なぜ値上げラッシュ?2021/10月~2022値上げ食品一覧・原因理由|消費者経済総研|2021年11月28日

なぜ値上げラッシュが続くのか?
その理由と値上げ食品の一覧を時系列で解説

2021年10月~2022年のコーヒー、パン、
パスタ、牛丼、スイーツ・和菓子、ポテトチップス
ハンバーグ、冷凍食品、メンマ、食用油が値上げ

値上がり原因は、円安・コロナ禍の供給制約
人手不足・コンテナ不足・原油高で、
物流費・人件費・資材費・原材料費・燃料費の高騰

中国の旺盛な需要をはじめコロナおちついた
国の需要回復も。さらに鳥インフルエンザも。

-消費と経済をわかりやすく解説する-
  -「消費者 経済 総研」-


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最新稿:2021年11月28日
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今回は「生活経済」
消費者経済総研が、最近投稿した内容は、
「マクロ経済テーマ」が、続いていました。

経済政策、年金問題、負債問題、GDP、短観等です。

今回は、身近な「生活経済」のテーマを解説します。
私たちの暮らしは、どうなってしまうのか?

今回は「生活経済」のテーマなので、
「わかりやすさに」にこだわり、丁寧に解説します。

筆者(松田)は、TV局や新聞社から、
経済テーマの取材を、受けています。

経済担当ではない記者の方は、苦労されています。

社会・情報バラエティーと全般の記者さんだから、
経済テーマでは、苦労されて、いらっしゃいます。

そこで「わかりやすい解説」を、していきます。

今までも「日本で2番目に、わかりやすい解説」を
モットーに、してきました。

今回は「生活経済・私たちの暮らし」テーマなので、
より一層、わかりやすく解説していきます。

例えば、「円安」とは?も、
基本に立ち返り、丁寧に説明します。




2021年度は、値上げラッシュ?
2021年度は、値上げラッシュの年度?
値上げが続き、私たちの暮らしを直撃しています。

値上げによる「物価上昇」よりも
「給料上昇」の方が上、なら良いですね。

しかし、日本の給料水準は、低迷状態です。
「給料がUPせず、物価だけUP」だと大変です。

そこで今回号は「生活経済編」として、
私たちの暮らしを直撃する値上げを、解説します。

・「何が値上がり」したのか?

・今後の「値上げ予定」とは?

・値上げは「いつまで続く」のか?

そして、

・値上げ幅は? ステルス値上げは?

・値上がりの「理由」とは?

以上を、解説します。




2021年度の「上期」は?
-- 消費者 経済 総研 --

◆既に、値上げが、続いている?

2021年度は、既に上期(4月~)にも、
値上げが、続いていました。

▼外食では、
  モスバーガー、丸亀製麺、一風堂 など

▼食材・食品は、
  小麦、食用油、サンマ缶詰 など

これらが、今年度の4月に、値上げされました。

上記は、消費者経済総研が、
新年度の値上げ特集」で、取り上げた内容です。

-- 消費者 経済 総研 --

◆値上げの原因 とは? 「上期編」

需要が増えると、値段は上がります。
供給が減ると、値段は上がります。

値段は「需要と供給のバランス」で、決まります。
昨年より今年の方が、コロナは沈静傾向です。

そこで「需要が回復」しています。
一方で、まだ「供給は不足」しています。

なぜ「供給不足・モノ不足」なのでしょうか?

コロナ禍で、各国で出勤制限が、あります。
よって、工場の稼働率が、低いのです。

工場での生産量(供給量)が、少ないのです。
原材料は、品薄なので、値上がりしました。

コストUPを、企業は値上げで、対応します。
これを「コスト プッシュ インフレ」と言います。

上期の具体的な原因を、下記に整理しました。
様々な費用UPや、旺盛な需要があります。

▼コスト要因

・人件費の上昇
・食材の価格の上昇

・包材費の負担増加(テイクアウト増)
・物流費の上昇

▼天候等の要因

・米国:寒波による生育不良の懸念
・南米:天候不順(ラニーニャ現象)での減産懸念

・欧州:雨による作付面積の減少
・日本:サンマの不漁(資源量減少・海水温上昇等)

▼需要要因

・中国やインド等の旺盛な需要




2021年度の下期は?
-- 消費者 経済 総研 --

◆下期は、どうなる?

