2023マンション価格予想・市場動向見通し 全国,中古,賃貸編|消費者経済総研|2023年5月21日

【連載シリーズ|2023年度 経済予測】

2023マンション価格予想・市場動向の見通し
続編・Vol.2 (全国,中古,賃貸 編)

新築・中古の価格差等の比較は?
賃貸の方が、メリットあり、お得か?

首都圏の新築ではなく、全国の新築は、どうか?

2023年度の価格は、値下がり? 値上がり?
東京,首都圏,全国のマンション買い時は、いつ?

過去の推移・各種データから、価格と市況を予測

-日本で 2番目に わかりやすい 解説-
-消費と経済の 「 消費者 経済 総研 」-


2023年5月21日公開
datePublished": "2023-05-21
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 消費者 経済 総研 チーフ・コンサルタント 松田優幸

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引用

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今回号・Vol.2 は?
前回号は、下記の2023予測と、過去の推移だった。
「 首都圏の 新築の 分譲マンション 」

今回号は、下記のジャンルのマンションを扱う。

・中古マンション (首都圏)
・新築マンション (全 国)
・賃貸マンション (東京23区)

また、タワーマンションについても、触れておく。




首都圏の人気マンション とは?
-- 消費者 経済 総研 --

◆2000年頃から、タワマンが人気?

近年は、タワマン(タワー・マンション)が、人気だ。

室内からの眺望も良い。 日当たりもよい。
外観でも、存在感があり、ステータス性もある。

階数が多いタワマンは、大型物件である。
大型物件であれば、共用施設も充実する。

こうして、タワマンには、「需要」が強い。
では、「供給」側の事情は、どうか?

タワマンの「供給」が、増加した理由は、何か?
1997年の建築基準法の改正による規制緩和だ。


-- 消費者 経済 総研 --

◆湾岸ブーム とは?

21世紀になってから、タワマンのブームが起きた。
同じころ、ベイエリア(湾岸)ブームも、起きた。

東京湾岸は、レインボーブリッジ等で景色もよい。

東京湾岸での 「供給増加の理由」 は、何か?
「1997年の 消費税の増税 」 からの景気悪化だ。

※下記出典から消費者経済総研がグラフを作成
※出典:内閣府|国内総生産(名目 暦年)

日本人の給料が、下落に転じたも、1997年以降だ。
つまり「失われた20年」が、1997年から始まった。

消費税ショックの詳細は、下記ページを参照。
消費税|減税のメリット,増税のデメリット

-- 消費者 経済 総研 --

◆景気悪化で、リストラ売却?

さて湾岸エリアには、多くの倉庫や工場があった。
企業が、それらの土地を、リストラで売却した。

こうして21世紀は、湾岸にタワマンが増えた。




中古マンションは?
-- 消費者 経済 総研 --

◆中古のマンション価格は?

前回号では、「新築」のマンションを、解説した。
「新築」ではなく、「中古」では、どうか?

なお、中古については、
エリアは、首都圏を対象とする。

ここで、問題

「中古マンション」を、買う人は、
 減った? 増えた?

 ↓

「中古マンション」を、買う人は、増え続けている。
下図の通り、中古の成約件数は、増加を続けた。

※下記出典から消費者経済総研がグラフを作成
 (本ページの中古マンションのグラフは、以下同じ)
※出典:公益財団法人東日本不動産流通機構
   |首都圏不動産流通市場の動向


ここで、問題

中古を買う人が、増えた理由は、何か?

 ↓

理由は、「新築の供給減少」と、「新築の割高感」だ。


ここで、問題

「中古」を買う人と、 「新築」を買う人
どちらが、多いか ?

 ↓

2016年からは、新築より、中古の方が多い

 ※下記出典から、消費者経済総研が、グラフを作成
  (本ページの新築マンションのグラフは、以下同じ)
 ※新築製薬戸数 出典:マンション・建売市場動向|不動産経済研究所


ここで、問題

中古の価格は、どう推移したか?

 ↓

新築では、選択肢が減った。 価格も高くなった。
その分、関心は「中古マンション」へ向った。

そして中古の価格も、下図の通り、上昇した。


2012年は、2500万で → 2022年は、4276万だ。
この10年間で、1.5 倍超も、値上がりした。


ここで、問題

「新築」マンション価格と、「株価」は、
相関性が、とても高いと、前回号で解説した。

中古」の方は、株価と、相関は低いか?

 ↓

中古マンションも、株価との相関性は、大変高い。



ここで、問題

首都圏・中古マンションの価格は、
2023年は、どのくらい上がるか?

