消費税の減税・廃止の効果は?|消費税・経済の専門家 評論家が、わかりやすく解説|2020年4月14日

◆コロナ経済対策で消費税の「減税又は廃止」の効果は?

◆消費税・経済の専門家 評論家が、わかりやすく簡単解説

◆過去の消費増税では、景気へ悪影響で不況の原因にも

◆消費税の使い道は社会保障等なので、減税できない?
◆社会保障の財源は、国債増発(国の借金)に変更でもよい。

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初稿:2020年4月14日、2稿:2020年4月20日分反映-
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今回号のポイント
コロナ経済対策の「真水」部分は、29兆円程度。これでは、まだ少ない?

コロナ経済対策で、消費税を「減税又はゼロ税率」にした場合の効果は?

過去の増税での消費者への影響を振り返る(1997年3→5%、2014年5→8%)

消費支出の過去グラフを見れば、一目瞭然。増税で、大きな経済ダメージとなった

消費税の使い道は、社会保障等で決定済みなので、減税できないと、政府は言う

コロナ・ショックにおいて、消費税の減税・廃止は、生活支援策・経済刺激策の両方になる

社会保障の財源は、国債増発(国の借金)に変更でもよい。場合によっては通貨増発も


コロナ対策の額は不足 国債増発へ
コロナ経済対策 117兆円 の中身とは?

政府はコロナ・ショックへの経済対策として、117兆円の規模で、実施すると表明しました。
しかし、117兆円には、税金・社会保険料の納付猶予の金額等までも、含んでいます。

貸し付け金の額も、含んでいます。貸付金は、給付(もらえる)ではなく、返済するものです。
税金や社会保険料の納付猶予も、免除(払わなくて良い)では、ありません。


コロナ経済対策の「真水」部分は、29兆円程度。まだ不十分

コロナ経済対策の「真水」部分は、117兆円のうち、29兆円弱程度です。
なお、リーマン・ショックでの、経済対策の真水分は、32兆円でした。

 ※「真水」とは、政府が支出する金額。支出であって、貸付けや猶予等の額は、含まない。
  経済対策では「事業規模〇兆円、うち真水部分●兆円」などと、表現する。


コロナ経済対策で、26兆円を、国債発行で調達

コロナ経済対策の今年度の補正予算額は、25兆6914億円となりました。
その全額を、国債発行で調達します。国債発行なので、新たな国の借金が追加発生します。

つまり国の借金が、新たに、約26兆円が、増えることにまります。


26兆円も国の借金が増加。しかし問題ではない。

26兆円もの借金が、さらに増加することを、問題視する意見がありますが、問題ではありません。

 ※上記までの詳細は、過去号
 国の借金さらなる増加も問題ない|その理由とは?|政府と日銀」を参照


そもそも、借金大国ではなく、借金の優等生

そもそも、元から、日本は、借金大国ではありません。
借金大国どころか、日本は、借金の優等生です。

 ※詳細は、2020/3/22の「過去号」
 「日本は借金大国では無いと判明|その根拠とは?|IMF報告でG7比較」を参照


借金の増加は、どこまでokか?

いままで優等生であっても、さらに借金が増えると、優等生ではなくなる、かもしれません。
しかし、それでも問題ないのです。

では、借金は、どこまで増やしても、大丈夫なのでしょうか? その上限とは?

 ※詳細は、2020/4/12の「過去号」
 「(続編2) 国の借金増加は問題なし|その理由とは?|MMT理論」を参照


過去の増税で、消費者へのダメージとは?
過去の消費税の増税では、どうなったでしょうか?
1997年4月(3→5%)、2014年4月(5→8%)の2回とも、消費支出が、落ち込みました。

  ※出典:内閣府 実質 原系列 民間最終消費支出 ※年は暦年ではなく年度


増税するたびに、下落と減速のダメージ?


