消費税使い道 わかりやすく解説 使われ方は不明?嘘,問題?一覧グラフで簡単に|消費者経済総研|2023年9月29日
■番組出演・執筆・講演等のご依頼は、 お電話・メールにてご連絡下さい。 リモートでの出演・取材にも、対応しています 消費者 経済 総研 チーフ・コンサルタント 松田優幸 ■最新稿:2023年9月29日 "dateModified": "2023-09-29 本ページは、修正・加筆等で、 上書き更新されていく場合があります。 ■ご注意 「○○の可能性が考えられる。」というフレーズが続くと、 読みづらくなるので「○○になる。」と簡略化もしています。 断定ではなく可能性の示唆である事を念頭に置いて下さい。 本ページ内容に関しては、自己責任にて対応して下さい。 また「免責事項」をお読みください ■引用 皆さまに、本ページの引用や、リンク設定、 リンク設定などで、広めて頂くことを、歓迎いたします。 引用・転載の注意・条件 をご覧下さい。 |
- ■ 要約・ポイント編
- 詳細の解説は、後述するが、
まずは、「Q&A」で要約・ポイントから解説する。
-- 消費者 経済 総研 --
Q:消費税の「使い道は、社会保障だ」と聞くが、
それは、嘘か?
↓
A:消費税の使途の方針は、
下図の通り、大半が「社会保障」だ
-- 消費者 経済 総研 --
Q:消費税の実際の使われ方は、
「法人税 減税の穴埋めだ」とも聞くがどうか?
↓
A:そういう見方も、あるし、できる。
一方で、違う見方もある。
-- 消費者 経済 総研 --
Q:では、消費税と法人税の関係は、どうなった?
↓
A:長期の推移では、
法人税額は減少し、消費税額は増加した。
消費税は、1989年に登場以降、3回増税され、
法人税は、減税されたからだ。
※下図は、1989年の税収額→2022年の税収額
※下図は、各年の税収額の折れ線も掲載
※下記出典から、消費者 経済 総研が、矢印等を加筆
※出典:財務省|社会保障費を賄うのになぜ消費税なのか
-- 消費者 経済 総研 --
Q:上のグラフからは、
消費増税は、法人減税のために見える。
法人税の減税の理由は、何か?
↓
A:法人減税の理由の公式見解は下記だ。
「 稼ぐ力のある企業等の税負担を軽減し、
成長志向を高める 」
-- 消費者 経済 総研 --
Q:法人税の減税は、世界競争の結果だとも聞く。
これは、どういう事か?
↓
A:外国が、法人減税を、競ってやるので、
日本も追従したという見方もある。
法人税の減税は、諸外国の共通トレンドだ。
-- 消費者 経済 総研 --
Q:なぜ諸外国や日本は、法人税減税を競うのか?
↓
A:自国への企業誘致が、理由だ。
各国が「自国へ企業誘致」で、法人減税を競う。
なお、日本が、外資企業を、誘致したいなら、
外資企業だけに、低率の法人税にすればよい。
外資誘致が目的なら、
国内の日本企業の法人減税は、不要のはずだ。
-- 消費者 経済 総研 --
Q:法人税の減税の世界競争は、永遠に続くのか?
↓
A:違う。歯止めがかかる。
法人税率の減税競争は、やめることになった。
各国共通の最低税率は、15%以上にすると、
136の国・地域は、2021年に、合意したのだ。
※出典:「法人税の最低税率 15%で各国が合意
不毛な 税率引き下げ競争に 終止符?」
|News week japan|2021年10月11日|
-- 消費者 経済 総研 --
Q:とは言え、消費税の増税の本当の使われ方は、
「 法人税を減らすため 」 に見えてしまう。
↓
A:たしかに、法人税の減税は、事実なので
「実体的には、そうだ」 との見方もある。
しかし「消費増税で、法人減税を穴埋め」との
「公式の見解・決定・文書」は、見つからない。
-- 消費者 経済 総研 --
Q:消費税使い道は「国の借金の返済」とも聞く。
これは、どうなのか?
↓
A:使い道は、社会保障との方針なのだが、
借金対策に使う金額が、2013年に登場する。
5%→10%への増税分の使い道の方針が、
2013年に、より明確になった。
増税額の約半分は「社会保障等」で、
残りの約半分が「国の借金対策」となった
-- 消費者 経済 総研 --
Q:5→10%の増税分の「約半分が借金対策」
との方針は、その後も、そのままか?
↓
A:変更された。
2017年に、消費税の使い道が、変更になった。
増税分の一部(約2兆円)の使い道の方針を、
「借金対策」 → 「全世代型・社会保障」へと、
変更した。
-- 消費者 経済 総研 --
Q:「全世代型・社会保障」とは何か?
↓
A:それは、「人づくり革命」と名付けられた。
下記4件で、構成される。
① 幼保の無償化
② 高等教育の無償化
③ 介護職員の処遇改善
④ 保育の受け皿の前倒し整備
-- 消費者 経済 総研 --
Q:消費税は、「目的税」なのか?
↓
A:税は、「目的税」と「普通税」に分かれる。
普通税は、様々なことに使う一般財源だ。
目的税は、使い道が、決まっている。
消費税は、目的税のように、見えるが、
目的税ではなく、実は「普通税」なのだ。
-- 消費者 経済 総研 --
Q:目的税の例は?
↓
A:いくつかあるが、身近な例の一つは、
「都市計画税」だ。
道路や公園の整備や、下水道事業などへと、
使い道が、決まっている。
-- 消費者 経済 総研 --
Q:ところで、消費税の使い道の「方針」と、
「方針」が付くのは、なぜか?
