「当初予測」を振り返り|予測が当たったかを検証|ファクターX|消費者経済総研

シリーズ|予測の的中度の検証

消費者経済総研の予測は、
当たったのか? 外れたのか?

日本のコロナ死者が、少ない理由は?
「ファクターx」は何か?

「亜種コロナに感染済みで、交差免疫を獲得」
との「消費者 経済 総研 」の
2020年6月発表の 予測が、的中。



新型肺炎から、人々の健康生命を守るため、
コロナ・ウイルス対策は、重要なテーマです。

同時に、経済を守るため、
ウイルス対策は、同じく重要です。

「ウイルスの制御や制圧」がなされれば、
激しく落ち込んだ景気は「V字回復」でしょう。

つまり「ウイルス対策」は、
「最高の経済対策」でもあります。

消費と経済の「 消費者 経済 総研 」では、
「経済対策」は、主たるテーマの一つであります。

コロナ問題を、公衆衛生の問題としてのみ
ではなく、経済問題として連載しています。

そのため、「 消費者 経済 総研 」は、
コロナ関連テーマを、お届け致しています。


番組出演・執筆・講演等のご依頼は、
 お電話・メールにてご連絡下さい

初稿:2020年11月12日 : 本ページは、
 修正・加筆等で、上書き更新されていく場合があります。

ご注意
このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、
自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、
対応して下さい。また「 免責事項 」をお読みください
「ファクターx」は何か?
日本のコロナ死者が、少ない理由は?
今回号のポイント
*「ファクターX」は、何か?

*日本の新型コロナ死者数が少なく、
 死亡率が低い理由 とは?

*アジアが、欧米より、死亡率が低い理由 とは ?

→ その答えとして
「亜種コロナに感染済みで、交差免疫を獲得」と
「 消費者 経済 総研 」は予測した

その「 消費者 経済 総研 」の予測は、当たったか?

結論は、「当たった」と考えられます。
その理由を述べていきます。


ファクターxの候補 とは ?
日本人の死亡率が低い理由(ファクターx)に、
下記がよく挙げられます。

「BCGが効いている」 「衛生意識が高く清潔」
「まじめに自粛した 」 「日本モデルが 成功」

  いずれも違う と予測しました。


「死亡率が低いアジア人は、亜種のコロナに
感染済みで、免疫(交差免疫)を獲得した」

  → これが最も有力 と予測しました。

上記の通り、消費者経済総研は、5カ月前に、
予測し発表しました。(2020年6月14日、7月12日更新)


「交差免疫」とは?
「交差免疫」とは、
過去に「ある病原体」に感染したことで、
その病原体に似ている、別の病原体に対しても働く
「免疫」のことです。

コロナの場合では
「別のコロナ・ウイルス(亜種コロナウイルス)」
に過去に感染したことで、
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対しても
働く「免疫」のことです。


根拠は?
消費者経済総研の6月の予測発表の後、
5カ月たちましたが、やはり

「亜種コロナに感染済みだと、新型コロナにも
免疫が効く。この交差免疫がファクターx」

これが、答えに最も近いことが、
明らかになりつつあります。

では、その根拠について、みていきます。

その前に、死亡率が低いのは、
日本特有の事ではなく、広くアジアでの傾向です。

2020/9/30のボストン大学マニッシュサーガル氏
らの研究論文※1では、下記としています。

「以前に、亜種コロナウイルスが検出された患者は、
新型コロナ感染症の重症率は、低い。」

「亜種コロナウイルスに対する既存の免疫が、
新型コロナの症状を、軽減すると示唆している。」

この研究論文により、消費者経済総研の説が、
医学的根拠によって支持されたことになります。

また、この論文以外にも、支持する根拠があり、
それはこのページの下段に記載しています。


亜種コロナウイルス とは ?
人間に感染するコロナウイルスは、
下記の7種類です。

◆風邪症候群のヒト・コロナ・ウイルス(4種類)

 ・HCoV-OC43 ・HCoVHKU1
 ・HCoV-NL63 ・HCoV-229E

◆呼吸器症候群(重症肺炎)のコロナウイルス(3種)

 ・SARS-CoV(サーズ) ・MERS-CoV(マーズ)
 ・SARS-CoV-2(新型コロナ)


BCG説は?
5か月前の予測の時点では「ファクターx」
の1つに、「BCG説」がよく言われてました。

筆者(松田)は、全文英語のBCGデータベースの
各国情報を、全部見てみました。
(対象は、BCG strain の項目)

