3分でわかる | 注目すべき景気指標「日銀短観」が7月1日発表 | 2019年6月28日


注目すべき 景気指標「日銀短観」が、7月1日発表

2018年から下落する短観が、さらに下落?

貿易摩擦で下落に加え、消費増税でダブルショックか?


~3分でわかる日銀短観~

わかりやすく解説します

令和と平成の消費と経済を科学する「令和平成・消費者 経済 総研」
(以下略称:「消費者経済総研」 東京都新宿区、代表:松田 幸治)は、
2019/6/28に、掲題内容を掲出します。


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本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていきます。

*初稿:2019年6月28日(金)19:00
*2稿:2019年6月29日(土)18:30

【景気を見るなら、GDPではなく、別指標で】

結局、景気は、良い?・悪い?

GDP 1~3月期 2次速報(6月10日)の前に、各種の経済統計を見た。

6月7日(金)発表の景気動向指数は
「2カ月連続 悪化」

~3分でわかる景気の動向~


わかりやすく解説します

令和と平成の消費と経済を科学する「令和平成・消費者 経済 総研」(以下略称:「消費者経済総研」 東京都新宿区、代表:松田 幸治)は、掲題内容を掲出します。

2019年6月10日(月)に、内閣府からGDP 2019年1~3月期「2次速報」が発表されます。

5月20日の「1次速報」GDP成長率(季節調整済 前期比)は、実質で0.5%(年率2.1%)でした。

その中で「設備投資」に関しては、1次速報(5月20日)でマイナスであったのが、
2次速報(6月10日)では、プラスへ変わると予想されます。

しかし、GDP全体の値では、大きな変化は、ないでしょう。

ところで、GDPは、経済の規模を表しますが、景気の良い・悪いを、表すとは、必ずしも言えません。

景気の良い・悪いは、どの指標を見ればいいのか? を今回掲載します。

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本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていきます。

*初稿:2019年6月7日(金)21:00
*2稿:2019年6月9日(日)21:30
*3稿:2019年6月10日(月)17:00

 

3分でわかる|注目すべき景気指標「日銀短観」が7月1日発表|2019年6月28日

■【先だって、要約編】■
注目すべき景気指標「日銀短観」が、7月1日発表(2019年6月分)

2018年から下落する短観が、さらに下落?

貿易摩擦で下落に加え、消費増税で、ダブルショックか?

■【日銀短観とは?】

日本銀行による「全国企業短期経済観測調査」の略称です。
景気を把握する指標として、広く注目を浴び、活用されています。

私の知人のメガバンクの株式トレーダーや、大手保険会社の債券トレーダーたちと
以前、話をしたとき、「日銀短観」は、最も重視する指標と言っていました。


■【どんな計算による指標?】

日銀が発表しているから、難しい内容かといえば、全くそんなことはありません。
日銀が、企業へ、景気等について、アンケートした結果です。


■【誰にアンケートするの?】

アンケートに回答するのは、資本金2千万円以上の民間企業です。


■【アンケートは、どんな質問?】

一番注目される質問が、「業況は、どうですか?」です。
「業況」とは、回答企業の「景気感」のことです。

「良い」
「さほど良くない」
「悪い」
の3つの選択肢から、1つを選んで回答します。

回答欄は、2つあります。「最近」についてと、「先行き」について、です。


■【アンケートの集計結果は?】

良い」と答えた構成比から悪い」と答えた構成比を、引いて出します

例えば、「業況」について
「良い」が60%、「さほど良くない」が25%、「悪い」が15% の場合は、
「業況判断DI」という指数は、60-15 =「45」が指数となります。


■【大企業 製造業 とは?】

「製造業」以外に「非製造業」からの回答結果もありますし、
「大企業」以外に「中小企業」からの回答結果もあります。

それらの複数ある回答ジャンルの中で「大企業 製造業」に、なぜ、注目するのでしょうか?

