百屋さんは、値上げを試みる。

逆に、買い手側の立場では、どうか?

近所の人は、数が少ないから、すぐ売り切れちゃう
と懸念し、高値でも、買う人は、いる。

→モノが減ると、物価上昇(インフレ)になる。


◆「 カネの量 <モノの量↑」のケースでは?

逆に、モノが増えたら、どうなる?

豊作で、20個も入荷し、在庫がある。

たくさんのミカンがあり、時間がたつと腐る。
八百屋さんは、「早く売りたい」と考える。

そこで1個50円に値下げした。
そうしたら、いつも通りの1000円を、売り上げた。

 (50円×10人×2個=1000円)

→ モノが増えると、物価下落(デフレ)になる。


こうして「カネの量」「モノの量」の
バランスで、物価の上昇・下落が、決まる。




アベノミクス第1の矢でインフレ
アベノミクス3本の矢の「第1の矢」は、金融政策だ。
市中(民間部門)のお金の量を増やす「金融緩和策」だ

日銀が、インフレターゲットを、2%に

 ※インフレターゲット=物価上昇率の目標

それで、日銀は国債を、民間から積極購入した。

民間保有の国債を、日銀が買うと、どうなるか?
その国債の売買代金が、民間銀行へ渡る。

これで、民間部門(市中)のお金の量が、増加する。
これが「日銀の量的・金融緩和政策」だ。

お金が増えれば、インフレへ傾く。
デフレ退治のための「量的・金融緩和政策」だ。




なぜインフレ(脱デフレ)か?
なぜ、インフレ(脱デフレ)を、目指すのか?

インフレで、値上がりするよりも
デフレで値下がりする方が、国民はうれしい。

しかし、「デフレで、年収が減少」しては困る。
デフレ・スパイラルと、デフレ脱却を解説する。


日本は、デフレ脱却が、未完の状態にあった
 ↓
下落で、マイナスが、さらなるマイナスを、呼ぶ
 ↓
会社の売上額も、減っていく
 ↓
会社の売上が減れば、社員の給料も下がる
 ↓
給料が下がれば、消費支出も減る
 ↓
消費が減れば、店舗の売上も、減っていく
 ↓
マイナスが、さらなるマイナスを、呼ぶ
 ↓
これを「デフレ・スパイラル」という

  ※スパイラルとは、「らせんの状態」のこと

そこで「物価上昇目標」を設定し、達成すると?
 ↓
モノの値段が、上がる
 ↓
会社の売上額が、上がる
 ↓
社員の給料も、上がる
 ↓
中でも国民に、直接に影響するのは「給料UP」だ。
 ↓
適度なインフレで、プラスがプラスを呼ぶ



◆なぜ2%なのか?

"適度"なインフレ水準は、2%とされている

英国、カナダ、ニュージーランドなどは、
インフレ・ターゲットを、2%としている。

米国も、長期的な物価安定のゴールは2%だ。
つまり2%は、適度なインフレの世界標準値だ。

※日銀の黒田総裁は、物価目標を2%とするのは
  ①「世界標準論」以外に、
  ②「CPI上方バイアス論」と
  ③「金利引き下げのりしろ論」を展開している。

  ②の解説は複雑になり、
  ③は感覚論的で説得力に欠くので
  ①「世界標準論」で理解するので、良いかと思う。

◆2%より低いと、どうなる?

物価(モノの価値)と、通貨価値(カネの価値)
この2つは、天秤のシーソーの関係にある。

片方が上がれば、反対側は下がる。

物価が上がれば、通貨価値は下がる。
通貨価値が上がれば、物価は下がる。


次の仮定では、どうなるか?
「米国は2%物価上昇で、日本は1%物価上昇」

これで物価水準は、米国が、日本より、1%分高い。
ということは、「通貨水準」の方は、はどうか?

日本の通貨(円)は、米国通貨(ドル)より1%分高い。
これは「円高」ということだ。

円高だと、日本企業の輸出に、ダメージを与える。
よって、海外の水準に追従する必要があるのだ。




消費者物価指数(CPI)とは
インフレ指数の「消費者物価指数(CPI)」とは?

「消費者物価指数」とは、
「家計が購入するモノ等の価格等」の変動指数だ。


◆CPIの種類 とは?

CPIには「総合」「コア」「コアコア」の3種類ある。

政府は、インフレターゲットに採用する指標は
「コアコアCPI」としている。

一方、日銀は「コアCPI」を、物価目標の指標とする。


※「コアCPI」とは、
生鮮食料品を除く物価指数。

生鮮食品は、天候不順等で価格変動が激しい時が
あるため、この指数を使用することがある。

※「コアコアCPI」とは、
食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く物価指数。

上記のコアCPIと同様の趣旨で、
ガソリンなどのエネルギー価格を除いている。




日本のインフレ率は?
◆物価目標2%に届かない?