BCG接種とコロナ死亡率には、
相関性は、見い出せませんでした。

BCGワクチンは、様々な種類がありますが
「東京株BCG」でも、見い出せませんでした。

その他ファクターxの候補を、検証しましたが、
アジア以外の要素では、相関はありませんでした。


アジア人 なのか?アジア地域 なのか?
アジアは、「アジア」なのか?「アジア地域
なのか、というのがポイントになります。

米国でも英国でも、
「アジア人」の死亡率は、低くはありません。

一方「アジア地域」の死亡率が低いのが、
見い出せました。

つまり「アジア人という人種」ではなく
「アジア地域という場所」に相関性を発見しました。

「SARS」等の亜種コロナが、
アジア地域で流行しましたが、
「アジア地域は、亜種コロナに感染したのが原因」
と予測して、発表しました。


今回 可能性が高まった 根拠 とは ?
「ファクターXの様々な候補」の検証では、
いずれも相関性が低いので、候補から消えました。

「アジア地域の人は、亜種コロナに感染」だけが、
相関性検証で残ったのです。

しかしそれは「 地理的な 相関関係 」
でのアプローチです。

「因果関係」は、検証できていませんでした。

そこで、2020/9/30の ボストン大学
マニッシュサーガル氏らの 研究論文に、注目です。

「亜種コロナに感染した人は、
新型コロナでは、重症化しにくい」との
医学的知見による発表がありました。

[1] アジア地域は、亜種コロナが流行
   ↓
[2] アジア地域は、亜種コロナに感染済み
   ↓
[3] 亜種の感染者は、新型コロナは重症化しない
    (今回、医学知見が、加わった)
   ↓
[4] アジア地域では、死亡率が低い


上の[3] において、2020年6月の消費者経済総研
の予測では、医学的根拠は薄かったのですが、
今回の論文で、医学的知見の裏付けが、出たのです。


約20万本 コロナ論文の
  全論文・全文解析 とは ?
新型コロナに関する研究論文は、
世界全体で、約20万本もあります。

NHKは、AI(人工知能)に、約20万本の全部の
研究論文の全ての文字情報を、解析させました。

その解析においても、やはり「ファクターxは、
交差免疫」が有力だとうかがい知れます。※2

※出典1:September 30, 2020 Manish Sagar,etc.
Recent endemic coronavirus infection is associated with less severe COVID-19

*原文
Importantly, the patients with a previously detected eCoV had less severe coronavirus disease-2019 (COVID-19) illness.

Our observations suggest that pre-existing immune responses against endemic human coronaviruses can mitigate disease manifestations from SARS-CoV-2 infection

*和訳
重要なことに、
以前に亜種コロナウイルスが検出された患者は、
新型コロナ(COVID-19)の重症度は低くかった。

私たちの観察は、亜種ヒトコロナウイルスに対する
既存の免疫応答が、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)
感染による疾患症状を軽減できることを示唆する。

※2出典:2020年11月8日放送 NHKスペシャル

 「新型コロナ 全論文解読
  ~AIで迫る いま知りたいこと~」

詳細ページは?
「 消費者 経済 総研 」が、以前の予測発表した
詳細ページに、様々な根拠データを掲載中です。

下記を、ご覧下さい。

日本のコロナ致死率が低い理由|ファクターx|亜種に感染し免疫獲得済|2020/6/14・7/12


シリーズ|予測は当たったか?
「 消費者 経済 総研 」は、平成時代の終盤に
「令和時代の長期トレンド予測」を発表しました。

また、令和元年(2019年)の年末~翌年年始には、
下記を予測し発表しました。

・令和2年(2020年)のトレンド・キーワードの予測
・令和2年(2020年)の年末の株価と経済の予測

上記は、「長期トレンド予測」と、
「毎年の年間予測」等です。

その他、年の途中でも、経済に多大な影響を与えた
コロナ関連の予測も、発表してきました。

予測は、あくまで予測であり、
当たることも、外れることもあります。

そこで、「 消費者 経済 総研 」の予測が、
どの程度、的中したかを、振り返ってみました。

もちろん、外れた点もありますが
「結構、当たりました」と言えるかと考えています。

皆様にご覧いただき「当たった」「そうでもない」
など感想を持って頂けたらと思います。

そこで、2020年も終盤に向かう中で、
「年間予測」や「スポットの予測」を、
それぞれを、振り返って、検証していきます。

今後、本件を、順次リリースしていきます。

本件の個別の取材・出演を、ご要望の際は、
個別対応を、致しますのでお尋ね下さい。

(発表日よりも前の時点での、対応も可能です)


【筆者プロフィール】
松田優幸が登壇のセミナーの様子
【松田 優幸 (消費者経済総研 チーフ・コンサルタント) 経歴】

*1986年
私立 武蔵高校 卒業

*1987年
慶応大学 経済学部 入学

経済学部で、
・マクロ経済学(GDP・失業率・インフレーション・投資・貿易収支等)
・ミクロ経済学(家計・消費者、企業・生産者、取引市場等)・労働経済学を専攻
 経済学科「高山研究室」にて、貿易経済学・環境経済学を研究

*1991年
慶応大学 卒業  東急不動産(株) 入社

*1997年
親会社の東急電鉄(株)へ逆出向
消費の現場である商業施設と街づくりの計画担当

*2000年
東急不動産 復職
各種の商業施設の企画開発・運営、接客等で消費の現場の最前線に立つ。

*2005年
東急不動産から、消費・商業・経済のコンサルティングをおこなう
株式会社 リテール エステートへ移籍し14年間、

全国の消費の現場を視察・調査。その数は多岐にわたる。

*現 在
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼 リテール エステート リテール事業部長

*資 格
 ・ファイナンシャル・プランナー
 ・宅地建物取引士資格者
 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで)
 ・簿記3級


【消費者経済総研について】

■研究所概要
名称  : 消費者経済総研
所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
事業内容: 消費・商業・経済の、調査・分析・予測のシンクタンク
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チーフ・コンサルタント 松田優幸