一般の人々(個人投資家)や大手金融機関(機関投資家)など、
様々な投資家が、株式等の売買をしています。

株価を、うらなう際には、日銀短観は、重要な参考指標とされます。
株の売買の対象の上場企業には「大企業 製造業」が多いからだ、と言われています。


■【短観と、消費増税の関係 とは?】

首相側近で幹事長代行の萩生田さんが、2019/4/18のネット番組で、10月の消費増税に関して
「6月の日銀短観を見て「危ないぞ」となれば、皆を、崖に連れていけない。違う展開はある」
、消費増税の延期の可能性を、示唆しました。

世間では、観測気球とも言われています。

短観(6月分)の発表日の7月1日は、10月1日の消費増税まで、残り3か月。
既に、消費増税の延期の可能性は、どんどん無くなっている、とは思います。

萩生田さんの発言からは、7月1日発表の日銀短観で、危機が確認されなければ、
消費増税の実行へ、と解釈もできようかと思います。


■【アベノミクスでの短観は?】

アベノミクスの開始以降、短観指数は、大きく上昇しました。
一方、直近では、2018年から下落に転じます。貿易摩擦の影響が大きいと思われます
↓下図参照↓
※2019年6月の値(8ポイント)は、3月分調査での「先行き」の値です。


■【過去の消費増税では、どうなった?】

*1997年の増税では?

1997年4月の消費増税(3→5%)では、消費増税をきっかけに、大きく下落しています。

その増税の前までは、短観指数は、上昇トレンドでした。
1997年の消費増税で、ダウントレンドへ転落します。
↓下図参照↓
1997年の消費増税(3→5%)では
消費増税をきっかけに、大きく下落

その増税の前までは
短観指数は、上昇トレンド

消費増税でダウントレンドへ転落


*2014年の増税では?

2014年4月の消費増税(5→8%)でも短観の指数は低迷します。
しかし1997年ほどでは、ありません。世界経済が良かったので、ダメージは小さめでした。
↓下図参照↓
2014年の消費増税(5→8%)でも
短観の指数は、低迷

しかし1997年ほどではない。

世界経済が良かったので
ダメージは小さめ


■【リーマン・ショックの時、短観は?】

リーマン・ショックでは、短観は、大幅な下落をしています。↓下図参照↓
1997年の消費増税は、リーマン・ショックほどでは無いですが、大きく下落しています。

■【今年は、これから、どうなる?】

1997年は増税の前の「上昇トレンド」が 増税で「ダウントレンド」へ反転し転落しました。
2014年は増税の前の「上昇トレンド」が 増税で「ダウントレンド」へ反転し低迷しました。

いずれも、消費増税が、景気にダメージを与えました。
特に、1997年の時は、とりわけ大きなダメ―ジでした。

2019年は、まだ増税してませんが、貿易摩擦で、既にダウントレンドです。
ただでさえ、ダウントレンドですが、消費増税のダウン・パワーが、これから加わります。

「 貿易摩擦 + 消費増税 」の「ダブル・パンチのリスク」も考えられます。


■【リーマン級が、なければ増税】

「リーマン・ショック級の事態がなければ、消費増税」が政府のスタンスです。

しかし、消費増税が原因となって、リーマン・ショック級の下落が起きたら、
目も当てられません。

さて、2019年10月 消費増税で、景気はどうなるでしょう?
 

