【簡単に】MMT理論|批判・問題点のインフレは間違い?|消費者経済総研|2021年10月19日

簡単にMMT理論とはをわかりやすく解説

日本で批判されるMMTは
間違い?正しい?問題点は?

麻生氏は
国の借金?お金を刷って返せばいい。簡単だろ?

デメリットはハイパー等の悪性インフレ
メリットは脱デフレ、景気拡大、税の軽減


-消費と経済をわかりやすく解説する-
  -「消費者 経済 総研」-


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初稿:2021年10月19日
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引用
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東京新聞に掲載
「 日本は 借金大国 とは言えない 」

筆者(松田)が、取材を受け、
準全国紙・東京新聞に、掲載された。






総裁の候補と、MMTは?
◆高市氏

物価2%までは、財政黒字化は、凍結

 → 最もMMTに近い


◆野田氏

子育て施策への投資拡充など
財政黒字化は、ペンディング

 → MMT的


◆岸田氏

数十兆円の経済対策、消費増税は、10年凍結
一方で、財政再建の旗は、降ろさない

 →短期は財政拡大派長期は財政健全派


◆河野氏

国債増発・財政黒字化の延期 を容認
一方で、年金財源として、消費増税

  → 短期は財政赤字容認、長期は緊縮派




シリーズ|日本借金大国は、嘘?
「日本は 借金大国ではない 理由」を
過去2回、連載してきた。

その前編2つは、下記をご覧頂きたい。

*Vol.1【バランスシート編】日本借金大国は嘘

 負債だけではなく資産も含めた純負債で優等生


*Vol.2【日銀・政府編】なぜ日本借金大国は嘘

 国の借金は、親子関係にある日銀が、担う


今回は、その続編Vol.3として
MMT理論MMTな理論」で解説する。




「借金は悪」と、言われる理由とは?
「次世代への、借金の先送りは、ダメ」

「日本は借金大国なので、増税が必要だ」

「日本の財政支出を、減らす必要がある」

上記のフレーズが、しばしば聞かれる。
しかしいずれも、問題視する必要はない。

なぜ「先送りはダメ」等のフレーズを言うのか?
その理由は、下記3つの、いずれかだ。

[1] そう言った方が、自分が、得をする

[2] そう言わざるを得ない立場にある

[3] 単純に情報不足

[3]は、知識の習得で解消する。
[1]と[2]は、ポジショントーク だ。

消費者経済総研は、財務を預る役所でもなく、
特定政党の支援を、する立場でもない。

つまり、当方のポジションは、ニュートラルだ。
「わかりやすく解説する」との立場に、いるだけだ。

 ※なお「ポジショントークは直ちにNG」
  というわけではない。

先送りダメと言う人は、「だいぶ減った」と感じる。
知識の習得(情報の共有・伸展)が、進んだのだろう。

筆者(松田)は、34年以上前に、慶応大学 経済学部
に入学以来、経済を研究している。

しかし本稿は、経済学の知識なしでも
わかるような簡単解説としている。

MMTの解説では、筆者の解説が、
「日本で2番目にわかりやすい」と思っている。




最近注目の「MMT」理論とは?
◆MMTとは?

最近注目されている「MMT」という理論がある。

MMTとは、「Modern Monetary Theory」の略で、
「現代貨幣理論」と訳される。


-- 消費者 経済 総研 --

日銀の黒田総裁は?

日銀の黒田総裁は、MMTを、次のように述べた。

「自国通貨建て政府債務はデフォルトしないため
財政政策は、財政赤字や債務残高等を考慮せずに
景気安定化に専念すべき 」 という理論


-- 消費者 経済 総研 --

◆デフォルトとは?

デフォルトとは「債務不履行」のこと。

債務(義務)を、履行(実行)できない、
つまり「借金を返す義務が、実行できない」こと。

日本国は、デフォルトするのか?


-- 消費者 経済 総研 --

◆デフォルトに関する 財務省の見解は?

