消費税 使い道 | 消費税・経済の専門家 評論家が、わかりやすく解説 2019年10月20日


|消費税 使い道(使途)|
消費税・経済の専門家 評論家が
わかりやすくグラフで簡単解説。

内訳は不明ではない。

◆借金対策から社会保障へ

◆10%時の増税額5.7兆円に6.2兆円投入で景気対策

◆恒常負担は1.8兆円と小さい?




【 連載シリーズ 消費増税 】

「 消費税の使途(使い道) 編 」

消費税での税収は様々な政策へ投入されます。
今回号は「消費税は、何に使われるのか?」です。


消費と経済を科学する「消費者 経済 総研」
(東京都新宿区、代表:松田 幸治)は、
2019/10/20に、掲題内容を掲出します。

2019/10/1の消費増税に関連して
「シリーズ 消費増税」を連続して掲載しています。

チーフ・コンサルタントの松田優幸を筆頭に、
消費税や経済等の評論家・専門家として、
「3分でわかりやすく」解説をお届けしています。

番組出演・執筆・講演等のご依頼は、
お電話・メールにてご連絡ください。

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本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていきます。
*初稿:2019年10月20日20:00

*当方が提供する情報は、正確性・完全性・有効性・真実性・最新性・適法性等何らの保証もなく、
利用・活用は、利活用者の自らの判断・責任であり、損害が生じても当方は一切の責任を負いません。

トピックス

 消費増税額を、予定の国の「借金対策」から「社会保障」へシフト

 8→10%の増税額5.7兆円に対し、6.2兆円も予算を投入(景気対策)

 ◆8→10%の増税での、恒常的な純負担額は、1.8兆円と小さい?

今回号は「消費増税の使途(使い道)」~増税して何に使う?~

【連載シリーズ 消費増税】では
「どう、お得になるか?」という「消費者の目線」で、連載してきました。

前回号までは、「住宅編(その1~4)」「クルマ編」「駆け込み購入(経過措置)」
「軽減税率」「国のキャッシュレス・ポイント還元事業」「QRコ-ド・スマホ決済」
「年金生活者 支援給付金」「幼保無償化」「救済政策の期限」を、取り上げてきました。

今回号の「消費増税の使途(使い道) 編」では、増税して何に使うのか?を
わかりやすく、解説します。

前回号までの「消費者の目線」から、今後は「マクロ経済の視点」へ移行します。

番組出演・執筆・講演等のご依頼は、お電話・メールにてご連絡下さい。

ご注意
本件のテーマに関連する制度は、大変複雑です。
正確さを追求しますと、複雑化し、わかりにくくなります。
ここでは、わかりやすさを優先し、様々な点において単純化・省略化等をしています。

このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、要約編→詳細編を見た後であっても
行政庁等へ確認をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、対応して下さい。また「免責事項」をお読みください。
■「先立って、要約編」■
消費税の増税分の使い道は、過去に変更されてきました。時系列で確認していきます。

 ~2012年・2013年~

2012年~2013年では?

2012年に、消費税の税率を、5%→10%へ、段階的に引き上げることが、決められました。
あわせて、消費税の増税分(5%分=10%-5%)の使い道の方向性が、定められました。

消費税5%→10%への増税で、税収は、いくら増える?

 14兆円増えます。


2013年での消費税の使い道は?(割り当て金額は?)

増税額の約14兆円は、
半分強7.3兆円 は「将来への付け回しの軽減」(国の借金への対策)に使い、
残りの半分弱 を「社会保障」などに使うとされました。



社会保障の内訳とは?

 *「基礎年金の財源」に、3.2兆円

 *「医療・介護」の充実に、1.5兆円
 *「子供・子育て」支援に、0.7兆円
 *「年金制度の改善」に、0.6兆円

その他として「物価上昇の経費増への対応」で、0.8兆円 です。

 「基礎年金の財源」「子供・子育て支援」「医療・介護」「年金」等の内容は、
   ページ下段記載の「詳細編」で解説しています。
   この「要約編」の後に、「詳細編」をご覧下さい。


 ~2017年~

2017年に、使い道が、変更?

2017年(平成29年)に、安倍総理は、消費税の増税分のうち、約2兆円の使い道を
「付け回し軽減(借金対策)」→「全世代型の社会保障」に変更する表明をしました。

「全世代型の社会保障」を「人づくり革命」と名付けています。
  のちに、2兆円のうち、1.7兆円を、消費税から使う、となりました。

下記のように2兆円程度(1.7兆円)を、
 付け回し(図の上段) から  人づくり革命(下段)



人づくり革命」(1.7兆円)とは?

