「抗体検査」がコロナ解決の鍵|PCR検査より重要?|消費者経済総研|2020年4月1日

抗体検査で、抗体証明書の発行を

◆抗体保有者は、免疫力があり、自由にしてよい。
仕事・旅行・遊びもok。

◆PCR検査の他、抗体検査も重要です。
抗体検査で、体内に抗体があるかを、調べます。

◆コロナウイルスが体内に入ると、
それに関する抗体ができ、免疫力を獲得します。



< ウイルス対策は「最大の経済対策」でもある >

新型肺炎から、 人々を守るため、コロナ・ウイルスの対策は、重要なテーマです。
同時に、経済を守るため、ウイルス対策は、同じく重要です。

「ウイルスの制御や制圧」に成功すれば、激しく落ち込んだ景気は「V字回復」でしょう。
つまり「ウイルス対策」は、「最高の経済対策」でもあるのです。

消費と経済の消費者経済総研では「経済対策」は、主たるテーマの一つです。
コロナ問題を、公衆衛生の問題としてだけではなく、経済問題として連載しています。


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初稿:2020年4月1日 : 本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていく場合があります。

ご注意
このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、
対応して下さい。また「免責事項」をお読みください
はじめに

新型コロナウイルスに、罹患された患者さま、
被害に遭われた皆さま、影響を受けられた皆さま、
またその関係者の皆さまに、心より、お見舞い申し上げます。

また、流行の早期の収束を祈るのと同時に、皆様方と一緒に、
感染症の予防として、マスクの着用に、努めたく存じます。

そして、 手洗いや、咳エチケット等の実施に、努めたく思います。
皆さま方もご一緒に、ご理解・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
抗体検査で「抗体証明書」の発行を  

マスク着用、手洗い励行、咳エチケットを、みなさんで

「抗体検査」を急げ! ~ PCR検査から 抗体検査へ ~

~「抗体の保有者」は、自粛も不要。 抗体保有者ならば、自由に活動してよい。
  仕事・旅行・遊びも、ok。 「抗体検査」で「抗体証明書」の発行を~

PCR検査も重要ですが、これからは、「抗体検査」が重要です。
抗体検査では、その人が、「抗体」を持っているかどうかを調べます。

ウイルスが体内に入ると、そのウイルスに関する「抗体」ができます。
抗体があるということは、そのウイルスに対する「免疫力」があるということです。

抗体の保有者は、免疫があるので、自粛の必要はありません。自由に街に出てよいのです。
普通に働けますし、従来の業務活動に戻れます。旅行も、カラオケも、イベントもOKです。

コロナに感染し、無症状や軽症で治癒し「抗体」を、既に獲得した人もいるでしょう。
免疫力を獲得済みにも関わらず、コロナにおびえ、自粛を継続し、収入も減らすのは残念です。

抗体検査をやらないと、人々は、不安に、おびえるだけです。

抗体検査は、血液採取の簡単な検査です。費用は1人当たり2万円前後くらいと聞きます。
コストもさほど高くなく、15分程度と早く結果が判明し、時間的にもメリットがあります。


「抗体」と「免疫」とは?
*新型コロナウイルス感染症は、「COVID-19」が病名で、「SARS-CoV-2」がウイルスの名前です

*「抗体」とは、体内に侵入したウイルス等の外敵を、攻撃する、たんぱく質の物質です。

 1つの抗体は、1つの外敵にしか、対応しません。
 よって、「SARS-CoV-2」に関係の無い抗体は、「SARS-CoV-2」に対応できません。

 SARS-CoV-2が体内に内に入ると、その人にはSARS-CoV-2に、対応する抗体ができます。

*「免疫」とは、体内に侵入した外敵と戦う「しくみ」のことです。
*「免疫力」とは、体内に侵入した外敵と、戦う「能力」のことです。


イギリスは、抗体検査を開始予定。 ドイツも開始か?
イギリスは、すでに、数百万人を対象として、個々の家庭に、検査キットを渡す予定です。

ドイツは、今後、数週間での数十万件の抗体検査の実施が、提唱されています。
抗体検査で免疫保有が判明した人には、行動の自粛・制限がない「免疫証明書」を発行です。

経済対策の予算の中から、抗体検査の費用へ
リーマン・ショックの時の日本での経済対策の規模は、真水で32兆円でした。
コロナ・ショックでの経済対策は、事業規模117兆円・真水29兆円弱程度です。

 (令和2年4月20日閣議決定分を追記)

アメリカのコロナ・ショックでの経済対策の規模は、GDPの1割程度にもなります。

日本のGDPの約1割なら、ざっくり、約50兆円です。
20兆円、30兆円にせよ、50兆円にせよ、一部を「抗体検査」に予算投入すべきです。

日本で全員が、抗体検査をした場合、次の計算ならば、検査費用の総額は、2.4兆円です。
 1.2億人 × 2万円/人 = 2.4兆円


全員が抗体検査できなくても、数百万人の規模でもよい。 
イギリスでは、まずは、人口の0.5割程度の実施率で、抗体検査が、予定されています。
日本でも、国民全員は無理で、一部の実施だとしても、蓄積データから、傾向分析ができます。