氷山(借金の塊)に衝突し、タイタニック(日本)が沈む

上記のような趣旨を、財務省 事務次官が発言した。
これを、上司の鈴木財務相は「個人的発言」 とした。

財務省の公式サイトの中には、下記の記載がある。

「日・米など先進国の 自国通貨建て国債の
 デフォルトは 考えられない。」

 ※出典:財務省 公式サイト


-- 消費者 経済 総研 --

◆MMTには、様々な定義がある?

MMTは、確立された理論ではなく、
様々な人が、様々な定義をしている。

その中では、概ね下記の内容である。

 「自国通貨の発行権 を持つ国家は、
  国の財政が、赤字でも、問題ない。
  財政破綻するリスクも ない。」


-- 消費者 経済 総研 --

◆「MMT」のポイントをまとめると?

消費者経済総研が、わかりやすく要点を整理する。

財源は、通貨を自ら発行して、まかなう
 ↓
その通貨で、政府は、積極的に財政支出をする
 ↓
それにより、需要が創出され、景気は良くなる


なお財源は「新たな通貨発行」で、税も国債も不要
 ↓
税と国債は、調整弁として使い、主な財源ではない
 ↓
お金の増やし方は「増税」や「借金」ではない
 ↓
国が、お金を「新たに発行」するのだ


-- 消費者 経済 総研 --

◆MMTを、借金のある国に、あてはめると?

国が、積極的に財政支出をし、景気対策等に使う
 ↓
国の借金が、あっても、さらに増えても、問題ない
 ↓
お金を、新たに作って、借金を返せばいいからだ
 
ということだ。




MMTを、実行する国 とは?
MMTを、実施している国は、どこか?
あるいは、それに近いことを、行う国はどこか?

前項の内容を読んで、
気づいた方も、いらっしゃるかもしれない。

実は日本は、MMTな事を、既にやっているのだ。


-- 消費者 経済 総研 --

◆「MMT」と、「MMT理論」の違いは?

両者の違う点は、

・MMT は、「通貨の新規発行」が、財源
・MMT の方は、「税+借金」が、財源


共通点は、

「 財政赤字の肯定 」だ。


-- 消費者 経済 総研 --

◆「MMTな理論」は?

赤字で、政府の借金が、増えてもよい。
 ↓
通貨を新たに作って、借金を返せば良いからだ。
 ↓
又は借金は問題ではないので、放置や拡大でよい
 ↓
とにかく、財政赤字でも、積極的に財政支出をする
 ↓
それにより、需要が創出され、景気は良くなる。


-- 消費者 経済 総研 --

◆海外は?

もちろん、財政赤字は、日本だけではない。
アメリカ、イギリス始め、外国は赤字の国も多い。

2020年のG7(先進7国)では、7か国は、全て赤字だ。
コロナ前の2019年でも、大半が赤字国だ。

財政赤字は、何も特別なことではない。


-- 消費者 経済 総研 --

◆日本政府のMMTに対する見解は?

日本は、MMT理論の実行国のように見える。

下記は、財務大臣の麻生氏が、発言したとされる。
「国の借金? お金を刷って返せばいい。簡単だろ?」

麻生大臣は、「お札刷って返済」の発言とは別に
「日本を、MMTの実験場にする気はない」
とも発言している。(両方とも、個人的発言だろう)

政府は公式には、MMTを肯定していない。

政府の公式見解は、
「財政黒字化への旗を、降ろさない」である。

日本政府は、財政の黒字化の道を、捨てていない。


-- 消費者 経済 総研 --

◆日本政府の公式見解(財政の黒字・赤字)

2017年年12月8日の閣議決定の内容は?

2020年度での黒字化目標の達成は困難。

ただし、財政健全化の旗は、決して降ろさず、
黒字化を、目指すという目標自体は、堅持する。

2021年6月18 日の閣議決定の内容は?

骨太方針2018 で掲げた
「2025 年度の黒字化」を、目指す。


-- 消費者 経済 総研 --

◆日本は、肯定しないが、実行中?