■【2019年10月の消費増税への対策は?】

ここまでの話では、消費増税による景気へのリスクが、大きくクローズアップされました。

しかし、2019年10月以降は、消費増税のダメージをカバーする景気対策が
以前の増税時よりも、豊富に手当てされます。

よって、消費増税のダメージは、上述で懸念されるレベルには、ならないという予想もあります。
この「増税時での景気対策」は、今後、取り上げていきたいと思います。

~以上が「先立って、要約編」ですが、 この後「詳細編」です~

■【短観は、誰にアンケートするの?】

アンケートに回答する人は、民間企業の社長などの代表者*です。

 *代表者から権限を委譲された人でもok

民間企業は、全国の資本金2千万円以上の民間企業が、対象です。

社数は、前回(3月分)は、9,830社(その他金融機関210社)でした。
なお、 回答率は、99.0%と高い回答率です。

集計値は、31の業種(製造業 17業種、非製造業 14業種)および
3つの規模(大企業、中堅企業、中小企業)(注)の計93層です。


■【アンケートは、どんな質問?】

*質問項目 1の(1) は、

一番最初の質問は「業況」について、です。世間で一番注目される回答はこの「業況」です。

「業況」とは、回答企業の景気感のことで、
「貴社の業況」(回答企業の景気感)は、どうですか? ということです。

「良い」「さほど良くない」「悪い」の3つの選択肢から、1つを選んで、回答します。

回答欄は、2つあります。
1つ目は「最近」は、どうか?で、2つ目は「先行き」は、どうか? です。
「先行き」の時点は、3か月後です。

例えば、
 「うちの会社の商売は、このところは良くはないけど、まあまあ、かなぁ。
  でも、3か月後は、良くなっているだろう」
というような場合は、

 ・「最近」の回答欄→「さほど良くない」 ・「先行き」の回答欄→「良い」
という記入となるでしょう。


■【「業況」以外の質問項目は?】

質問の大項目は、3件あります。

*大項目1は
「判断項目」で「良い・悪い」や「多い・少ない」等を、回答企業が、判断して記入します。
「大項目1」の中には、小項目が13件あります。この13件は後述します。


*大項目2は
「年度計画」で、回答企業の自社の売上・損益等の数字を記入し、回答します。
売上・損益等は、「前期の実績」と、「当期の予想」です。

その小項目は、売上高や、営業利益、経常利益、設備投資額・・等で、その金額を記入します。


*大項目3は
「物価見通し」です。

(1)は、回答企業の自社の商品・サービスの販売価格の見通しです。

 回答企業の商品・サービスの販売価格が、1年後・3年後・5年後に、
 「どのくらい、上下しそうか」の予想を回答します。

(2)は、物価全般の見通しです。

 消費者物価指数をイメージして、1年後・3年後・5年後は「どのくらい、上下しそうか」
 の予想を回答します。


■【大項目1の「判断項目」の13の質問とは?】

Q:質問1-(1) 「貴社の業況」

回答企業の収益を中心とした、業況についての全般的な判断のことです。
 → A:「1.良い」「2.さほど良くない」「3.悪い」から選びます。

  続いて2つ目の質問は?
Q:質問1-(2)「貴業界の国内での製商品・サービス需給」

回答企業が属する業界の「需給」についての判断(国内)のことです。
 → A:「1. 需要超過」「2. ほぼ均衡」「3. 供給超過」から選びます。

  質問3~6を飛ばして、7つ目は?
Q:質問1-(7) 「貴社の雇用人員」

回答企業の雇用人員の過不足についての判断です。
 → A:「1. 過剰」「2. 適正」「3. 不足」から選びます。

Q:質問1-(8) 「貴社の資金繰り」

回答企業の総合した資金繰りについての判断です(「最近の状況」のみを調査)
 → A:「1. 楽である」「2. さほど苦しくない」「3. 苦しい」


その他は、
・海外での商品需給 ・在庫水準 ・業界の流通在庫水準 ・設備 ・金融機関の貸出態度
・借入金利水準 ・CPの発行環境 ・販売価格 ・仕入価格 
等の質問があります。

質問と回答記入シートは、こちら です。

■【 3分でわかるシリーズ 開設の動機 】

チーフ・コンサルタントの松田優幸は、1987年に慶応大学の経済学部に入学して、
4年間、マクロ経済学を始めとした各経済学を研究していました。

研究を開始した時の感想は「経済学の論文や文献は、よくわからない」でした。

その後、理解が進んだ後には
「よくわかった。しかしなんで、わざわざ、わかりにくい表現をするのか?」
との感想を持ちました。

昨今、世の中に登場する解説でも「わかりにくい」表現は、
いまだ少なくない、と感じています。

そこで「3分でわかるシリーズ」を展開することで、
多くの方々に「わかりやすく」お伝えしていく考えです。
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