 ↓

2023年は、4563万円になると、
消費者 経済 総研は、予測した。


22年は、4276万で、 → 23年は、4563万と、
287万円 UP (6.7%UP) だと、予測した。

▼予測の根拠は?

2009~2022年での、
首都圏中古マンションは、下記①②と相関が高い。

 ① 日経平均株価 (相関係数:0.96)
 ② 首都圏新築マンション(相関係数:0.94)

ただし、新築マンション市場は、
2017年までと、2018年以降で、性格が異なる。

そこで、2018年以降で、重回帰モデル式を立てた。
(前回号の新築価格の予測でも、同様である)

①②を説明変数とする重回帰分析をし、
下記の式で、算出した。

中古マンション上昇額 (287万円) =
 「①の1月末差額(23年-22年 差額)」× X値 1
  +
 「②の差額(23年予測-22年実績 差額)」× X値 2

  係数:X 値 1:0.011853794
  係数:X 値 2:1.806172072

-- 消費者 経済 総研 --

◆中古と新築の比較は? (首都圏)


新築:22年 6288万 → 23年 6445万
    (157万円UP 2.5%UP)

中古:22年 4276万 → 23年 4563万
    (287万円UP 6.7%UP)

▼新築よりも、中古の方が、上昇?

2015年は、中古は、新築の約半分の価格だった。
つまり、中古には、割安感が、あった。

近年では、どうか? 下図は、「中古÷新築」の値


2015年は、52%→2023年予測は、71%と、
中古の割安感は、減る傾向にある。




全国編では?
◆全国のマンション価格は?

前項までは、「 首都圏編 」だった。

ここからは、
「 全国編 」 の新築マンションを、見ていく。

-- 消費者 経済 総研 --

◆2023年の価格予測の全国編では?

全国:
22年は、5121万 → 23年予測は、5250万
UP額は、129万 UP率は、2.5%

首都圏:
22年は、6288万 → 23年予測は、6445万
UP額は、157万 UP率は、2.5%


※説明変数は、
日経平均株価、工事金デフレーター、公示地価(全国住宅)とし、
消費者 経済 総研が、多変量解析を行い、予測の値を算出した。


▼比率は?

「全国」と「首都圏」の比率は、あまり変化がない。
全国÷首都圏の比率は、81~82%だ。





「賃貸」マンションは?
-- 消費者 経済 総研 --

◆「賃貸」のマンションは?

前項までは、新築にせよ、中古にせよ、所有だった。
賃貸マンションでは、どうか?

-- 消費者 経済 総研 --

◆所有は苦労あり。賃貸はラク?

日本では、「賃貸マンションは、一時的な仮住まい」
という意識が、残っていた。

だが、 物欲や所有欲は、低下するトレンドにある。
クルマでも「所有から利用」へ、変化している。

所有では、所有責任、維持保全の責任がある。
不要になった時の手続きは、かなりの手間だ。

実は、「所有」することは、「苦労」が多いのだ。
実際に近年は、賃貸ニーズは、高まる傾向がある。

-- 消費者 経済 総研 --

◆所有価格より、賃貸価格の方が、お得?

新築も中古も、マンション売買価格は、高騰した。

一方、賃貸マンションでは、どうか?
賃料は、そこまで、高騰する性格のものではない。

所有マンションが過熱し、割高なときは、
賃貸マンションも、選択肢に入ってくる。

-- 消費者 経済 総研 --

◆賃料と、新築分譲・中古の違いは?

賃料価格の上昇率は、114(東京23区)
売買価格の上昇率は、139~159だ。

賃料は、売買価格ほど、上昇しない。


※出典:マンション賃料インデックス|バックナンバー|アットホーム

▼東京23区のマンション賃料は、

 2009年を、100 とした場合、
 2022年は、114 (上図参照)

▼マンション売買価格は、

 2009年を100とした場合は、2022年は、

 首都圏の 中古は、 172
 東京23区 新築は、 159
 首都圏の 新築 は、 139



賃料は、114で、売買の価格ほど、上昇しない。

賃借権(賃貸での住む権利)は、原則、譲渡不可だ。
一方、所有権は、転売・譲渡できる。

所有権なら、転売利益(キャピタルゲイン)を狙える。

よって、所有権は、投資の対象になるが、
賃貸での賃借権は、投資の対象にならない。

所有権は、「住む実需」+「投資需要」
賃借権は、「住む実需」のみ

前者の方が、値上がりしやすいのだ。

※マンションの「賃借と所有では、どっちが得か?」は、
 よく話題に上がるテーマだ。

 どちらが得かは、物件ごとに、様々な要素・項目を
 反映させた総合的なシミュレーションを実施しないと、
 予測の精度は低いことに、要注意である。




連載シリーズ|2023 経済予測
◆2023年度 経済予測 他のテーマは?