MMTは、財政赤字を、積極的に肯定している。
日本政府は、赤字を積極肯定は、していない。

財政赤字を、肯定しないが、実行中の状態なのだ。


-- 消費者 経済 総研 --

◆日本は借金大国ではない?

会社が赤字で、借金増加したら、
倒産のリスクがある。

しかし、日本の借金は問題ではない。
現状は、日本は、借金大国ではなく、優等生だ

理由は、借金も多いが、財産も多いからだ。
つまり純負債・純資産で、G7でも上位の優等生だ

これは、過去号で、わかりやすく解説してある。
下記の2つの号を、ご覧頂きたい。

*Vol.1純負債編|なぜ 日本借金大国は 嘘?

 負債だけではなく資産も含めた純負債で優等生


*Vol.2日銀・政府編|なぜ日本は借金大国は嘘

 国の借金は親子関係にある日銀が担う
-- 消費者 経済 総研 --

◆日本での「MMT的な理論」とは?

MMT提唱者ではステファニー・ケルトン氏が有名。
ケルトン氏は、アメリカの経済学者で教授である。

ケルトン氏は2019年来日し、MMTの講演をした。
その頃から、日本でMMTが、話題になってきた。

なお2019年よりも前から日本で、長年にわたり、
「MMTな理論」が、議論されてきた。

 「お金で困るなら、自ら紙幣を、刷れば良い」

 「不景気でなら、お金を国民に、配ればよい」

 「ヘリコプターから、お金を、ばら撒けば良い」

このようにMMTではなくても、
MMTな議論は、以前からあったのだ。




MMT理論は、間違い?
MMTについては、問題点が、指摘されている。
「MMTは間違いだ」との批判もある。

MMT理論の反対派からは
「嘘だ、おかしい」とも言われる。

机上の空論か? 危険な理論なのか

逆に、MMTを評価するリフレ派の賛成派もいる。

はたしてMMTは正しいのか?正しくないのか?

こうして、賛否あるなか、MMTの概要と
デメリット(欠点)と、メリット(利点)を、見ていく。
-- 消費者 経済 総研 --

◆デメリットは「インフレ」?

結論を言うと、MMTのデメリットは
「インフレ」である。

しかし日本は、「デフレ脱却が未完」なので、
インフレを、心配する状況ではない。

それどころか、インフレ圧力は
デフレの日本には、逆に好都合である。

インフレ発生のメカニズムや
デフレのデメリット等は、後述する。

*「金利上昇→支払利子が増加」で大変になる?

借金が多いと「返済できるか」との疑念が生じる。
貸す方は、リスクを感じると低金利では貸さない。

「借金増加→返済疑念→金利上昇→支払利子増加」
上記のようになるので、問題だ、と言うがいる。

国が支払う費用(利子)が、数十兆円も増加と言う。
しかし、これは間違いだ。

デフォルト・リスクを計算する格付け会社がある。
格付け会社は、日本国債の格付けを、下げてきた。

しかし、目立った金利上昇は、見られなかった。
金融市場は「日本国債はリスク無い」と見たのだ。

仮に金利が上昇しても、日銀が金利を下げてくる。


-- 消費者 経済 総研 --

◆メリットは?

・「財政赤字はNG」 との制約がなくなる
・「借金はNG」 との制約がなくなる

・そして、財政支出で、景気拡大に寄与できる
・お金の増加でインフレ化し「デフレ脱却」できる
・税は主な財源ではないので、重税感がなくなる

これらが、MMTのメリットである。


-- 消費者 経済 総研 --

◆国の「金融・財政の政策」でやるべきことは?