↓
A:本ページの消費税の使い道は、
政府公表の使い道方針を、基礎としている。
「方針」と「結果」は、異なる事がありえる。
政府公表の事後的な確定使途は、不明だ。※
※不明とは、公表データは、見当たらないという事。
消費税は一般財源であるため、
消費税単独の決算は無いと捉える。
それは法人税も所得税でも普通税だから同様だろう。
本ページでの政府方針の金額・割合は公表当時の値がベース。
本ページで当総研が記載したグラフ・割合・金額は、
過去の政府方針表明から当総研が推計算定した。
-- 消費者 経済 総研 --
Q:消費税の増税は、日本経済や、国民の生活に、
プラスなのか? マイナスなのか?
↓
A:消費税の増税は、マイナスに働く。
だが、本ページでは、消費税の批判は、しない。
本ページは、消費税の使い道を、
中立・客観的に、掲載していく。
なお、別ページに、
消費税の利点・欠点の解説を、掲載してある。
下記のページをご覧頂きたい。
「 消費税|減税の効果・メリット,増税の影響・デメリット 」
本ページの下段の 「 リンク集・関連テーマは?」
の所で、リンク先に移動して、ご覧頂きたい。
- ■ 使い道・結論編
- 詳細の解説は、後述するが、
まずは、先だって「使い道の結論」から記載する。
◆下図は、消費税率10%全体の使い道の方針
消費税は社会保障に使うと、2012年に決まった。
なお例外があり、1割は地方自治体の一般財源だ。
これが、消費税法の第1条に記載の基本方針だ。
※円グラフの「社会保障」には「少子化対策」を含む
※消費税法 第1条2「消費税の収入については...」
--消費者 経済 総研--
◆5→10%への増税分(10%のうちの半分5%)
2012年に、社会保障を、強化することが決まった。
その財源は、消費税の増税で、まかなうとなった。
2014年以降に、増税(5→10%)すると、なったのだ。
下図の右側赤色部分が、5→10%増税部分だ。
社会保障の強化の財源が、この右側の増税部分。
--消費者 経済 総研--
◆下図が右側の増税分の使い道の内訳。
※上の円グラフの計算内容は後述
政府は、使い道を、何度か変更している。
上記の円グラフは、最新の姿だ。
消費税の「使い道の 変更・変遷」の内容と、
消費税の「歴史」を、これから解説していく。
※本ページでは政府公表の使い道の方針を基礎としている。
「方針」→「実際の結果」は異なることがある。
その政府方針の金額・割合は公表当時の値がベース。
本ページで当総研が記載したグラフ・割合・金額は、
過去の政府方針表明から当総研が推計算定した。
政府公表の事後的確定使途は不明(公表データは見当たらない)
- ■ 消費税の歴史と変遷
- ◆消費税の登場と理由・目的 とは?
*消費税は、いつから登場したのか?
消費税は、1989年(平成元年)4月1日に登場した。
当初の税率は、3%だった。
*なぜ登場したのか? その理由とは?
--消費者 経済 総研--
◆3度の増税と、景気影響 とは?
増税は、3→5%、5→8%、8→10%と3回行われた。
それにより、どんな結果になってしまったのか?
◆消費税の使い道の変遷 とは?
消費税の使い道は、過去に何度か変更されてきた。
変更の経緯や理由とは?
--消費者 経済 総研--
◆消費税の税込表示と税抜表示 とは?
なぜ価格表示が、税込→税抜可→税抜と変化した?
◆これらの上記の各テーマに関して、
【増税】【景気】【価格表示】【使い道】
の切り口で、消費税の変遷を、時系列で見ていく。
- ■時系列のアウトライン|目次
- 先だって、変遷・歴史の概略を、時系列で見ていく。
◆1989年より前
・「所得税の捕捉率が、低い問題」の議論が活発
↓
・いわゆる 「 クロヨン問題 」である
↓
・捕捉性に優れる、消費税の導入議論が、活発化
↓
・財政再建・福祉目的で消費税誕生と言う人がいる
↓
・それは違う。 財政再建・社会福祉対応ではない
↓
・低い捕捉率の所得税の問題解消が、理由のメイン
◆1989年
・4月1日に、消費税が3%の税率で登場
◆1997年【増税】
・4月1日に、消費税率が、3→5%に増税された
◆1998年【景気】
・増税で、景気は悪化し、「失われた20年」の開始へ
↓
・GDP・消費・年収は低下し、失業率・自死率は上昇
◆1999年【使い道】
・「使い道は福祉」と、予算総則に、記載された
↓
・消費税は、普通税で、目的税ではない。
↓
・外国でも「消費税が目的税」の例は、見当たらない
↓
・こうして、消費税の福祉目的化の賛否は、残った
◆2004年【表示】
・4月から「税込価格」での総額表示が、義務へ
- 増税と、社会保障の充実 へ -
- 社会保障・税の一体改革(一体改革) -
◆2010年
・民主党等で「一体改革」(社会保障・税の一体改革)が議論
◆2011年【増税案・使い道変更 案】
・「一体改革」の具体的な案が登場
↓
・内容は、福祉改革と、その財源として5→10%増税
◆2012年【増税・使い道変更 決定】
・野田内閣で、一体改革が「案から実行」に移された
↓
・「消費税法の一部を改正する等の法律」など成立
↓
・法律で、消費税の増税+一体改革実行が、決定した
↓
・消費税の 「 使い道は、社会保障 」 と、定められた
↓
・なお、同年に法人税の減税(30→25.5%)があった
↓
・実際は「消費増税は、法人減税のため」なのか?