前項は「上期の値上げ」でした。

上期の値上げの詳細な解説は、
本ページの下段に、記載しています。

先に上期詳細を見る場合は、下記リンクをどうぞ。
上期の値上げ 詳細編

さて、下期(10月~来年3月)は、どうでしょうか?
上期に続き、下期も値上げが、続きます。

下期はさらに、悪材料が加わりました。
それは、「円安の急伸」「原油高」です。

原油から作られるプラ製品の食品容器も値段UPし
運搬燃料・工場燃料の重油、軽油も上昇しています。

-- 消費者 経済 総研 --

◆上期は、円安は軽微?

企業の値上げ決定の時期は、いつ頃でしょう?
値上げの実行日より、だいぶ前の時期になります。

既述の4月の値上げを、決めた1~2月頃は、
円安の影響は、まだ軽微でした。

下期は、値上げ要因に、円安が加わります。
一層、私たちの暮らしを、圧迫します。

-- 消費者 経済 総研 --

◆「 円安 → 物価上昇 」の理由とは?

・円安→物価上昇 の理由 とは?
・円安発生の仕組み とは?
これらは、マクロ経済の解説になります。

今回は「生活経済」のテーマなので、
円安の解説は、飛ばします。

「でも円安の解説も知りたい」という方のために、
本ページの下段に、円安解説を掲載してあります。

   「円安の解説」へ移動




2021年度下期
-- 消費者 経済 総研 --

◆下期に、値上げしたもの・値上げするもの

▼10月

・スイーツ・和菓子
・コーヒー
・輸入小麦

▼11月

・冷凍食品
・味付メンマ
・食用油

▼12月

・小麦粉(業務用)

-- 消費者 経済 総研 --

◆値上げは、いつまで続く?来年は?

▼2022年 1月

・食パン・菓子パンなど

▼2022年 2月

・パスタ・パスタソース
・冷凍食品(ハンバーグなど)

上記の値上げ一覧は、一部です。
その他は、文字数の関係から、割愛しています。

-- 消費者 経済 総研 --

◆値上げ幅などは?

次項からは、値上げ幅なども含め、
それぞれの品目・商品を、解説していきます。




2021年10月の値上げ
-- 消費者 経済 総研 --

◆10月 牛丼 吉野家

吉野家は、2021年10月29日から値上げしました。

牛丼(並盛)は、
387円 → 426円 (税込)と、10%値上げです。

▼値上げの理由は?

値上げの理由は、下記です。

・昨今の急激な輸入牛肉の価格高騰
・原油高の影響

-- 消費者 経済 総研 --

◆10月 輸入小麦 政府

「輸入小麦」が、また、値上がりしました。

2021年4月に、値上げが、あったばかりでした。
半年後の10月に、再び値上げです。

小麦の輸入では、下記の仕組みになっています。
「政府が購入し、国内の製粉会社等へ売る」

その売り渡し価格が、2021年4月1日に、
「5.5%の値上げ」となりました。

そしてその4月の価格に対して、
10月には、さらに約2割も、値上げです。

1年前からは、約25も%の値上げです。
パンの値段も、どんどん、上がりそうですね。

▼値上げの原因は?

・中国の爆買い
  米国・カナダ産小麦への、中国の旺盛な買付け

・トウモロコシが高騰
  飼料の「トウモロコシ」も高騰し、
  その代わりとして、小麦が買われた

・6月以降の気候変動で品薄
  米国・カナダの小麦産地が、高温乾燥で不作

・太平洋の輸送需要が増加→海上運賃が大幅上昇

これらで、国際価格が上昇したことが、原因です。

-- 消費者 経済 総研 --

◆10月 コーヒーの値上げ

味の素AGFや、キーコーヒーは、
2021年10月1日納品分から、値上げしました。

コーヒー製品の店頭価格は、約2割UPです。

コーヒーの「生豆」の国際相場は、
2021年2月から、上昇が続いています。

7月には、7年ぶりの高値を、付けました。

▼コーヒーの高騰の理由は?

◇需要面では?

世界のコーヒー消費量が、拡大し続けました。
今後も、コロナ沈静化→活動再開で、需要UP見込み

◇供給面では?