少子高齢化に立ち向うため、年配も若者も、安心できる全世代型の社会保障へ改革する
下記項目の政策です。

幼保無償0.8兆円 + 高等教育無償0.8兆円 + 介護改善0.1兆円 +保育整備0.3兆円
「人づくり革命」は、上記の合計で、2.0兆円です。

その2兆円は、消費増税を原資とする1.7兆円に加え、
「子ども・子育て拠出金」の増額の0.3兆円で、充当します。

ここでは「保育整備費0.3兆円の支出」は「子ども・子育て拠出金0.3兆円の増収」
まかなう、という整理をします。

よって、幼保無償0.8兆円 + 高等教育無償0.8兆円 + 介護改善0.1兆円 = 計1.7兆円です。

 ※「子ども・子育て拠出金」の内容は、このページ下段記載の「詳細編」をご覧下さい。


軽減税率(1.1兆円)

「軽減税率」は、人づくり革命とは別に、その前に、導入が決定されました。

「軽減税率」により、一定の食品等の販売での税率は、増税後も、8%のままです。
政府は「8%のままに、税率を、据え置く」という表現ではなく
「10%のものを、2%軽減し、8%とする」という表現でいます。

この軽減税率に配分される金額が、1.1兆円です。
「軽減税率」導入と「人づくり革命」を、グラフに反映すると、下図になります。




将来への付け回し軽減とは?

「借金の返済」と言われることがありますが、正確な言い方ではありません。
財政赤字の拡大を防ぐという意味で「将来への付け回しの軽減」とされています。
 ※「国債の発行抑制」などへ、つながります。

人づくり革命1.7兆円+軽減税率1.1兆円の計2.8兆円が、新たな使い道で登場しました。

「付け回し軽減」の当初予定の 7.3兆円から、この2.8兆円を引いた
残りは、4.5兆円となります。
この設定での計算では「付け回しの軽減」に、4.5兆円を配分すると解釈できます。


 ~2019年の税率10%への増税に向けて~

8→10%増税での、税収の増加額は?

8→10%への増税は、2019年10月1日からで、2019年度は、増税後の期間が、半年間です。8→10%での増税額は、1年間分では、5.7兆円です。
ここでは、1年(12か月)ベースで、見ていきます。

8→10%増税での使い道は?

今までは、5→10%増税での「14兆円」の使い道を、時系列で見てきました。
ここから先は、8→10%増税での「5.7兆円」の使い道を、見ていきます。




高齢者への社会保障(1.1兆円

5.7兆円のうち、下記の社会保障で、1.1兆円です。

*低所得の高齢者の 介護保険料を、軽減(完全実施
*低所得の高齢者の 暮らしを、支援上乗せ年金を、年6万円等を支給 )

  ※ 「完全実施」「上乗せ年金」 の内容は、このページ下段記載の「 詳細編 」をご覧下さい。

高齢者への社会保障(1.1兆円)以外の使い道は?

その他は「人づくり革命」と「軽減税率」で、金額は前述した通りです。

ということで、下記の通り、合計で、5.7兆円です。
社会保障1.1兆円人づくり革命1.7兆円軽減税率1.1兆円+ 付け回し軽減1.8兆円


 ~2019年以降の、景気の落ち込みに備えて~

消費の平準化の政策とは?

「増税前の駆け込み消費」と「増税後の消費の落ち込み」というアップ・ダウンを、避けるため
消費の平準化策として、様々な消費者への臨時・特別の救済政策が、決められました。

スポットで投入される「平準化策」の合計金額は、約2.3兆円です。


「平準化策」の使い道は?




臨時の平準化策(約2.3兆円)の大枠の内訳は、
「買い物の支援0.4兆円」+「住宅購入等の支援0.3 兆円」+「 車購入の支援0.2 兆円
+「防災・減災・ 国土強靭化1.4 兆円」です。

買い物の支援とは?

下記の合計で、約0.4兆円です。
  2,800億円を、キャッシュレス・ポイント還元
  1,700億円を、25%プレミア商品券

住宅購入等の支援とは?

下記の合計で、約0.3兆円です。
  1,300億円を、次世代住宅ポイント制度
  1,100億円を、住宅ローン減税の拡充
   800億円を、すまい給付金

車購入の支援とは?