↓
・政府説明では、消費増税は社会保障の強化改革だ
↓
・日本の消費増税の使途は、社会保障の強化改革だ
※「消費増税は、法人減税の穴埋めのため」 との
公式の見解・決定・文書は、見当たらない。
しかし、法人税の減税は事実なので
「実体的にはそうだ」との見方もある。
◆2013年
【使い道】
・自民党・安倍政権で、使い道の具体的内訳が公表
↓
・なお、使い道には「借金対策」も含んでいる
【表示】
・同年10月から、税込表示の義務が、解除
◆2014年
【増税】
・4月1日に、消費税率が、5→8%に増税
【景気】
・増税で、消費や実質年収が、下落へ転じた
↓
・安倍首相は、次の増税で景気の腰折れを懸念
【増税・延期】
・8→10%増税を「15年10月→17年4月」へ
延期することを、安倍首相が、11月に表明
◆2016年
【増税・再延期】
・安倍首相は、内需の腰折れ等の増税リスクを懸念
↓
・8→10%増税の時期を「17年4月→19年10月」へ
再び延期することを、安倍首相が、6月に表明
【使い道・変更】
・あわせて、軽減税率(8%)の導入も、正式に表明
↓
・1.1兆円を、「借金対策」 →「軽減税率」へ
◆2017年【使い道・変更】
・「新・経済政策パッケージ」を、12月に閣議決定
↓
・その政策の中の目玉政策は「人づくり革命」
↓
・人づくり革命とは、保育・教育・介護の強化改善だ
↓
・1.7兆円を、「借金対策」 →「人づくり革命」へ
↓
・こうして消費税の「増税分の使い道が変更」
◆2019年【増税】
・10月1日に、消費税率が、8→10%に引き上げ
◆2021年【表示】
・4月から「税込価格」の総額表示が、再び義務へ
上記までは、わかりやすく簡単に、要約・表現した。
詳細は、本ページの次の項以降を、ご覧頂きたい。
先に関連テーマを見たい方は、下記関連ページへ
- ◆消費税では、誰が、損するのか?
- 「そもそもとして、消費税で、誰が、損をする?」
「消費税で、損するのは誰?」 - ◆増税のたびに、景気悪化?
- 増税で景気悪化した様々な現象の詳細は?
「消費税|減税の効果・メリット,増税の影響・デメリット」
- ◆日本は借金大国では無い。その理由とは?
- 借金大国の日本で、借金増加は、NGなのか?
しかし「日本は借金大国ではない」と証明された。
「日本は借金大国では無い理由とは?」
- ◆軽減税率(8%)の対象とは?
- 食べ物は、何が8%で、何が10%?
「軽減税率 対象商品」
- ■ 1989年より前
- ここからは、【詳細の解説編】だ。
結構、時間かかったし、苦労した。
なので、長文ではあるが、ぜひ、お読み頂きたい
◆クロヨン問題|所得税は、捕捉率が低い ?
昭和の時代は、
所得税の捕捉率が低いことが、問題になっていた。
いわゆる「 クロヨン問題 」である。
※「 クロヨン問題 とは? 」を、参照頂きたい
捕捉性に優れる、消費税の導入議論が、活発化した。
--消費者 経済 総研--
◆消費税導入の理由 とは?
消費税の導入理由は、財政再建や社会福祉か?
そうだと言ういう人は多いが、それは違う。
消費税の導入は、財政再建・福祉対応ではない。
低い捕捉率の所得税の問題解消が、メインである。
消費税は、一律の税率で、シンプルな構造だ。
徴税費用も安く、広く薄い税、安定的なのも利点だ。
- ■1989年(平成元年)
1989年4月1日、消費税が3%の税率で、登場した。
- ■1997年|3→5%増税と、景気悪化
- ◆消費税が3→5%へ増税
1997年4月1日に消費税が、3→5%に増税された。
この増税をきっかけに、GDP・消費・年収は低下し、
失業率・自死率は上昇した。
これで「失われた20年」が、始まってしまったのだ。
--消費者 経済 総研--
◆「3→5%増税で景気悪化」とは?
増税で景気悪化した様々なダメージを、
下記のページで、詳しく解説している。
下記ページを参照して頂きたい。
「消費税|減税の効果・メリット,増税の影響・デメリット」
- ■1999年度|予算総則で福祉目的化
- 1999年度(H11年度)以降は、
消費税の使い道は、「福祉」に、充てるとされた。
目的税になったのではなく、普通税のままだが、
消費税は「福祉目的化」された。
平成11年度の予算書の中の
「総則」の項目にて、その旨が記載された。
- ■2011年|福祉の強化案と増税案
- 超高齢化・少子化で、社会保障が不充分・不適合に。
社会保障の強化のため、2010年から民主党政権で
「社会保障・税の一体改革」の議論が、活発化した。
そして2011年には、具体的な案が登場した。
内容は、下記 ①+② の同時(一体)の 改革だ。
① 社会保障の強化・改革
② その財源として、消費税の増税(5→10%)
※出典:社会保障・税一体改革成案について(平成23年7月1日閣議報告)
- ■2012年| 決定(社会保障充実・増税)
- ◆ポイント
*消費税の「使い道は社会保障」と法律に書かれた
*消費税の5→8→10%への段階的な増税が決定
--消費者 経済 総研--
◆「三党合意」とは?
「社会保障と税の一体改革」案の成立を
与党の野田首相は、目指していた。
内容は、「社会保障を強化・改革する」ことと、
その財源として「消費税の5→10%増税」である。
しかし与党には、増税反対派も多く、分裂した。
政権基盤が、弱体化したため、
野田首相は、自民党・公明党に協力を、仰いだ。
その結果、3党で一体改革の合意が得られた。
いわゆる「三党合意」である。
*2012年6月15日に
「社会保障・税一体改革に関する確認書」が作成
*2012年6月21日に
三党合意を明記した「三党確認書」が作成された。
※「一体改革」は、「社会保障・税の一体改革」の略
--消費者 経済 総研--
◆「社会保障と税の一体改革」 とは?