国の経済政策で、重要なのは「雇用と物価」だ。
具体的な指標は「失業率等と、物価上昇率」だ。

どの先進国でも、一緒である。

米国は、FRB(中央銀行)が雇用・物価の両方を担う。
日本は、物価を日銀が担い、雇用を政府が担う。

借金の残高は、国家運営の重要指標ではない。
借金残高よりも、物価(インフレ率)が、重要指標だ。

MMTやMMT的理論では、物価に注視すればよい。




お金を増やして、どうする?
MMTやMMT的な理論では、お金は下記の流れだ。

①お金の量を増やして
 ↓
②様々な財政支出をし、需要を創出・拡大して
 ↓
③景気を良くする

 ※財政支出では、公共事業などを行う。

公共事業と聞くと、ダムや博物館などの
無駄なコンクリートや、ハコモノが、連想される。

賢い支出(ワイズ・スペンディング)が、必須だ。
下記の内容が、その例だ。

・教育、福祉、脱炭素、デジタル化などの費用に使う
(工事なら)豪雨被害を救う「防災・強靭化の工事」

次に①の「お金の増やし方」について、見ていく。




お金の増やし方 とは?
お金を増やす方法は、下記となる。

A借金型

 政府が、新たな国債を、民間銀行等へ販売する
  ↓
 国債の販売代金を、政府が受け取る
  ↓
 政府のお金が増えた
  ↓
 その増えたお金で、財政支出をする

B硬貨の発行型

 政府が、自ら「高額な硬貨を作る」
  ↓
 政府のお金が増えた
  ↓
 その増えたお金で、財政支出をする


C紙幣の発行型

 政府が、自ら「紙幣を刷る」
  ↓
 政府のお金が増えた
  ↓
 その増えたお金で、財政支出をする


Aは借金で、BCは通貨の新規の発行だ。
Bは、今でも、やっているし、できる。

Cは、やったことはあるが、現在は、やってない。
Cの場合は、法改正が必要だ。


※参照

紙幣と硬貨では、発行者が違う?
通貨、硬貨、紙幣の違い とは?

これらの詳細は、下記の過去号をご覧頂きたい。

【なぜ?】千円札は日銀,1円玉は日本国




インフレ発生のメカニズム とは?
世の中のお金が増えると、インフレになる。

そもそも、インフレは、どうやって起きる?
そのメカニズム とは?

いまさら聞けない
「インフレ・デフレの発生の仕組み」を、

ミカンの値段の例」で、わかりやすく解説する
下記の過去号を、ご覧頂きたい。

【簡単】インフレ|ミカンの例で、簡単3分解説




日本はデフレでインフレは好都合?
MMTを実行すると、インフレになる可能性がある。

日本は、デフレに悩んでいる国である。
インフレは、逆に好都合だ。

-- 消費者 経済 総研 --

◆インフレ率の目標は、2%?

デフレ脱却と言えるインフレ率は、2%だ。
日本も、物価安定の目標を、2%としている。

なぜ、2%なのか? については
下記の過去号を、ご覧頂きたい。

【簡単】インフレ|なぜ2%なのか?


-- 消費者 経済 総研 --

◆日本のインフレ率は、どの程度か?

2001~2020年の20年平均では、0.1%しかない。
CPIが2%になるまでは、お金を増やしてOKだ。

インフレ率20年推移は、下記号を、ご覧頂きたい。

【簡単】インフレ,デフレ|日本のインフレ率は?




悪性インフレが、発生したら?
◆お金を〇兆円増やすと、物価は◇%上昇?

この点に関して、参議院が実施した試算値がある。
国民全員に、毎月10万円を、配った場合の試算だ。

つまり、毎年144兆円を、国が借金し増やして配る。

毎年のインフレ率の試算値は、どうか?
1年目1.2%、2年目1.4%、3・4年目1.8%だ。

現在の借金水準に、144兆円もプラスオンしても、
物価は、2%上昇に届かない。

※出典:
年間144兆円国債を発行してもインフレにならない
・日テレ​​ニュース​2021/10/16


-- 消費者 経済 総研 --

◆インフレ率が、2%超に、なったら?