・昨年 11月から続く降雨不足による天候不順

・今年7月、ブラジルで、27年ぶりの大規模な降霜
 (しも が、降りた)

・コロナ禍で発生した海上輸送網の混乱

・2021年1月からの円安傾向

-- 消費者 経済 総研 --

◆10月 スイーツ・和菓子

山崎製パン、フジパンが、
スイーツ・和菓子を、値上げしました。

▼山崎製パン

2021年10月1日の出荷分から、
スイーツ・和菓子の出荷価格を、平均で7%値上げ

▼値上げの理由は?

◇供給面では?

・天候不順で穀物が高騰し、原料(油脂・糖)が高騰

・鳥インフルエンザの拡大で、鶏卵価格が高騰

・電気・ガス・軽油等も上昇

・物流費や人件費も増加

◇需要面では?

・世界的な需要拡大

▼フジパン

フジパンも、スイーツ・和菓子を、値上げしました。
10月1日納品分から、8.4%の値上げです。

値上げの原因は、山崎製パンと、ほぼ同じです。




2021年11月の値上げ
家庭用の冷凍食品、メンマ、食用油が、値上げです。

-- 消費者 経済 総研 --

◆11月 冷凍食品 ニチレイフーズ

ニチレイフーズが、家庭用の冷凍食品を、
2021/11/1の納品分から、約4~8%値上げです。

▼値上げの理由は?

◇需要面では?

・世界的な食料需要の増加

◇供給面では?

・原材料(特に、油・畜肉原料・小麦粉の急激な高騰)

-- 消費者 経済 総研 --

◆11月 味付メンマなど 桃屋

桃屋が「味付メンマ」等の通販価格を、値上げです。

2021年11月1日から、
味付メンマ100gが、300円 → 313円(税込)です。

▼値上げの原因は?

・原料価格が、国内外の需要拡大により高騰

-- 消費者 経済 総研 --

◆11月 食用油 J-オイルミルズ

J-オイルミルズは、2021年11月1日納品分から、
食用油の価格を、値上げしました。

家庭用の油脂製品は、30円/kg以上の値上げです。

2021年は、なんと、4月、6月、8月、10月と、
頻繁に連続的に、値上げです。

▼値上げの原因 需要面では?

・世界的な大豆への旺盛な需要

▼値上げの原因 供給面では?

・油の原料(大豆・菜種・パーム油)のコスト上昇

・菜種は、カナダの高温少雨で、減産見通し

・パーム油は産地マレーシアがコロナで生産不足

・海上運賃の大幅な上昇




いつまで続く?来年は?
-- 消費者 経済 総研 --

◆1月 ポテトチップス カルビー

カルビーは、2022 年1月24日から
順次、長い期間で、実施していきます。

2月は、ポテトチップス(フレンチサラダ)が値上げ、
3月は、ポテトチップスギザギザ🄬コク深いチキンコンソメ
4月以降は、じゃがいもチップス(花藻塩味)が値上げ

上記のように、値上げが続きます。

▼値上げの理由は?

・高温・干ばつで「北海道ばれいしょ」が減少見通し
・原材料価格が、大幅に上昇

▼値上げと減量は?

値上げ幅は、7~10%程度です。

「ポテトチップス うすしお味」の
(60g)は、値上げです。

「ポテトチップス うすしお味」の
(85g)は、値上げではなく、量を減らします。

価格据え置きで、85g→ 80gと、約6%減ります。
カルビーは、減量の情報を開示しています。

しかし世の中には、知らずのうちに「減量」する
「ステルス値上げ」も、増えそうですね。




2022年1月
-- 消費者 経済 総研 --

◆1月 食パン等 フジパン

フジパンは、食パン、菓子パン、総菜パンなどを、
2022年1月1日の納品分から、値上げ予定です。

「本仕込食パン」などの食パンは、約10%UP(平均)

▼値上げの原因 需要面では?

・原料(小麦粉、油脂類、糖類、レーズン)の世界的な需要拡大

▼値上げの原因 供給面では?