下記の税制の軽減・減税の合計で、約0.2兆円です。
 * 1300億円を、自動車税・種別割
 * 500億円を、自動車税・環境性能割


防災・減災、国土強靱化は?

防災・減災、国土強靱化は、1兆3,500億円です。

臨時の平準化策(救済策)を整理すると?

こうして、臨時的な救済策の使い道の約2.3兆円は下記の通りです。


消費の救済策買い物支援住宅購入等の支援車購入の支援)の合計は0.9兆円です。

臨時の政策ではなく、恒常の政策は?

上記の臨時の政策以外に、恒常的な政策が合計で3.9兆円あります。

高齢者への社会保障」や「人づくり革命」「軽減税率」です。
これは、2019年10月1日からの一時的なものではなく、継続政策になっています。




増税額を上回る予算投入?

「恒常策」+「臨時策」の合計は6.2兆円です(上図参照)。一方、増税額は5.7兆円です。

政府は、こうして、今回の消費増税による経済への影響を、十二分に乗り越える準備をした、
としています。

平準化策(救済策)が終わった後は、どうなる?

 ① 消費増税:5.7兆円(8→10%の2%の1年分)

 ② 恒常政策:3.9兆円(社会保障1.1兆円+人づくり革命1.7兆円+軽減税率1.1兆円)

 ③ 純負担増:1.8兆円(①から②を差し引いた額)

 ④ 臨時対策:2.3兆円(消費の救済策+国土強靭化等)

純負担増 ③ の1.8兆円に、臨時対策 ④ の2.3兆円を投入します。

残念ながら(というより、当然ながら?)臨時の平準化策の各種救済は、やがて終了します。
救済政策が終了後は、恒常的な純負担額の上記の③1.8兆円が、効いてきます。

2014年の3%増税(5→8%)では、8兆円の国民負担と言われました。
それと比べると、1/4以下の水準です。

ダメージは、1997年や2014年の増税の時よりは、小さくなるでしょう。
しかし、消費税の性格上、経済へのダメージは、小さかったとしても避けられません。

以上が要約編です。出典や計算根拠などは「詳細編」をご覧下さい。
続いて下段に続く「詳細編」をお読みください

筆者プロフィール 松田優幸

番組出演・執筆・講演等のご依頼は、お電話・メールにてご連絡ください。

実績一覧(番組出演・執筆・寄稿・講演等)は、 こちらの実績一覧 を、ご覧下さい。

1987年 慶応大学 経済学部 入学
1991年~ 東急不動産、東急電鉄、リテールエステートで勤務
現在 消費者経済総研のチーフ・コンサルタント
資格は、
 ・ファイナンシャル・プランナー
 ・宅地建物取引士資格者
 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで)
 ・簿記3級

■ご留意事項
※当総研が提供する情報においては、情報の簡略化・省略等をしている箇所があります。
※ご自身が記載内容と全部又は一部において一致又は類似していても、制度がご自身に同様に適用又は非適用とはならない場合があり、また、同じ計算や同じ計算結果とならない場合があります。
このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、行政庁等へ確認や相談をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、対応してください。
また「免責事項 」をお読みください。

~以上が、「先立って、要約編」ですが、 この後、詳細編です~
【 詳 細 編 】
 ~2012年~

2012年(平成24年)の「三党合意」とは?

民主党政権の時に、自民党・公明党を含め3党が、2012年に消費税の増税を合意しています。
いわゆる「三党合意」です。

三党合意で、消費税の税率を、5%→10%へ段階的に引き上げることが、決められました。
あわせて、消費税の増税分(5%分=10%-5%)の使い道の方向性が、定められました。

三党合意の中身を、もう少し詳しく

三党合意では「社会保障と税の一体改革」に関する合意が、なされています。

2012年6月15日には、「社会保障・税一体改革 に関する 確認書」が、作成されました。
また、同年6月21日には、三党合意を明記した「三党 確認書」が、作成されました。

同年8月10日には「社会保障と税の一体改革」に関する8法案が、可決成立しました。

「社会保障と税の一体改革」とは?

「社会保障と税の一体改革」とは、下記項目の同時達成を、目指すものです。

 *社会保障の充実・安定化

 *その安定財源の確保

 *財政の健全化

消費税の増税は?

2012年の8月に「消費税法を改正する法律」※が成立しました。
当時の税率の5%を、10%まで、段階的に引き上げることが、定められました。

 ※この法律の名称は「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための
  消費税法の一部を改正する等の法律」です。

「社会保障と税の一体改革」での「社会保障」とは?