 -為替・円安、給料、物価 は?-

経済の専門家・評論家で、
ファイナンシャル・プランナーの
「消費者 経済 総研」 の 松田 優幸 が、
2023の経済予測を、様々な切り口で、予測・解説。

その他のの2023予測は、
下記ページから、ご覧頂きたい。

2023年度 日本の景気・経済の見通し展望TOP|




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引用
真っ暗なトンネルの中から出ようとするとき、
出口が見えないと大変不安です。

しかし「出口は1km先」などの情報があれば、
真っ暗なトンネルの中でも、希望の気持ちを持てます。

また、コロナ禍では、マイナスの情報が飛び交い、
過度に悲観してしまう人もいます。

不安で苦しんでいる人に、出口(アフターコロナ)という
プラス情報も発信することで、
人々の笑顔に貢献したく思います。

つきましては、皆さまに、本ページの引用や、
URLの紹介などで、広めて頂くことを、歓迎いたします。
引用・転載の注意・条件をご覧下さい。
【著作者 プロフィール】
■松田 優幸 経歴
 (消費者経済|チーフ・コンサルタント)

◆1986年 私立 武蔵高校 卒業

◆1991年 慶応大学 経済学部 卒業

*経済学部4年間で、下記を専攻
・マクロ経済学(GDP、失業率、物価、投資、貿易等)
・ミクロ経済学(家計、消費者、企業、生産者、市場)
・労働経済
  
*経済学科 高山研究室の2年間 にて、
・貿易経済学・環境経済学を研究

◆慶応大学を卒業後、東急不動産(株)、
 東急(株)、(株)リテール エステートで勤務

*1991年、東急不動産に新卒入社し、
途中、親会社の東急(株)に、逆出向※

​※親会社とは、広義・慣用句での親会社 

*2005年、消費・商業・経済のコンサルティング
 会社のリテールエステートに移籍

*東急グループでは、
消費経済の最前線である店舗・商業施設等を担当。

各種施設の企画開発・運営、店舗指導、接客等で、
消費の現場の最前線に立つ

*リテールエステートでは、
全国の消費経済の現場を調査・分析。
その数は、受託調査+自主調査で多岐にわたる。

商業コンサルとして、店舗企業・約5000社を、
リサーチ・分析したデータベースも構築

◆26年間の間「個人投資家」としても、活動中

株式の投資家として、
マクロ経済(金利、GDP、物価、貿易、為替)の分析や
ミクロ経済(企業動向、決算、市場)の分析にも、
注力している。

◆近年は、
消費・経済・商業・店舗・ヒットトレンド等で、
番組出演、執筆・寄稿、セミナー・講演で活動

◆現 在は、
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼、(株)リテール エステート リテール事業部長

◆資格は、
 ファイナンシャル・プランナーほか


■当総研について

◆研究所概要
*名 称 : 消費者経済総研
*所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者 : 松田優子
*U R L : https://retail-e.com/souken.html
*事業内容: 消費・商業・経済の、
 調査・分析・予測のシンクタンク

◆会社概要
「消費者経済総研」は、
株式会社リテールエステート内の研究部署です。

従来の「(株)リテールエステート リテール事業部
消費者経済研究室」を分離・改称し設立

*会社名:株式会社リテールエステート
*所在地:東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者:松田優子
*設立 :2000 年(平成12年)
*事業内容:商業・消費・経済のコンサルティング

■松田優幸が登壇のセミナーの様子

ご案内・ご注意事項 
*消費者経済総研のサイト内の
 情報の無断転載は禁止です。

*NET上へ「引用掲載」する場合は、
 出典明記
 当総研サイトの「該当ページに、リンク」を貼る。

 上記の①②の2つを同時に満たす場合は、
 事前許可も事後連絡も不要で、引用できます。
 
 ①②を同時に満たせば、引用する
 文字数・情報量の制限は、特にありません。

 (もっと言いますと、
 ①②を同時に満したうえで、拡散は歓迎です)

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 取材対応での情報提供となりますので、
 ご連絡下さい。

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電 話: 03-3462-7997 
(離席中が続く場合は、メール活用願います) 
         
チーフ・コンサルタント 松田優幸   
松田優幸の経歴のページは「概要・経歴」をご覧下さい。