・原料が、産地の天候不順で、大幅に高騰

・鳥インフルエンザの拡大で、鶏卵価格が高騰

・包装資材、物流費・燃料費(軽油)などの高騰

*なお、山崎製パンも、食パン・菓子パンを、
 2022年1月1日の出荷分から値上げします。

-- 消費者 経済 総研 --

◆2月 パスタ 日清フーズ

日清フーズは、2022年2月1日の納品分から、
パスタ等を約3~9%、冷凍食品を約4~7%値上げです。

▼値上げの原因 供給面では?

・原料の輸入小麦が、2021年10月1日に値上げ

・デュラム小麦、その他原料、包材費、人件費の上昇

-- 消費者 経済 総研 --

◆2月 ハンバーグ 味の素冷凍食品

味の素冷凍食品は、
2022 年 2 月 1 日の納品分より、値上げします。

「洋食亭Ⓡ」和風ハンバーグなどの
家庭用は、約4~13%UPです。

▼値上げの原因 供給面では?

・原材料費、エネルギー費、包材費等、物流費の上昇






■上期の値上げ 詳細編■
ここから、2021年度「上期の値上げ 詳細編」です。
新年度開始の4月での値上げを、掲載しています。




ファストフードは?
-- 消費者 経済 総研 --

◆モスバーガーは、値上げ?

メイン商品の「モスバーガー」では、
2021年4月1日から、値上げしました。

・イートイン : 377円 → 390円 (13円値上)
・テイクアウト: 370円 → 390円 (20円値上)

 ※価格は、いずれも税込

2021年4月1日から、
消費税の税込表示が、義務化されました。

これに合わせて、モスバーガーでは、店内飲食も、
持ち帰りも、同じ税込価格に、してしまいます。

イートインでもテイクアウトでも、上記商品では、
同じ税込390円なので、シンプルで良いですね。

さらに、同時に、税込価格つまり実際の支払額を、
1円単位の端数を、廃止しました。

10円単位にすることで、
さらに、わかりやすさを、向上しました。

シンプル is ベストですね。

◇値上げの理由は?

・人件費や食材の高騰など、様々なコストの増加

・コロナ禍でテイクアウトが増え、
 無料提供の包材費の負担の増加

これらが、値上げの理由です。

-- 消費者 経済 総研 --

◆丸亀製麺は? 値上げ?

うどん専門チェーン店の「丸亀製麺」では、
どうでしょうか?

かけうどん、ぶっかけうどん、釜玉うどん、
明太釜玉うどん、とろ玉うどん、カレーうどん

以上、いずれも、20円(税込)値上げしました。
※いずれも並サイズ

しかし看板商品の「釜揚げうどん」(並サイズ) は、
3/31まで290円(税込)→4/1から 290円(税込)
と、変更なしです。

◇値上げの理由は?

昨今の外食産業をとりまく厳しい環境と、
人件費高騰が、値上げの理由です。

-- 消費者 経済 総研 --

◆一風堂は? 値上げ? 値下げ?

主力商品のラーメンの白丸元味は、
現行の825円→790円、

赤丸新味は、902円→890円、
極からか麺は、935円→930円 に値下げです。

一方で、下記のように、値上げされました。

替玉:100円→150円、
博多ひとくち餃子:462円→470円、

明太子ごはん:429円→430円、
チャーハン:649円→650円、
ハカタノチカラめし:462円→470円に

◇値上げ・値下げの理由は?

値上げの理由は、
外食産業を取り巻く厳しい環境や、
原材料費や物流費の高騰が理由です。

一方で、今後も一風堂を気軽に利用できるよう、
主要なラーメンについては値下げとなりました。




輸入小麦は? 値上げ?
輸入小麦は、政府が購入し、
国内製粉会社等へ売る、仕組みになっています。

その売り渡し価格が、2021年4月1日に、
5.5%の値上げとなりました。

パンの値段も、上がっていきそうですね。

◇値上げの原因は?

・米国・カナダ産小麦への、中国の旺盛な買付け

・ロシアの小麦輸出税の引上げ

・2月中旬の米国中央部の寒波による、
 小麦生育への影響懸念

これら等で、国際価格が上昇したことが原因です。




食用油は? 値上げ?
-- 消費者 経済 総研 --

◆日清オイリオグループ

日清オイリオグループは家庭用・業務用・加工用の
「食用油」を、4/1納入分から値上げしました。

◇値上げ幅は?