「社会保障と税の一体改革」とは、
下記項目の達成を、目指すものだ。
*社会保障の充実・安定化
*その安定財源の確保
*財政の健全化
そして、下記2点が、決められた。
・消費税率を5%→8→10%へ段階的に引き上げる
・増税分(5%分=10%-5%)の使い道を4福祉へ
*2012年8月10日に、ついに
「社会保障と税の一体改革」関連8法案が可決成立
※8法案とは、
①消費税法の一部を改正する法律案
正式名称:社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な
改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案
②社会保障制度改革推進法案
③子ども・子育て支援法案
④就学前の子どもに関する教育、保育等の
総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案
⑤子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う
関係法律の整備等に関する法律案
⑥公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための
国民年金法等の一部を改正する法律案
⑦被用者年金制度の一元化等を図るための
厚生年金保険法等の一部を改正する法律案
⑧社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を
行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案
※出典:内閣官房|社会保障改革- --消費者 経済 総研--
◆消費税法を改正する法律 とは?
既述の通り「社会保障と税の一体改革」の
関連する8つの法案が、8月10日に可決成立した。
8法案の中心は「消費税法を改正する法律」※だ。
同法で、消費税の税率を、5→8→10%へ、
段階的に、引き上げることが、定められた。
※この法律の正式名称は、下記である。
「社会保障の安定財源の確保等を図る
税制の抜本的な改革を行うための
消費税法の一部を改正する等の法律」
※出典:消費税法を改正する法律(当初)
--消費者 経済 総研--
◆改正された消費税法での使い道 とは?
2012年に、消費税法の第1条に、下記が加わった。
「消費税の収入については、
地方交付税法に定めるところによるほか、
毎年度、制度として確立された
年金、医療及び介護の社会保障給付
並びに少子化に対処するための施策
に要する経費に充てるものとする。」
※読みやすさのため筆者(松田)が、太字化、改行挿入
上記が、消費税の使い道の「基本方針」だ。
なお例外があり、1割は地方自治体の一般財源だ。
(その1割は、地方消費税2.2%のうち1%分である)
--消費者 経済 総研--
◆使い道に追加された「少子化対策」とは?
少子化対策として「子育て」が、
2012年に使い道に加わった。
変更前:高齢者3経費(年金、老人医療、介護)
↓
変更後:全世代4経費(子育て、年金、医療、介護)
◆高齢者3経費 → 高齢者+子供4経費へ
*「社会保障3経費」は、いつから?
1999年度(H11年度)からの消費税は
予算総則で「社会保障3経費」に充当とされた。
「税の福祉目的化」であった。
対象は、高齢者だった。
*「社会保障4経費」で、全世代型へ
2012年に、上記の3つのジャンルに対して
「子育て」(少子化対策)が加わり、4つとなった。
対象が、高齢者+子供となり、全世代型へ。
--消費者 経済 総研--
◆子育て(少子化対策)は、具体的には?
子育て(少子化対策)のため
「子ども・子育て3法」が、8月10日に成立した。
この3つの法律は
「幼児教育・保育」「子ども・子育て支援」を、
総合的に推進することが、目的である。
具体的には、下記の通りだ。
*認定こども園、幼稚園、保育所への給付の共通化
*小規模保育等への給付の創設
*認定こども園制度の改善
*地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実
※認定こども園とは、
教育・保育を、一体で行う施設で、
幼稚園と保育所の両方の良さを、持っている施設。
基準を満たせば、都道府県等から「認定」される。
※「子ども・子育て3法」は、下記3つの法律だ。
① 子ども・子育て支援法
② 認定こども園法の一部改正
③ 子ども・子育て支援法及び認定こども園法の
一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に
関する法律
◆「法人税の減税」のために、消費増税?
2012年に、法人税が減税(30→25.5%)された。
実際は、「法人減税のために、消費増税」なのか?
政府の公式見解では、そうではない。
公的な消費増税の使途の方針は、
社会保障の強化改革だ。
※「消費増税は、法人減税の穴埋めのため」
との公式の見解・決定・文書は、見当たらない。
しかし、法人税の減税は、事実なので
「実体的にはそうだ」との見方もある。
※また、法人税の減税は、
海外企業の日本への誘致促進との見方もある。
法人税の減税は、諸外国の共通トレンドだ。
外国が法人減税をするので、世界競争への
対応として、日本も追従したとの見方だ。
- --消費者 経済 総研--
- ■ 2013年|増税分の使い道が具体化
- 5→10%増税分の使い道が、
2013年に、より明確になった
◆消費税の使い道「具体的な金額と政策」は?
5→10%の増税で、消費税の税収額は、どうなるか?
当時は、「約14兆円増える」とされた。
その増収額(約14兆円)の内訳は、下記のA+Bだ。
A:約 半 分 (6.8兆円)を、「社会保障」など
B:残約半分(7.3兆円)は、「国の借金対策」
なお、「国の借金対策」のことを、政府は
「将来への付け回しの軽減」の言葉を、使っている。
※A:左側の 6.8兆円の内訳は、次項を参照
--消費者 経済 総研--
◆A: 社会保障(6.8兆円) の内訳とは?
下図は、左:増税前部分、右:6.8兆円の内訳を表示
①3.2兆円:基礎年金1/2の財源
+
②2.8兆円:子供・子育て支援、医療・介護、年金
+
③0.8兆円:経費増への対応
上記3つの合計で、金額は、6.8兆円だ。
続いて、①②③の中身を、見ていく。
--消費者 経済 総研--
◆①「基礎年金1/2の財源」とは?