下のグラフは、2001~2020年のCPIの推移。

物価目標2%に、達したのは、2014年だけだ。
しかも2014年は、消費増税の強制値上げによる。



◆平均は0.1%しかない?

2001~2020年のCPIは、マイナスの年が多い。
20年間の平均は、たったの0.1%だ。

消費税増税の要素を除くと、マイナスである。



◆アベノミクス期間は0.7%?

デフレ脱却を目指したアベノミクスでも
平均は0.7%だ。

※出典:総務省統計局|消費者物価指数




脱デフレの「2つ目」の方法とは?
◆アベノミクスの3本の矢のうち、2本の矢

「第1の矢の 金融緩和策」のおさらいと、
「第2の矢の 財政政策」を見ていく。


◆「金融緩和」(第1の矢)をする
 
世の中のお金の量を、増やす(量的な金融緩和)
 ↓
お金が増えると、物の値段が上がる

この話は 既述の通りである。

続いて2つ目の方法が「財政政策」(第2の矢)だ。


◆「財政出動」(第2の矢)をする

民間需要(会社の需要・消費者の需要)が弱い
 ↓
よって、会社の売上が、上がらない
 ↓
そして、社員の給料も、上がらない
 ↓
こうして「需要<供給」で、値段が上がらない
 ↓
民間需要が弱いなら、政府が需要を生み出す
 ↓
政府が、自らのお金を使って、需要を創出する

財政政策の具体例は?

具体例の一つは「国土強靭化の工事」

国の予算で、インフラを強靭化する工事発注する
 ↓
防災が向上する他、お金が「政府→民間へ移動」
 ↓
受託企業の売上や、その社員の給料が増える
 ↓
その企業は、取引先への発注額が、増える
 ↓
その取引先企業の売上や、社員の給料が増える
 ↓
その社員は、増えた給料で、個人消費を増やす
 ↓
広く世の中へ、経済効果が循環し広がる


◆物価を上げる2つの方法

まとめると、物価を上げる方法は、

・1つ目が、お金を増やして「カネの量>モノの量」
・2つ目が、需要を増やして「需要>供給」である。




インフレのメリット・デメリットは
インフレ・デフレのメリット・デメリットは?

◆為替の関係 では?

既述の通り、インフレなら、円安のメリットがある


◆給料と、物価の関係 では?

*インフレがデメリットへ

物価上昇2%を達成しても、給料上昇1%だと?
→ 国民の暮らしは、悪くなる。

*インフレがメリットへ

物価上昇2%で、給料上昇3%だと?
→ 国民の暮らしは、良くなる。


◆メリット・デメリット どっちか?

インフレ傾向によって、給料もUPし、
「給与上昇率>物価上昇率」なら、メリットである。


*デメリットのケース とは?

インフレ傾向で、給料もUPした。
しかし物価が、それ以上に上昇したら、どうか?

「給与上昇率<物価上昇率」で、デメリットとなる。

では、実際は、どうか? 
グラフで一目瞭然|簡単解説の下記をご覧頂きたい

実感なき景気回復とは?|わかりやすく3分解説


*メリットのケース とは?

逆に「給与上昇率>物価上昇率」では、メリットだ。
アベノミクスでは、好転した。

年収と物価の2つのグラフを、1つにした
「年収 ÷ 物価 → 実質年収 」 のグラフにしてある。

下記を、ご覧頂きたい

アベノミクス成果,評価とは?




ハイパーインフレの事例とは?
ハイパーインフレとは、
異常なほどまで、インフレが進行することである。

経済学者のフィリップ・D・ケーガンの定義では、
「インフレ率が毎月50%超」としている。

年間換算では、「年間で130倍超の物価上昇」だ。


◆19世紀~20世紀は?

19世紀では、南北戦争の後のアメリカ
20世紀では、1次世界大戦の後のドイツ帝国

このように、大規模な戦争で、
ハイパーインフレが発生した。

大規模な戦争では、巨額の軍事費が必要になる。
巨額なマネーは、武器製造企業等の民間へ行く。

カネの量↑ > モノの量 」 である。

敗戦国は、戦中の攻撃で工場等はダメージを負う。
工場の生産量は低下し、モノ不足になる。

「 カネの量 > モノの量↓ 」 である。


◆21世紀では、どうか?

*途上国は?