2%になるまで、お金を増やしてOKと述べた。
また、2%を超えたら、直ちにNGでもない。

2%を超えた後、望まない物価水準に至ったら?
その場合は、マクロ政策で、冷やせばよいのだ。

「マクロ政策で冷やす」とは、
政府による、「増税」や「財政支出の縮小」などだ。

また、日銀による
「利上げ」や「量的・質的な金融引き締め」もある。

インフレが過熱しても、それらで制御するから、
心配しなくても、大丈夫なのだ。




MMT・MMT的理論に、躊躇は不要
◆借金増加又は通貨発行で、成長とデフレ脱却

借金増加や通貨発行で、経済対策の財源が増える。
その増えたお金で財政支出し、景気刺激策になる。

また、日本を長年悩ませた、デフレ脱却にもなる。
良いことづくめなのだ。


-- 消費者 経済 総研 --

◆悪性のインフレは、起きたのか?

20世紀までは、大規模な戦争が、しばしば起きた。
巨額のお金が動き、ハイパーインフレが発生した。

しかし21世紀は、大規模戦争は、起きていない。


-- 消費者 経済 総研 --

◆21世紀の先進国は、悪性インフレ起きない?

また近年では、コンピューターやネットで、
各種の指数やデータは、素早く把握できる。

21世紀では、インフレ率は、観測も制御も充分だ。

「100円のミカンが、いつのまにか、
1万円になっていた! 気付かなかった!」

 →こんなことは、無いのだ。


-- 消費者 経済 総研 --

◆財務省の公式見解は?

「新興国と異なり、日本は、
ハイパー・インフレの懸念は、ゼロに等しい。」

財務省の公式サイトに、上記の掲載がある(一部中略)


-- 消費者 経済 総研 --

◆ハイパーインフレの事例などは?

① ハイパーインフレは、先進国では大丈夫
② ハイパーインフレが、発生した国の事例

上記の2つは、下記の過去号を、ご覧頂きたい。

【簡単】ハイパーインフレ




「増税」が、NGな理由 とは?
既述の通り、お金の増やし方には、
「借金型」と「通貨発行型」があった。

その他に従来型の増やし方の「増税」もある。
「増税型」は、後順位である理由を、解説する。

「災害後の1兆円の復興工事」の例で、解説する。
工事の財源は、「増税」または「借金増加」だ。

「増税型」「借金型」を比較する。

先に結論を言うと、「借金型」が、
「増税型」よりも、多くのお金が、民間に生まれる。


-- 消費者 経済 総研 --

◆「増税型」なら?

増税型では、
政府が1兆円を、民間人から「税」で吸い取る。

前半は?

これで民間のお財布は、マイナス1兆円で、
政府のお財布は、プラス1兆円になる。

後半は?

その1兆円で、政府が、復興工事を発注する。

その流れは下記だ。

1兆円が、納税で、民間部門→政府に渡る。
1兆円を、工事発注で、政府→民間企業へ払う。

民間部門は、納税でマイナス1兆円になったが、
工事受注でプラス1兆円で、合計±ゼロだ。

政府は、税金でプラス1兆円になったが、
工事支払でマイナス1兆円で、合計±ゼロだ。

最終的に、民間部門は±ゼロで、政府も±ゼロだ。

1兆円が民間→(納税)→政府→(工事発注)→民間
このように、戻ってくるからだ。

こうして「増税型」は、全体のお金の量は、不変だ。


-- 消費者 経済 総研 --

◆「借金型」なら?

一方で、「借金型」では、どうか?

国が借金する際は、国債発行の方法が大部分だ※
※大部分とは「国債の割合は?」を参照頂きたい

「借金型」なら、最終的に民間には、1兆円が増える

前半(国債の売買)

民間銀行が、政府から、1兆円の国債を買う。
これで、政府は民間銀行から、1兆円を受け取る。

1兆円は、民間銀行→(国債)→政府へ移動した。
(民間が政府に、1兆円を貸した)

民間のお財布は、マイナス1兆円で、
政府のお財布は、プラス1兆円になる。

しかし民間は、
別途、1兆円の国債という金融商品を保有中だ。


後半(工事発注)