「基礎年金」とは、
「国民年金の保険料」を払った人が、貰える年金だ。
ちなみに、払う時は「国民年金」で、
もらう時は「基礎年金」と、名前が変わる。
会社員などが加入する「厚生年金」には、
給与等から天引されている保険料の中に、
「国民年金」の保険料が、含まれている。
「厚生年金」の加入者は、
「国民年金」に自動的に加入ということだ。
「基礎年金」の原資は、
「保険料の充当」+「国庫の負担」等だ。
「国庫」つまり税金が、投入されている。
基礎年金での「国庫の負担」の比率は、どうか?
以前は、1/3だったが、1/2に変更になった。
消費増税による税収の一部を、
この1/2の国庫負担に、充てることになった。
--消費者 経済 総研--
◆②子供、医療介護、年金(2.8兆)の内訳とは?
*医療・介護の充実で、1.5兆円
+
*子供・子育て支援の充実で、0.7兆円
+
*年金制度の改善で、0.6兆円
上記3つの合計で、2.8兆円である。
2.8兆円の内訳付きの14兆円は、下図
※下記出典から、消費者 経済 総研が、表を作成
※出典:14兆円と内訳|平成25年9月10日
内閣府|社会保障・税一体改革による社会保障の充実・安定化
- ■2014年|増税実施と次の増税延期
- ◆消費税の増税(5→8%)
消費税の増税(5→8%)が、4月1日に実施された。
--消費者 経済 総研--
◆増税で、景気悪化へ
増税により、消費や実質年収が、下落へ転じた
※「5→8%増税で景気悪化」とは?
下記の解説ページを参照
「消費税|減税の効果・メリット,増税の影響・デメリット」
--消費者 経済 総研--
◆消費税の増税(8→10%)を、延期へ
8→10%増税の時期を「15年10月→17年4月」へ
延期することを、安倍首相が、11月に表明した。
◆増税延期の理由は?
5→8%への増税後、8→10%増税をすべきか、
安倍首相は、ずっと考えていた。
8→10%増税で、景気が腰折れすれば
国民生活に、大きな負担となることを、懸念した。
2014年7-9月GDP速報での「個人消費」が悪く、
増税が、消費を押し下げる「大きな重石」と認識。
8→10%増税は、個人消費を、再び押し下げ、
デフレ脱却も危うくなると、判断し延期した。
※出典:平成26年11月18日|安倍内閣総理大臣記者会見
- ■2016年|増税を再延期、軽減税率
- ◆消費税の増税を、再び延期
8→10%増税の時期を「17年4月→19年10月」へ
再び延期することを、安倍首相が、6月に表明した。
--消費者 経済 総研--
◆増税を、再び延期した 理由は?
安倍首相は、世界経済は不透明感を増し、
中国等の新興国に陰りがあるとの認識を示した。
「悲観」は、していないが、
「リスク」に備えるべき、との考えを、述べた。
そこで内需の腰折れにつながる消費税増税は
再び延期すべきと、安倍首相は判断した。
※出典:平成28年6月1日|安倍内閣総理大臣記者会見
-- 消費者 経済 総研 --
◆軽減税率
あわせて、軽減税率の導入も、正式に表明された。
軽減税率は、8→10%増税時に、実施される。
軽減税率で、食品等の販売は、8%のままとなる。
「税率8%に据え置く」とは、政府は表現してない。
「10%の物を、2%軽減し、8%とする」との表現だ。
この政策に、配分される金額が、1.1兆円だ。
その軽減税率を、導入するための財源は、
将来実施のインボイス制度での増収等とされた。
インボイス実施で、消費税の資料保存等が向上し、
消費税の捕捉率が増加するなどで、増収見込みだ。
しかし、インボイス導入は、23年10月~で、
この時点では、当面先である。
軽減税率の開始時においては「借金対策」への配分
を減らすことで、軽減税率の財源となる事になる。
※軽減税率の対象とは?
右の解説ページを参照 「軽減税率 対象商品」
- ■2017年|使い道変更|新パッケージ
- ◆9月25日の会見で、使い道の変更の表明
2017年9月25日の記者会見で、安倍首相は、
消費税の使い道を、変更する意向表明をした。
※出典: 全国知事会|資料3
安倍内閣総理大臣記者会見(平成29年9月25日)の要旨
--消費者 経済 総研--
◆12月8日に、新・政策パッケージが閣議決定
※「新・政策パッケージ」は
「新しい経済政策パッケージ」の略である。
「新しい経済政策パッケージ」とは
全世代型の社会保障への転換の具体的な内容だ。
これは2017年12月8日に、閣議決定された。
その目玉の政策が、「人づくり革命」であった。
※出典:内閣府|新しい経済政策パッケージ
(平成29年12月8日閣議決定)
--消費者 経済 総研--
◆「人づくり革命」で、変更の内容・金額は?
全世代型・社会保障を「人づくり革命」と名付けた。
「借金対策」 → 「全世代型・社会保障」へと、
増税分のうち、約2兆円※の使い道を変更した。
※のちに、2兆円のうち、
1.7兆円を、消費税から使うとなった。
下記のように、1.7兆円を、
借金対策(上段) → 人づくり革命(下段)へ
※下記出典から、消費者 経済 総研が、表を作成
※出典:資料1 幼児教育の無償化について
--消費者 経済 総研--
◆人づくり革命の時期は?
8→10%増税での税収を、財源とするため、
実施時期は、その増税の時期である。
※実施時期は、2019年10月よりも
早く開始される施策や、遅く開始される施策もある。
--消費者 経済 総研--
◆人づくり革命(1.7兆円)の内訳は?