抗体検査で、地域ごとの傾向や事情が、わかります。よって、地域ごとの政策の判断ができます。

例えば、「地域Aは、休校継続」で、「地域Bは、開校」という判断につながります。
「地域Cは、在宅勤務」で、「地域Dは、通常出勤」してよい等の判断材料にもなります。

「抗体保有者」には、「抗体証明書」を発行し、自由に活動すればよいのです。
「抗体検査」を急げ!が、今回のテーマです。

 *本ページの関連テーマの下記↓ページもご覧下さい。
 「コロナ感染数・急増|その理由は?|検査数が急増したから|相関係数0.87

「igM 抗体」、「IgG 抗体」とは
ウイルス抗体の検査では、「igM 抗体」の値と「IgG 抗体」の値も、わかります。

 IgM 抗体:早期に高い値になるが、短期間で消失
 IgG 抗体:IgMに遅れて増加し、長期間持続

IgG抗体が、検出されれば、ウイルスに対する、長期の免疫力があるとわかります。
なお、IgM抗体では、早期の感染の有無の判定に使える可能性もあります。


抗体検査の有効性は? 感染したのに、抗体ゼロの人が、いる?
SARS-CoV-2感染175人を対象にした抗体の強弱に関する下記の中国の研究結果があります。

 ~「SARS-CoV-2感染者が、有する抗体の強さには、年齢差や個人差がある。
  若者よりも、中高年の方が、抗体の値が高い。

  5.7%(10人/175人)の人は、抗体が無くなった(正確には、検出限界値未満になった)。
  逆に、1.14%(2人/175人)の患者は、他の患者よりも、高い抗体の値を示した。」~

この論文からは、感染の経験者でも、抗体の存在が不明、となるケースも考えられます。
つまり「感染したから、抗体あるので、もう大丈夫」とは言えない場合がありうるという事です。

今後の、中国はじめ世界各国でのデータ蓄積や研究の進展に、注目したいところです。


※「COVID-19」が病名で、「SARS-CoV-2」がウイルス名。

※抜粋原文と、和訳(省略箇所あり)

In this study, plasma obtained from 175 convalescent patients with laboratory-confirmed mild COVID-19 was screened
この研究では、研究所で確認された軽度のCOVID-19の回復期の患者175人から得られた血漿を(中略)(抗体について)スクリーニングした

Both neutralizing and binding Ab titers varied across patient subsets of all ages, but were significantly higher in middle-aged (40-59 yrs) and elderly (60-85) vs. younger patients (15-39 yrs).
中和抗体価と結合抗体価の両方が、年齢帯によって異なったが、
中年(40-59歳)と高齢(60-85)が、若い患者(15-39歳)に対して、有意に高かった。

However, plasma nAb titers were found to be below detection level in 5.7% (10/175) of patients, i.e. a small number of patients recovered without developing a robust nAb response.
Conversely, 1.14% (2/175) of patients had substantially higher titers than the rest.
しかし、血漿nAb力価は、5.7%(10/175)の患者で、検出レベルを下回っています。
つまり、少数の患者が、強いnAb応答を示さずに、回復しました。
逆に、1.14%(2/175)の患者は、他の患者よりも実質的に高い力価を示しました。

※出典(及びリンクURL)
上記の和訳やそれに基づく概略は、筆者による和訳であり、正確性は保証されません。
原文は、下記を確認ください。

Neutralizing antibody responses to SARS-CoV-2 in a COVID-19 recovered patient cohort and their implications

Shanghai Public Health Clinical Center and Key Laboratory of Medical Molecular
Virology (MOE/NHC/CAMS), School of Basic Medical Sciences, Fudan University,
Shanghai, China

おわりに

あらためて、新型コロナウイルスに、罹患された患者さま、被害に遭われた皆さま、
影響を受けられた皆さま、またその関係者の皆さまに、心より、お見舞い申し上げます。

筆者プロフィール
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実績一覧(番組出演・執筆・寄稿・講演等)は、 こちらの実績一覧 を、ご覧下さい。

            松田優幸が登壇のセミナーの様子
【松田 優幸 (消費者経済総研 チーフ・コンサルタント) 経歴】

*1986年
私立 武蔵高校 卒業

*1987年
慶応大学 経済学部 入学

経済学部で、
・マクロ経済学(GDP・失業率・インフレーション・投資・貿易収支等)
・ミクロ経済学(家計・消費者、企業・生産者、取引市場等)・労働経済学を専攻
 経済学科「高山研究室」にて、貿易経済学・環境経済学を研究

*1991年
慶応大学 卒業  東急不動産(株) 入社

*1997年
親会社の東急電鉄(株)へ逆出向
消費の現場である商業施設と街づくりの計画担当

*2000年
東急不動産(株) 復職
各種の商業施設の企画開発・運営、接客等で消費の現場の最前線に立つ。

*2005年
東急不動産株式会社から、消費・商業・経済のコンサルティングをおこなう
株式会社 リテール エステートへ移籍し14年間、

全国の消費の現場を視察・調査。その数は多岐にわたる。

*現 在
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼 リテール エステート リテール事業部長

*資 格
 ・ファイナンシャル・プランナー
 ・宅地建物取引士資格者
 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで)
 ・簿記3級


【消費者経済総研について】

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所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
事業内容: 平成・令和時代における消費者経済の調査・分析・予測のシンクタンク
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チーフ・コンサルタント 松田優幸