その1兆円を、政府が工事発注で、民間業者へ払う。
これで、民間業者は政府から、1兆円を受け取る。

1兆円は政府→(工事発注)→民間業者へ移動した。

民間は、国債購入でマイナス1兆円になったが、
工事受注でプラス1兆円で、合計±ゼロだ。

政府は、国債の販売で、+1兆円になったが、
工事支払で-1兆円で、合計±ゼロだ。


*前半(国債売買)+後半(工事発注)

前半は、
国債の売買で、1兆円が、民間銀行→政府へ移動

後半は、
工事発注で、1兆円が、政府→民間業者へ移動

1兆円は、民間部門→政府→民間部門と戻った。

こうして、民間部門は±ゼロで、政府も±ゼロだ。
ここまでは、上の「増税型」と一緒だ。


*「国債」は?

「国債」は、どうなったか?
国債は、民間銀行が持っている

そこで、民間銀行の1兆円の国債を、日銀に売る。
民間銀行には、国債の売却代金の1兆円が、入る。

さっきまで、民間部門は、合計±ゼロだったのが、
この国債の売却で民間部門は、+1兆円となる。


*最終的には?

民間は、1兆円の現金を、増やした。
日銀は、1兆円の国債を、保有中だ。

政府は、現金はプラスマイナス・ゼロだが、
日銀に対しての1兆円の借金が、継続中だ。


「借金型」では、
最終的には、国債の売却代金が
民間部門に1兆円が残った。

「増税型」では、
民間部門は、±ゼロだった。

よって 「増税型」 より 「借金型」 の方が、
民間部門に出回るおカネが、1兆円多くなる

これで「 カネの量 > モノの量 」へ傾く。
すると物価は上昇し、経済はインフレへ傾く。




通貨の新規発行は?(オプション編)
政府の財源は、前項の「増税型」か「借金型」である。

3番目にオプション編である。
新たに、お金を増やす方法として、下記がある。

MMTが財源とする【通貨の新規発行】だ。
その方法は、下記ABの2つある。

[A] 日本国(政府)が、自ら「高額の硬貨を作る」
[B] 日本国(政府)が、自ら「紙幣を刷る」

通貨を新たに生み出して、その通貨で、

・借金を返済する
(借金とは関係なく)財政支出に使う

という考え方だ。

「通貨の新規発行」でも、文字通り、お金が増える。
よって副作用は、インフレだ。


政府には「貨幣の発行権」がある。(通貨法※4条1項)
政府が自らお金を作り、そのお金で返済の方法だ。

 ※「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
  (略称:通貨法)


なお、現行法での発行主体は、どうなっているか?
硬貨は、日本国(政府)で、紙幣は、日銀だ。

 ※硬貨と紙幣の内容と発行主体の違いの詳細は
 「なぜ?|千円札は日銀,1円玉は日本国」を参照

[B]「政府が、お札を刷る」のは、現在はできない。
しかし法制化した上で、やろうと思えば、できる。


-- 消費者 経済 総研 --

◆「B:政府が札を刷る」を、実行した事例は?

世界の歴史では、どうか?
「政府がお札を刷る」は、しばしば実施されている。

シンガポールは、今でもやっているのだ。

実際に日本も、近代に実施したことがある。
次項で解説する。


-- 消費者 経済 総研 --

◆日本政府が、自ら通貨を、発行した例とは?

A 日本国(政府)が、自ら「高額の硬貨を作る」
B 日本国(政府)が、自ら「紙幣を刷る」

Aの硬貨は、どうか?

記念硬貨の発行で、しばしば実施された。
天皇在位記念や、五輪記念などでの記念事業だ。

政府は、様々、高額の記念硬貨を、発行してきた。
額面最高額は、10万円の記念硬貨だ。

*Bの紙幣は、どうか?

明治初期には、実施されたことがある。
しかしインフレが過熱し、以降は、なくなった※

 ※戦争による金属不足などの特殊環境下では、
  少額の政府紙幣は、大正・昭和でも存在




政府はアクセル、日銀はブレーキ?
◆政府は、アクセルを踏む?