少子高齢化の対策で、年配も若者も、安心できる
全世代型の社会保障へ、改革するとした。
*人づくり革命とは、下記4件で構成される。
① 0.8兆円:幼児教育(幼保)の無償化
② 0.8兆円:高等教育の無償化
③ 0.1兆円:介護職員の処遇改善
④ 0.3兆円:保育の受け皿の前倒し整備
(約3.2万人分増加)
上記4件の合計で、2.0兆円だ。
合計2兆円なので、1.7兆円を、0.3兆円超える。
不足する0.3兆円は
「子ども・子育て拠出金」※の増額で、充当する。
※「子ども・子育て拠出金」 とは?
子育て支援等の資金を、
企業や個人事業主が、負担する拠出金だ。
この拠出金が、0.3兆円増額される。
「子ども・子育て拠出金」は、企業等が、
健康保険・厚生年金保険料とあわせて、納付する。
しかし労使折半※ではなく事業主側の全額負担だ。
※「労使折半」とは、
健康保険や厚生年金の保険料の負担割合を、
労働者が5割 + 使用者(事業主側)が5割 と、
労使で折半で、負担すること。
子育て等支援の財源は、消費税の増税の他、
社会全体で、支援・負担すべきと、政府は考えている。
その観点で、企業等も負担すると、なっている。
0.3兆円の増額分は、保育の運営費等に充当する。
以上からのことから、「人づくり革命」への金額は、
「④0.3兆:保育整備」を除き3件計1.7兆円とした。
3件とは①幼保無償+②高等教育無償+③介護改善
※下記出典から、消費者 経済 総研が、表を作成
※出典:1.7兆円内訳|19-0406 見える化通信Vol.95
--消費者 経済 総研--
◆「5%増税分」の使い道の最終形は?
下図は、今までの解説を
整理した5%増税分(5→10%)の内訳である。
--消費者 経済 総研--
◆「世代別」に分類の「10%全体」の最終形は?
社会保障は、子供・若者向けと、高齢者向けがある。
世代別に整理し直した下図が10%全体の最終形。
※上の円グラフの計算内容
この計算での金額は
当初の5→10%部分14.1兆円を、基礎にした。
よって0→5%部分も、同額との前提に立っている。
また基礎年金3.2兆円の位置づけは、
・20~60歳の保険料の支払負担の軽減、
・高齢者の基礎年金受領の向上と、
双方の見方ができるが、ここでは後者で分類した。
*金額:5→10%部分:14.1兆円
・社会保障・高齢者5.4兆円
=基礎年金3.2兆円+医療介護1.5兆円
+年金改善0.6+介護改善0.1兆円
・社会保障・子供若者2.3兆円
=子供子育て0.7兆円+幼保無償0.8兆円
+高等無償0.8兆円
・借金対策4.5兆円
・経費等1.9兆円
=軽減税率1.1兆円+経費増0.8兆円
*割合(5→10%部分14.1兆円での割合)
・社会保障・高齢者:5.4兆円÷14.1兆円=38%
・社会保障・子供若者:2.3兆円÷14.1兆円=16%
・借金対策:4.5兆円÷14.1兆円=32%
・経費等:1.9兆円÷14.1兆円=13%
*割合(全体)
前項%の1/2で、消費税10%分全体に対する割合へ
・社会保障・高齢者:38%÷2→19%→1.9割
・社会保障・子供若者:16%÷2→8%→0.8割
・借金対策:32%÷2→16%→1.6割
・経費等:13%÷2→7%→0.7割
- ■ 2019年|10%へ増税と救済策
- 2019年10月に、消費税が8→10%へ、増税された。
今までは、5→10%増税での使い道を見てきた。
これからは、8→10%増税での、景気への悪影響を
回避するための「臨時的な救済策」の使い道だ。
--消費者 経済 総研--
◆8→10%増税での、税収の増加額は?
8→10%への増税は、2019年10月1日からである。
増税後の期間は、2019年度では、6ヶ月間だ。
8→10%での増税額は、1年間分では、5.7兆円だ。
ここでは、1年(12か月)ベースで、見ていく。
--消費者 経済 総研--
◆8→10%増税での使い道は?
5%(5→10%)部分のうち、
2%(8→10%)部分では、下記になる。
① 1.1兆円:社会保障の充実
+
② 1.7兆円:人づくり革命
+
③ 1.1兆円:軽減税率
+
④ 1.8兆円:借金対策
上記4件の合計で、5.7兆円である。
※出典:5.7兆円:消費税率引上げに伴う対応
※出典:内訳項目:幼児教育の無償化について(4P)
- --消費者 経済 総研--
◆①社会保障の充実(1.1兆円)
社会保障の充実は、高齢者向けの下記2件である。
*低所得高齢者の介護保険料を軽減(完全実施)※
*低所得の高齢者の暮らしを支援
(「上乗せ年金」※を、年6万円等を支給)
上記2件の合計で、1.1兆円だ。
※「完全実施」とは、
介護保険料の軽減者は、住民税の非課税世帯だが、
従来は、その「一部の人に実施」に留まってていた。
これを、住民税非課税の世帯の
「全体」を対象に、「完全実施」することだ。
※「上乗せ年金」とは、
下記の解説ページを参照
「年金生活者支援給付金|消費者経済総研」
--消費者 経済 総研--
◆②人づくり革命(1.7兆円) とは?
人づくり革命は、
2017年の新・政策パッケージで登場した。
内容は、上の2017年項目の解説を参照頂きたい。
◆③軽減税率(1.1兆円) とは?
軽減税率は、2016年に導入表明された。
内容は、2016年項目の解説を、参照頂きたい。
--消費者 経済 総研--
◆④将来への付け回し軽減 とは?
「将来の付け回し軽減」を本頁は「借金対策」とした。
なお「借金の返済」では、正確な言い方ではない。
財政赤字の拡大を防ぐ※という意味であり
「付け回しの軽減」と、政府は表現している。
※「国債の増発抑制」などへ、つなげる。
--消費者 経済 総研--
◆政策の優先順位は?