ベネズエラやジンバブエで、
ハイパーインフレが発生した。

*ジンバブエでは、

独裁政権による極端な政策が原因だ。

白人を国外追放し、外資も撤退し
生産が落ち、物不足になった。

モノの量<カネの量である。
2020年 7月のインフレ率は、年率840%だ。

*ベネズエラは、

2019年1月のインフレ率は、年率268万8670%。

石油大国で、石油の輸出に頼っていた。
その分、国内産業は脆弱であった。

よって、物資は輸入に頼っていた。
それが経済制裁で、外貨も減り、輸入も困難に。

モノの量<カネの量である。

※出典:ジンバブエのインフレ率、840%近くに|
 2020年8月16日|AFPBB News
※出典:「ベネズエラ、1月のインフレ率が268万%に
 2019年2月8日|日本経済新聞

*日本は?

オイルショックで、
1974年の消費者物価指数は23%上昇し、
ハイパーインフレではないが、狂乱物価とされた。


*先進国は?

前項の2つの国は、途上国である。
21世紀の先進国では、ハイパーインフレはない。

2つの途上国も、かなり特殊な政治や環境である。
例外と捉えても、いいくらいだろう。

20世紀迄の先進国は、大規模な戦争による
巨額の戦費供給と、工場生産のダウンが原因だ。

21世紀の先進国には、大規模な戦争は、ない。




 
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引用
真っ暗なトンネルの中から出ようとするとき、
出口が見えないと大変不安です。

しかし「出口は1km先」などの情報があれば、
真っ暗なトンネルの中でも、希望の気持ちを持てます。

また、コロナ禍では、マイナスの情報が飛び交い、
過度に悲観してしまう人もいます。

不安で苦しんでいる人に、出口(アフターコロナ)という
プラス情報も発信することで、
人々の笑顔に貢献したく思います。

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【著作者 プロフィール】
■松田 優幸 経歴
 (消費者経済|チーフ・コンサルタント)

◆1986年 私立 武蔵高校 卒業

◆1991年 慶応大学 経済学部 卒業

*経済学部4年間で、下記を専攻
・マクロ経済学(GDP、失業率、物価、投資、貿易等)
・ミクロ経済学(家計、消費者、企業、生産者、市場)
・労働経済
  
*経済学科 高山研究室の2年間 にて、
・貿易経済学・環境経済学を研究

◆慶応大学を卒業後、東急不動産(株)、
 東急(株)、(株)リテール エステートで勤務

*1991年、東急不動産に新卒入社し、
途中、親会社の東急(株)に、逆出向※

​※親会社とは、広義・慣用句での親会社 

*2005年、消費・商業・経済のコンサルティング
 会社のリテールエステートに移籍

*東急グループでは、
消費経済の最前線である店舗・商業施設等を担当。

各種施設の企画開発・運営、店舗指導、接客等で、
消費の現場の最前線に立つ

*リテールエステートでは、
全国の消費経済の現場を調査・分析。
その数は、受託調査+自主調査で多岐にわたる。

商業コンサルとして、店舗企業・約5000社を、
リサーチ・分析したデータベースも構築

◆25年間の間「個人投資家」としても、活動中

株式の投資家として、
マクロ経済(金利、GDP、物価、貿易、為替)の分析や
ミクロ経済(企業動向、決算、市場)の分析にも、
注力している。

◆近年は、
消費・経済・商業・店舗・ヒットトレンド等で、
番組出演、執筆・寄稿、セミナー・講演で活動

◆現 在は、
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼、(株)リテール エステート リテール事業部長

◆資格は、
 ファイナンシャル・プランナーほか


■当総研について

◆研究所概要
*名 称 : 消費者経済総研
*所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者 : 松田優子
*U R L : https://retail-e.com/souken.html
*事業内容: 消費・商業・経済の、
 調査・分析・予測のシンクタンク

◆会社概要
「消費者経済総研」は、
株式会社リテールエステート内の研究部署です。

従来の「(株)リテールエステート リテール事業部
消費者経済研究室」を分離・改称し設立

*会社名:株式会社リテールエステート
*所在地:東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者:松田優子
*設立 :2000 年(平成12年)
*事業内容:商業・消費・経済のコンサルティング

■松田優幸が登壇のセミナーの様子

ご案内・ご注意事項 
*消費者経済総研のサイト内の
 情報の無断転載は禁止です。

*NET上へ「引用掲載」する場合は、
 出典明記
 当総研サイトの「該当ページに、リンク」を貼る。

 上記の①②の2つを同時に満たす場合は、
 事前許可も事後連絡も不要で、引用できます。
 
 ①②を同時に満たせば、引用する
 文字数・情報量の制限は、特にありません。

 (もっと言いますと、
 ①②を同時に満したうえで、拡散は歓迎です)

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電 話: 03-3462-7997 
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チーフ・コンサルタント 松田優幸   
松田優幸の経歴のページは「概要・経歴」をご覧下さい。