家庭用の食用油は、
1㎏当たり20円以上の値上げとなりました。


◇値上げの原因は?

・原材料の価格上昇
  (大豆は6年半ぶり、菜種は8年半ぶり、
  パーム油は10年ぶりの高値)

・大豆の高騰の理由は、
  米国産の需給逼迫、
  天候不順(ラニーニャ現象)を背景とした
  南米産の減産懸念、
  中国をはじめとする旺盛な需要

・菜種の高騰の理由は、
  旺盛な需要に加え、
  雨による欧州産の作付面積減少等

・パーム油の高騰の理由は、
  生産地の天候不順による減産懸念、
  中国・インド等の旺盛な需要等

-- 消費者 経済 総研 --

◆J-オイルミルズ

J-オイルミルズは、2021年4月1日の出荷分から、
業務用の油脂加工の製品を値上げしました。

マーガリン製品は、25円/ kg以上、
ショートニング製品は30円/ kg以上の
値上げをしました。

なお、 家庭用の油脂製品は、
2021年6月1日出荷分から、値上げしました。

値上げ幅は、30円/kg以上です。

値上げ理由は、
日清オイリオグループの理由とほぼ同じです。




サンマ缶詰は? 値上げ?
マルハニチロは、2021年4月1日の納品分から、
サンマ缶詰計4品を、値上げしました。

◇値上げ幅は?

1缶あたり30円です。

・さんま蒲焼 100g:230円→260円

・減塩さんま蒲焼N 100g:230円→260円
・さんま塩焼 75g :230円→260円

 (値段は、税別)

◇値上げの原因は?

昨年の記録的なサンマの不漁です。







円安の解説
-- 消費者 経済 総研 --

◆2021年は、1月から、円安へ?

2021年のドル円相場は、どう推移したでしょう?

1月は、「1ドル 103円 」でした。
 ↓
11月は、「1ドル 115円 」です。

1月 103円 → 11月 115円 と、
12円もの円安・ドル高が、進みました。

115円は、4年ぶりの円安水準です。

1ドルを、手に入れるには、
以前は103円だったのが、今は115円になります。

つまり、ドルの入手コストが、UPしました。

よって、ドルの価値が、高まりました。
これが「ドル高」です。

ドルと円とは、裏・表の関係にあります。
ドル高は、円安です。

1ドルが、103円 → 115円 へ変化したことは、
米国視点ではドル高で、日本視点では円安です。

-- 消費者 経済 総研 --

◆「円安」だと、日本の物価が、上がる?

米国の1ドルの商品を、買うには、何円必要?
1月は103円で「米国の1ドル商品」を買えました。

11月では、「115円」を出さないと、
米国の1ドル商品を、買えません。

つまり、輸入品を仕入れるコストが、UPしました。
輸入品のコストUPは、日本の物価上昇になります。

-- 消費者 経済 総研 --

◆円安の理由は、米国の金利上昇?

円・ドルの相場を、決定する主な要素は、
「日米の金利差」です。

国債は、一般個人でも買える金融商品です。

日本の国債(10年)の利回りは、約0.1%です。
米国の国債(10年)の利回りは、約1.5%です。

日本国債を、100万円分を、買っても、
1年の利息は、千円しかもらえません。

米国国債を、100万円分を、買うと、
1年の利息は、1万5千円も、もらえます。

同じ国債を買うなら、米国の国債の方がお得です。

そこで、日本円を米ドルに換えて、
「米国の国債を買う」傾向が、強まります。

「円→ドル に変える」ことは、別の言い方では、
「円を売って、ドルを買う」ということです。

「円を売ってドルを買う」傾向が、高まりました。
円が売られたので、円は安くなります。

つまり、円安です。
2021年1月から急に、ドル高円安になりました。

-- 消費者 経済 総研 --

◆米国の金利UPの理由は、「正常化へ回帰」策?