~借金対策は、一番 後回し?~
「基礎年金の国庫1/2負担」への配分を
政府は、優先する姿勢だと見える。
「人づくり革命」(1.7兆円)も、
政府の目玉政策なので、優先されるだろう。
「社会保障の充実」(1.1兆円)も、重視するとなると
「借金対策(付け回し軽減)」は、後順位であろう。
*人づくり革命 (1.7兆円)
+
*社会保障の充実(1.1兆円)
+
*軽減税率(1.1兆円)
以上3件の合計で、3.9兆円だった。
8→10%の増収額の5.7兆円から、
この3.9兆円を、引いた残りは、1.8兆円となる。
この設定の計算では、残った1.8兆円を、
「借金対策」に、配分するとなる。
借金対策(付け回しの軽減)への金額は、
使い道の変更のたびに、減額変更となった。
つまり、消費税の使い道の中では、
「借金対策」は、優先度が低いのだ。
--消費者 経済 総研--
◆財政の黒字化を、あきらめた?
借金対策の優先度が低い → 財政赤字は放置?
政府は「財政黒字化を、あきらめた」とはしてない。
「新・政策パッケージ」でも下記の通り述べている。
「プライマリーバランスの黒字化は困難となるが
財政健全化の旗は、決して降ろさない」
「不断の歳入・歳出改革努力を徹底し、
プライマリー・バランスの黒字化を目指す
という目標自体は、しっかり堅持する」
※プライマリー・バランスとは
「基礎的財政収支」とも言う。
単年度の「国の収入」※から、
「国の支出」※を引いた「収支」の事だ。
会社であれば「利益」である。
プライマリー・バランスが赤字(マイナス)ならば、
新たに借金(国債発行等)を、することになる。
※国の収入:税収(その他に税外収入もある)
※国の支出:ここでは、国債費を除く
(国債費:国債の元本返済や、利子の支払い費)
「借金大国の日本で、借金増加はNGだ!」
と言う人がいる。
しかし「日本は借金大国ではない」と証明された。
この点は、下記↓ページを参照。
「日本は借金大国では無い理由とは?」
--消費者 経済 総研--
◆8→10%増税分の内訳とは?
8→10%増税分の内訳は、
ここで設定した前提条件では、下記の様になる。
*1.1兆円:社会保障の充実(高齢者)
+
*1.7兆円:人づくり革命
+
*1.1兆円:軽減税率
+
*1.8兆円:付け回し軽減(借金対策)
上記4件の合計で、5.7兆円だ。
- --消費者 経済 総研--
◆消費の平準化の救済策 とは?
「増税前の駆け込み消費」
↓
「増税後の消費の落ち込み」
というアップ・ダウンを、避ける必要がある。
そこで政府は、消費の平準化策を定めた。
消費者への、臨時・特別の、様々な救済政策がある。
--消費者 経済 総研--
◆ジャンル別の救済策 とは?
臨時の救済策を、ジャンル別で見ていく。
「買い物」「住宅」「車」「強靭化」 と、
4つのジャンルだ。
臨時の平準化策(約2.3兆円)の金額の内訳は、
下記の通りだ。
「買い物の支援:0.4兆円」
+
「住宅購入等の支援:0.3 兆円」
+
「車購入の支援:0.2 兆円 」
+
「防災・減災・ 国土強靭化:1.4 兆円」
--消費者 経済 総研--
◆消費者向けの支援は?
前項の「防災・減災・国土強靭化」は金額は大きい。
しかし、消費者を直接支援する内容ではない。
消費者向け支援の下記3件の内容を、見ていく。
① 買い物支援
② 住宅購入等の支援
③ 車購入支援
◆① 買い物の支援とは?
下記の合計で、約0.4兆円だ。
*2,800億円:キャッシュレス・ポイント還元
*1,700億円:25%プレミア商品券
◆② 住宅購入等の支援とは?
下記の合計で、約0.3兆円だ。
*1,300億円:次世代住宅ポイント制度
*1,100億円:住宅ローン減税の拡充
* 800億円:すまい給付金
◆③ クルマ購入の支援とは?
下記の税制の軽減・減税の合計で、約0.2兆円だ。
*1300億円:自動車税・種別割
* 500 億円:自動車税・環境性能割
※買い物・住宅・クルマの支援策の詳細は、
下記リンク先の目次ページから、
該当テーマを、ご覧頂きたい。
「消費税<消費者 編>~増税後は、お得に?」
--消費者 経済 総研--
◆臨時の平準化策(救済策)を整理すると?
下図の通り、臨時の「平準化策」合計は、約2.3兆円
消費・救済策(買い物+住宅+車)の合計は0.9兆円
--消費者 経済 総研--
◆「臨時」の政策ではなく、「恒常」の政策は?
上記の「臨時」の政策以外に、既述の通り、
下記の「恒常的」な政策が、合計で3.9兆円ある。
*社会保障の充実(高齢者)
*人づくり革命
*軽減税率
上の3件は、一時的なものではなく、継続政策だ。
恒常+臨時の合計は6.2兆円だ。
--消費者 経済 総研--
◆増税額を上回る予算投入?
「恒常策+臨時策」の合計は、6.2兆円(上図参照)
一方、増税額は、5.7兆円だった。
増税額5.7兆円より、対策額6.2兆円の方が大きい。
「8→10%増税による影響を、
十二分に乗り越える準備をした」と政府は述べた。
※出典:資料2消費税率引上げに伴う対応(茂木議員提出資料)
--消費者 経済 総研--
◆各種救済策の具体的な内容とは?
キャッシュレス・ポイント還元、
25%プレミア商品券、
次世代住宅ポイント制度
すまい給付金 ・・・などなど、
この項で登場した、これらの救済策の詳細は、
過去号で、消費者経済総研は、連載してきた。
※下記の目次ページから該当テーマをご覧頂きたい
「消費税・特集~増税後は、どう、お得になった? ~」
--消費者 経済 総研--
◆救済策は、いつまで?