政治の世界では、景気が悪化すると、どうなる?
政権の支持率が、下がる傾向にある。

よって政府は、経済政策では、アクセル側にいる。

具体的には、GDP・株価・求人倍率・賃金を
上昇させるために、財政出動や金融緩和をする。

しかし、アクセルを踏みすぎると、どうなる?
つまり、景気が過熱しすぎると、どうなる?

副作用としてインフレが加速するのだ。

世界の歴史で、インフレ過熱は度々発生してきた。
また激しいインフレの事例としては、戦争がある。

世界の歴史でも、戦争の戦費調達などの資金
として「政府紙幣」が、発行されている。

戦争由来のインフレは、程度が大きい。
よって「ハイパーインフレ」に、なることがある。

日本では、明治維新の後は、中央銀行がなかった。
政府が、紙幣を直接発行していたのだ。

明治10年に「西南戦争」が勃発した。
戦費調達のために、政府紙幣を、大量発行した。

それにより、強いインフレが、発生した。

そこで松方は、明治14年に、中央銀行を設立した。
翌年、日銀が業務を開始した。

政府の紙幣発行で、インフレになった歴史を学び、
世界各国は、政府とは独立する中央銀行を設けた。


-- 消費者 経済 総研 --

◆中央銀行は、ブレーキ役

政府はアクセルを踏み、中央銀行はブレーキ役だ。

中央銀行の第1の目的は「物価の安定」だ。
物価過熱や悪性インフレを、起こさないことだ。

適度のインフレの率は、2%とされる。
日米とも、2%としている。

なぜ適度なインフレ率は2%か?については
下記過去号をご覧頂きたい。

【簡単】インフレ|なぜ2%なのか?




MMT・MMT的を、やらない理由は?
米国の中央銀行(FRB)のパウエル議長や、
日銀の黒田総裁は、MMTに対し、否定的な立場だ。

政府が、経済政策でアクセルを踏んでも、
中央銀行は、ブレーキ役で、反インフレ姿勢だ。

インフレ・リスクがある政策の肯定は、
中央銀行は、できない立場にいるのだ。

またMMTでは、中央銀行の役割は、小さくなる。
自らの存在を、小さくする議論は、やりにくい。


-- 消費者 経済 総研 --

◆経済学、自然科学、そして実験、歴史

経済学は、自然科学とは違う。

自然科学では実験ができる。
経済学では、実験するのは、ハードルが高い。

経済学は、経験則(歴史)の事例から、
検証するのが第一のアプローチだ。

しかし小規模の地域に限定して、経済政策の
実験を行うという選択肢は、ありえるだろう。

例えば「ベーシックインカム」は、
メリット・デメリットがあり、長年、議論がされた。

机上の議論を続けても、結論が出ない。
そこでドイツ、フィンランドは実験に踏み切った。


さて、MMT(MMT的を含む)については、どうか?
実際に実施しても、コントロールは可能だろう。

しかし、守旧派の中央銀行は、
 「万一、大事になったらどうする!」
と考え、踏み込めないのだ。

中央銀行は、ブレーキ役なので、そうなるのだ。




シリーズ|日本借金大国は、嘘?
今回は、連載シリーズの「Vol.3 MMT理論」だ。

「日本は 借金大国ではない 理由」を
過去2回、連載してきた。

その前編の2つは、下記をご覧頂きたい。

◆Vol.1 【バランスシート編】日本借金大国は嘘

(負債だけではNG|資産も含む純負債で優等生 )


◆Vol.2【日銀・政府編】なぜ日本借金大国は嘘  

(国の借金は、親子関係にある日銀が、担う )




 
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ご注意
「○○の可能性が考えられる。」というフレーズが続くと、
読みづらくなるので、
「○○になる。」と簡略化もしています。
断定ではなく可能性の示唆である事を念頭に置いて下さい。

このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、
自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、
対応して下さい。また「免責事項 」をお読みください。