2020年7月頃は、日米金利差は、0.5%でした。
(米国0.5% - 日本0% = 金利差0.5%)

安倍政権では、
アベノミクス3本の矢を、政策にしました。

3本の矢のうち、第1の矢は「金融緩和策」です。
金融緩和策 = 低金利策 + 量的緩和 です。

景気対策で、「お金を、借りやすく」するために、
金利を下げ、融資用のお金を、増やしておきます。

この金融緩和策は、世界中で実施されています。

「アベノミクス」の言葉が目立ちますが、
日本独自ではないのです。

米国をはじめ、各国で、実施しています。

さて、米国の金利は、次のように、上昇しました。

 2020年の底値:8月 0.5%
   ↓
 2021年の高値:3月 1.7%

米国は、コロナ禍の経済危機の
峠は、すでに、超えています。

金利上昇の原因は、テーパリングです。

テーパリングとは、米国の中央銀行(FRB)が、
「超・金融緩和策 → 正常化へ戻す」作業です。

危機の峠を越えたから、正常化へ戻すのです。

テーパリングは、具体的には、下記の流れです。
「FRBが国債等を買う量を、徐々に減らしていく」

▼危機の時に、FRBが国債を買った理由は?

FRBが、国債をたくさん買えば、
その購入代金が、市中に増えていきます。

これが「量的緩和策」です。

また、FRBが、国債をたくさん買えば、
国債が、品薄になります。

国債が品薄になると、国債の価格は上がります。

A:利回り = B:国債の利息の額 ÷ C:国債の売買額
C:国債の額が上がれば、分母が大きくなります。

Cの分母が大きくなれば、A:利回りは下がります。

テーパリングとは、
国債購入の減少→国債購入の終了の流れです。

国債購入の減少で、
市中のマネーの増加ペースが、落ちます。

やがて国債購入が、終了します。
国債購入終了で、市中マネーの増加は終わります。

「マネー増加が終了」することは、
「量的緩和策」が、終了に向かう ということです。

また、国債購入の増加は、
Cの国債の価格が、上がります。

Cの国債の額が上がれば、分母が大さくなります。
Cの分母が大さくなれば、A:利回りは下がります。

今までの金利低下のトレンドが、
テーパリングで、終わります。

テーパリングの後には、
金利引き上げ策が待っています。

つまり、金利相場は、上昇へ向かいます。
こうして米国は、金利が上昇しました。

米国金利は上昇し、日本金利は、ほぼ不変です。
金利が高い国債を買えば、利息も、多くもらえます

高い金利の米国国債を、買う動機がUPしました。
米国国債を買うために、ドルを手に入れます。

よって、米国ドルの需要が、高まりました。
円が売られて、ドルが買われました。

こうして「円安」になりました。

なお、今回の米国金利の上昇は、
テーパリングの実行期より、早めに起きました。

金融マーケットの参加者が、先回りして、
アクションを起こしたと、解釈されます。




なぜ、金融緩和策をする?
そもそも、なぜ、金融緩和策を、するのでしょうか?

①金利を下げること
②お金の量を増やすこと

上記の2点を、徹底的にやることが、
「大胆な金融緩和」です。

(ここから「だ。である。調」に、変えます)

①金利を下げると、どうなる?

例え話で解説する(金額などは仮の数値)

自動車メーカーが新しい工場を増設を検討する。
費用は、100億円だ。

100億円を、銀行から借金する。
金利10%なら、1年で10億円の利子を負担する。

金利が1%なら、1年で1億円の利子を、負担する。

金利が低いと、企業は工場を、増設しやすい。
工場が増設されれば、車の生産台数が増える。

その増えたクルマを、海外へ輸出する。
こうして、その企業の売上は、増える。

「売上UP→給料UP」 にもつながる。
金利低下で、景気が良くなるのだ。

-- 消費者 経済 総研 --

②お金の量を増やすと、どうなる?

金利が下がっても、融資する資金が不足だと、
自動車メーカーは、借金できない。

借金できなければ、工場の増設ができない。

そこで「金利を下げる」だけではなく、
「お金の量も増やす」のだ。

「大胆な金融緩和」とは、下記2つだ。

①金利を下げること
 →ゼロ金利・マイナス金利策

②お金の量を増やすこと
 →量的緩和策

コロナ禍で傷んだ経済を、各国の中央銀行が、
金融緩和策で、対処したのだ。

米国は、テーパリングで、
その対策の出口に向かったのだ。

つまり、金融緩和を縮小し、
低金利→正常金利へ向かい、米国金利は上昇だ。

-- 消費者 経済 総研 --

◆需要サイドは?