臨時対策の各種救済策は、やがて終了する。
終了時期は政策ごとで、ばらつきがある。
詳しくは「救済政策の期限編」をご覧頂きたい。
- --消費者 経済 総研--
- ■リンク集・関連テーマは?
- 下記のページで、詳しく解説している。
- ◆消費税では、誰が、損するのか?
- 「そもそもとして、消費税で、誰が、損をする?」
これは誤解してる人が、意外に多い。
「消費税で、損するのは誰?」 - ◆増税のたびに、景気悪化?
- 増税で景気悪化した様々な現象の詳細は?
「消費税|減税の効果・メリット,増税の影響・デメリット」
- ◆日本は借金大国では無い。その理由とは?
- 「借金大国の日本で、借金増加はNGだ!」
と言う人がいる。
しかし「日本は借金大国ではない」と証明された。
「日本は借金大国では無い理由とは?」
- ◆軽減税率(8%)の対象とは?
- 食べ物は、何が8%で、何が10%?
「軽減税率 対象商品」 - ◆臨時の救済策は、いつまで?
- 終了時期は政策ごとで、ばらつきがある。
「増税の救済策の期限」 - ◆消費税の8→10%増税での救済策 とは?
- 本ページで登場した、増税の救済策は、
過去号で、消費者経済総研は、連載してきた。
※目次ページから、該当テーマをご覧頂きたい
「消費税<消費者 編>~増税後は、お得になった?」 - ◆上乗せ年金(年金生活者支援給付金)とは?
- 「年金生活者支援給付金|消費者経済総研」
■番組出演・執筆・講演等のご依頼は、 お電話・メールにてご連絡下さい。 ■ご注意 「○○の可能性が考えられる。」というフレーズが続くと、 読みづらくなるので、 「○○になる。」と簡略化もしています。 断定ではなく可能性の示唆である事を念頭に置いて下さい。 このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、 自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、 対応して下さい。また「免責事項 」をお読みください。 ■引用 真っ暗なトンネルの中から出ようとするとき、 出口が見えないと大変不安です。 しかし「出口は1km先」などの情報があれば、 真っ暗なトンネルの中でも、希望の気持ちを持てます。 また、コロナ禍では、マイナスの情報が飛び交い、 過度に悲観してしまう人もいます。 不安で苦しんでいる人に、出口(アフターコロナ)という プラス情報も発信することで、 人々の笑顔に貢献したく思います。 つきましては、皆さまに、本ページの引用や、 URLの紹介などで、広めて頂くことを、歓迎いたします。 引用・転載の注意・条件をご覧下さい。 |
- 【著作者 プロフィール】
- ■松田 優幸 経歴
(消費者経済|チーフ・コンサルタント)
◆1986年 私立 武蔵高校 卒業
◆1991年 慶応大学 経済学部 卒業
*経済学部4年間で、下記を専攻
・マクロ経済学(GDP、失業率、物価、投資、貿易等)
・ミクロ経済学(家計、消費者、企業、生産者、市場)
・労働経済
*経済学科 高山研究室の2年間 にて、
・貿易経済学・環境経済学を研究
◆慶応大学を卒業後、東急不動産(株)、
東急(株)、(株)リテール エステートで勤務
*1991年、東急不動産に新卒入社し、
途中、親会社の東急(株)に、逆出向※
※親会社とは、広義・慣用句での親会社
*2005年、消費・商業・経済のコンサルティング
会社のリテールエステートに移籍
*東急グループでは、
消費経済の最前線である店舗・商業施設等を担当。
各種施設の企画開発・運営、店舗指導、接客等で、
消費の現場の最前線に立つ
*リテールエステートでは、
全国の消費経済の現場を調査・分析。
その数は、受託調査+自主調査で多岐にわたる。
商業コンサルとして、店舗企業・約5000社を、
リサーチ・分析したデータベースも構築
◆25年間の間「個人投資家」としても、活動中
株式の投資家として、
マクロ経済(金利、GDP、物価、貿易、為替)の分析や
ミクロ経済(企業動向、決算、市場)の分析にも、
注力している。
◆近年は、
消費・経済・商業・店舗・ヒットトレンド等で、
番組出演、執筆・寄稿、セミナー・講演で活動
◆現 在は、
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼、(株)リテール エステート リテール事業部長
◆資格は、
ファイナンシャル・プランナーほか
■当総研について
◆研究所概要
*名 称 : 消費者経済総研
*所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者 : 松田優子
*U R L : https://retail-e.com/souken.html
*事業内容: 消費・商業・経済の、
調査・分析・予測のシンクタンク
◆会社概要
「消費者経済総研」は、
株式会社リテールエステート内の研究部署です。
従来の「(株)リテールエステート リテール事業部
消費者経済研究室」を分離・改称し設立
*会社名:株式会社リテールエステート
*所在地:東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者:松田優子
*設立 :2000 年(平成12年)
*事業内容:商業・消費・経済のコンサルティング
■松田優幸が登壇のセミナーの様子
- ご案内・ご注意事項
- *消費者経済総研のサイト内の
情報の無断転載は禁止です。
*NET上へ「引用掲載」する場合は、
①出典明記
②当総研サイトの「該当ページに、リンク」を貼る。
上記の①②の2つを同時に満たす場合は、
事前許可も事後連絡も不要で、引用できます。
①②を同時に満たせば、引用する
文字数・情報量の制限は、特にありません。
(もっと言いますと、
①②を同時に満したうえで、拡散は歓迎です)
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- 松田優幸の経歴のページは「概要・経歴」をご覧下さい。