引用
真っ暗なトンネルの中から出ようとするとき、
出口が見えないと大変不安です。

しかし「出口は1km先」などの情報があれば、
真っ暗なトンネルの中でも、希望の気持ちを持てます。

また、コロナ禍では、マイナスの情報が飛び交い、
過度に悲観してしまう人もいます。

不安で苦しんでいる人に、出口(アフターコロナ)という
プラス情報も発信することで、
人々の笑顔に貢献したく思います。

つきましては、皆さまに、本ページの引用や、
URLの紹介などで、広めて頂くことを、歓迎いたします。
引用・転載の注意・条件をご覧下さい。
【著作者 プロフィール】
■松田 優幸 経歴
 (消費者経済|チーフ・コンサルタント)

◆1986年 私立 武蔵高校 卒業

◆1991年 慶応大学 経済学部 卒業

*経済学部4年間で、下記を専攻
・マクロ経済学(GDP、失業率、物価、投資、貿易等)
・ミクロ経済学(家計、消費者、企業、生産者、市場)
・労働経済
  
*経済学科 高山研究室の2年間 にて、
・貿易経済学・環境経済学を研究

◆慶応大学を卒業後、東急不動産(株)、
 東急(株)、(株)リテール エステートで勤務

*1991年、東急不動産に新卒入社し、
途中、親会社の東急(株)に、逆出向※

​※親会社とは、広義・慣用句での親会社 

*2005年、消費・商業・経済のコンサルティング
 会社のリテールエステートに移籍

*東急グループでは、
消費経済の最前線である店舗・商業施設等を担当。

各種施設の企画開発・運営、店舗指導、接客等で、
消費の現場の最前線に立つ

*リテールエステートでは、
全国の消費経済の現場を調査・分析。
その数は、受託調査+自主調査で多岐にわたる。

商業コンサルとして、店舗企業・約5000社を、
リサーチ・分析したデータベースも構築

◆25年間の間「個人投資家」としても、活動中

株式の投資家として、
マクロ経済(金利、GDP、物価、貿易、為替)の分析や
ミクロ経済(企業動向、決算、市場)の分析にも、
注力している。

◆近年は、
消費・経済・商業・店舗・ヒットトレンド等で、
番組出演、執筆・寄稿、セミナー・講演で活動

◆現 在は、
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼、(株)リテール エステート リテール事業部長

◆資格は、
 ファイナンシャル・プランナーほか


■当総研について

◆研究所概要
*名 称 : 消費者経済総研
*所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者 : 松田優子
*U R L : https://retail-e.com/souken.html
*事業内容: 消費・商業・経済の、
 調査・分析・予測のシンクタンク

◆会社概要
「消費者経済総研」は、
株式会社リテールエステート内の研究部署です。

従来の「(株)リテールエステート リテール事業部
消費者経済研究室」を分離・改称し設立

*会社名:株式会社リテールエステート
*所在地:東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者:松田優子
*設立 :2000 年(平成12年)
*事業内容:商業・消費・経済のコンサルティング

■松田優幸が登壇のセミナーの様子

ご案内・ご注意事項 
*消費者経済総研のサイト内の
 情報の無断転載は禁止です。

*NET上へ「引用掲載」する場合は、
 出典明記
 当総研サイトの「該当ページに、リンク」を貼る。

 上記の①②の2つを同時に満たす場合は、
 事前許可も事後連絡も不要で、引用できます。
 
 ①②を同時に満たせば、引用する
 文字数・情報量の制限は、特にありません。

 (もっと言いますと、
 ①②を同時に満したうえで、拡散は歓迎です)

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 取材対応での情報提供となりますので、
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取材等のご依頼 ご連絡お待ちしています
メール: toiawase★s-souken.jp
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電 話: 03-3462-7997 
(離席中が続く場合は、メール活用願います) 
         
チーフ・コンサルタント 松田優幸   
松田優幸の経歴のページは「概要・経歴」をご覧下さい。