前項の自動車メーカーの例え話は、供給サイドだ。
需要サイドでは、どうか?

同じく、例え話で、解説する。

パワーカップルが、1億円の
マンションの購入を、検討している。

住宅ローンの金利が、8%ならば、
1年で、800万円もの金利を、負担する。

金利が0.5%ならば、50万円だ。

1年間で、上記のように、大きな差が出る。
30年間のローンなら、とても大きな差になる。

(経年で、元本が減れば、支払利子の額も減少する)

金利が下がれば、
マンション買おうとする人が、増える。

「金利ダウン → マンション需要はアップ」だ。

マンション売上UP
 ↓
不動産会社の売上UP
 ↓
社員の給料UPへ

低金利は、企業だけでなく、消費者も恩恵がある。
消費拡大すれば、景気もUPする。

金融緩和策(低金利策+量的緩和策)すれば、
景気は拡大するのだ。




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引用
真っ暗なトンネルの中から出ようとするとき、
出口が見えないと大変不安です。

しかし「出口は1km先」などの情報があれば、
真っ暗なトンネルの中でも、希望の気持ちを持てます。

また、コロナ禍では、マイナスの情報が飛び交い、
過度に悲観してしまう人もいます。

不安で苦しんでいる人に、出口(アフターコロナ)という
プラス情報も発信することで、
人々の笑顔に貢献したく思います。

つきましては、皆さまに、本ページの引用や、
URLの紹介などで、広めて頂くことを、歓迎いたします。
引用・転載の注意・条件をご覧下さい。
【著作者 プロフィール】
■松田 優幸 経歴
 (消費者経済|チーフ・コンサルタント)

◆1986年 私立 武蔵高校 卒業

◆1991年 慶応大学 経済学部 卒業

*経済学部4年間で、下記を専攻
・マクロ経済学(GDP、失業率、物価、投資、貿易等)
・ミクロ経済学(家計、消費者、企業、生産者、市場)
・労働経済
  
*経済学科 高山研究室の2年間 にて、
・貿易経済学・環境経済学を研究

◆慶応大学を卒業後、東急不動産(株)、
 東急(株)、(株)リテール エステートで勤務

*1991年、東急不動産に新卒入社し、
途中、親会社の東急(株)に、逆出向※

​※親会社とは、広義・慣用句での親会社 

*2005年、消費・商業・経済のコンサルティング
 会社のリテールエステートに移籍

*東急グループでは、
消費経済の最前線である店舗・商業施設等を担当。

各種施設の企画開発・運営、店舗指導、接客等で、
消費の現場の最前線に立つ

*リテールエステートでは、
全国の消費経済の現場を調査・分析。
その数は、受託調査+自主調査で多岐にわたる。

商業コンサルとして、店舗企業・約5000社を、
リサーチ・分析したデータベースも構築

◆25年間の間「個人投資家」としても、活動中

株式の投資家として、
マクロ経済(金利、GDP、物価、貿易、為替)の分析や
ミクロ経済(企業動向、決算、市場)の分析にも、
注力している。

◆近年は、
消費・経済・商業・店舗・ヒットトレンド等で、
番組出演、執筆・寄稿、セミナー・講演で活動

◆現 在は、
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼、(株)リテール エステート リテール事業部長

◆資格は、
 ファイナンシャル・プランナーほか


■当総研について

◆研究所概要
*名 称 : 消費者経済総研
*所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者 : 松田優子
*U R L : https://retail-e.com/souken.html
*事業内容: 消費・商業・経済の、
 調査・分析・予測のシンクタンク

◆会社概要
「消費者経済総研」は、
株式会社リテールエステート内の研究部署です。

従来の「(株)リテールエステート リテール事業部
消費者経済研究室」を分離・改称し設立

*会社名:株式会社リテールエステート
*所在地:東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者:松田優子
*設立 :2000 年(平成12年)
*事業内容:商業・消費・経済のコンサルティング

■松田優幸が登壇のセミナーの様子

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電 話: 03-3462-7997 
(離席中が続く場合は、メール活用願います) 
         
チーフ・コンサルタント 松田優幸   
松田優幸の経歴のページは「概要・経歴」をご覧下さい。