上のグラフを、見て下さい。
5%消費増税ショック、リーマンショック、8%消費増税ショックの、3つに、注目します。
それぞれのショックの前まで、拡大していた消費支出は、下落に転じます。

5%へ増税の前までの伸び率と、リーマン・ショック前までの伸び率の2つで、比較します。
赤い➡と、黄色い➡では、後者の方が、伸び率が、低くなってしまいました。

続いて、リーマン・ショック前までの伸び率と、8%へ増税の後の伸び率で比較してみます。
黄色い➡青い➡では、後者の伸び率の方が、低くなっています。

下記グラフは、その「3つの傾き」を、比較したものです。


消費税を増税するたびに、下落です。反転上昇しても、消費者へ重しが乗っかり、減速します。

2つ前のグラフの黄色➡は、リーマン・ショック前までですが、2013年度まで伸ばしてみます。
それが、下記のグラフです。


この伸ばした黄色の➡で、わかることは、次のことです。

リーマン・ショックで、消費が落ち込んでも、復活しました。そして元の伸び率に戻ったのです。
リーマン・ショックは、一時的なショックですが、消費増税では、毎年毎年、重しが継続します。


アベノミクス効果も、台無し
2012年から、第2次・安倍政権が、始まりました。

下のグラフの緑の➡の右側・濃い方が、アベノミクス効果です。伸び率はアップしています。
しかし2014年の消費増税で、急落してしまいました。アベノミクスも、消費増税で台無しです。


2019年10月の増税(8→10%)では、どうなのか?
10%へ増税後のデータは、まだ2019年3Q(10-12月期)の1つしか、ありません。
よって、短期の傾向しか見れませんが、前年3Q(10-12月期)と比較した減少を下図に記載です。



消費税を減税すると、どうなる?
消費税は、1989年に導入されてから、3回、増税されました。
増税するたびに、消費支出は、下落し、その後は減速が継続しました。

消費税の「減税」については、実施したことが無いので、減税した場合の効果は、不明です。
しかし、増税後の消費支出のグラフは、かなり線形性が見られます。

 ※線形性とは、変数と変数の関係が直線的であること。



その線形性から、減税したら、上図の紫矢印のように、消費が戻ることは、十分考えられます。

また、コロナ・ショックで、国民の生活経済には、大きな影響が、出ています。
生活経済支援の対策として、1人あたり10万円の現金給付が、支給されます。

現金給付と、消費税の減税 との比較は?

1世帯で年間400万円を消費支出するとします。400万円×10%=40万円の消費税の負担です。
消費税をゼロにすれば、1世帯あたり、年間40万円の救済となります。

 ※消費税が、非課税又は軽減税率が適用される取引もあるが、ここでは全て10%課税とした

緊急にお金が必要な人には、別途、緊急支援で手当てします。

様々あるコロナ支援策は、複雑で煩雑です。時間もかかります。
消費税ゼロ税率なら、消費者の手間は、大きく軽減するでしょう。

自民党の有志は、コロナ・ショック対策として、消費税減税を求める緊急声明を、出しました。
一方政府は、消費税収を、年金、医療・介護、子供・子育て、教育無償に充てる経緯から消極的です。

これら社会保障の予算は、消費税ではなく、国債増発によって、まかなえば、良いのです。

消費税の年間税収は、22兆円程度です。
消費税をゼロにし、22兆円を、国債増発で調達するのは、検討の価値があります。

消費税の減税は、コロナ・ショックでの生活支援策になります。
GDPの約6割が個人消費です。消費税の減税は、同時に、経済刺激策にもなります。


【筆者プロフィール】
松田優幸が登壇のセミナーの様子
【松田 優幸 (消費者経済総研 チーフ・コンサルタント) 経歴】

*1986年
私立 武蔵高校 卒業

*1987年
慶応大学 経済学部 入学

経済学部で、
・マクロ経済学(GDP・失業率・インフレーション・投資・貿易収支等)
・ミクロ経済学(家計・消費者、企業・生産者、取引市場等)・労働経済学を専攻
 経済学科「高山研究室」にて、貿易経済学・環境経済学を研究

*1991年
慶応大学 卒業  東急不動産(株) 入社

*1997年
親会社の東急電鉄(株)へ逆出向
消費の現場である商業施設と街づくりの計画担当

*2000年
東急不動産(株) 復職
各種の商業施設の企画開発・運営、接客等で消費の現場の最前線に立つ。

*2005年
東急不動産株式会社から、消費・商業・経済のコンサルティングをおこなう
株式会社 リテール エステートへ移籍し14年間、

全国の消費の現場を視察・調査。その数は多岐にわたる。

*現 在
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼 リテール エステート リテール事業部長 (52歳)

*資 格
 ・ファイナンシャル・プランナー
 ・宅地建物取引士資格者
 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで)
 ・簿記3級


【消費者経済総研について】

■研究所概要
名称  : 消費者経済総研
所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
事業内容: 消費・商業・経済の調査・分析・予測のシンクタンク
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チーフ・コンサルタント 松田優幸   経歴のページはこちら