この一体改革で、社会保障の経費の使い先が、3ジャンルから4ジャンルへ変わりました。
「社会保障3経費」から「社会保障4経費」へ変更と言われます。

*「社会保障 3経費」とは?

1999年度(平成11年度)以降は、消費税※は、「基礎年金」「老人医療」「介護」の
高齢者向けの「社会保障3経費」に充てると、されました。税の福祉目的化ですね。

*「社会保障 4経費」とは?

上記の3つのジャンルに対して「子育て」(少子化対策)が加わり、4つとなりました。
こうして、下記のように消費税の使い道が、変わりました。

高齢者3経費(基礎年金、老人医療、介護)
  ↓
全世代4経費(子育て、年金、医療、介護)

子育て(少子化対策)とは?

子育て(少子化対策)のため「子ども・子育て関連3法」が、2012年8月10日に成立しました。

この3つの法律は「幼児教育・保育」「子ども・子育て支援」を、総合的に推進することが
目的です。 具体的には、下記の通りです。

 *認定こども園、幼稚園、保育所 への給付の共通化

 *小規模保育等 への給付の創設

 *認定こども園制度 の改善

 *地域の実情に応じた 子ども・子育て支援 の充実

 ※認定こども園とは
  教育・保育を一体で行う施設で、幼稚園と保育所の両方の良さを持っている施設です。
  基準を満たせば、都道府県等から「認定」を受けることが、できます。


 ~2013年~

「社会保障と税の一体改革」での消費税の使い道は?(割り当て金額は?)

5%→10%への税率アップにより、消費税の税収は、約14兆円増えます

約半分(6.8兆円)を、「社会保障」などに使い
残り約半分(7.3兆円)は「将来への付け回しの軽減」(国の借金への対策)へ回します。

社会保障の6.8兆円の内訳とは?

 *「基礎年金1/2の財源」に、3.2兆円

 *「子供・子育て支援」+「医療・介護」+「年金」で、2.8兆円

 * 経費増への対応で、0.8兆円


6.8兆円 = 基礎年金3.2兆円 + 子育て・医療・介護・年金2.8兆円 + 経費増0.8兆円




「基礎年金1/2の財源」とは?

「基礎年金」は「国民年金の保険料」を、支払った人が、もらえる年金です。
払う時は「国民年金」で、もらう時は「基礎年金」と、名前が変わります。

会社員などが加入する「厚生年金」の場合は、給与等から天引されている保険料の中に、
「国民年金」の保険料が、含まれています。
「厚生年金」の加入者は「国民年金」に自動的に加入しているということです。

「基礎年金」の原資は、「保険料の充当」+「国庫の負担」等です。
「国庫」つまり税金が、投入されています。

以前は、基礎年金での「国庫の負担」の比率は、1/3でしたが、1/2に変更になりました。
消費増税による税収の一部を、この1/2の国庫負担の維持に充てることになっています。

「子育て・医療・介護・年金」の内訳とは?

 *子供・子育て支援 の充実で、0.7兆円

 *医療・介護 の充実で、1.5兆円

 *年金制度 の改善で、0.6兆円

合計で、2.8兆円です。

2.8兆円 = 医療・介護1.5兆円 + 子供・子育て0.7兆円 + 年金0.6兆円


 ~2017年~

「新政策パッケージ」登場で、使い道が、変更?

2017年(平成29年)9月25日 安倍総理の記者会見
安倍総理は「幼保無償化」等で、社会保障を「全世代型」に転換する、との方針を出しました。

※「新しい経済政策パッケージ」

「全世代型の社会保障」への方針転換の内容を具体化した「新しい経済政策パッケージ」が
2017年12月8日に、閣議決定されました。

「新政策パッケージ」で、消費増税分は、どう配分?

8→10%の増税は、始まったばかりなので、税収の増加額は、当然に確定はしていません。
しかし、税収増加額の推計は、政府では「5.7兆円」としているので、ここでは、そうします。

新政策パッケージでは「人づくり革命」で1.7兆を使う変更が、出されました。



目玉の「人づくり革命」(1.7兆円)とは?

*人づくり革命とは?

 ・ 幼児教育の無償化 0.8兆円

 ・ 高等教育の無償化 0.8兆円 

 ・ 保育の受け皿の前倒し整備(約32万人分増加)0.3兆円

 ・ 介護職員の処遇改善 0.1兆円

幼保無償0.8兆円 + 高等無償0.8兆円 + 保育整備0.3兆円 +介護改善0.1兆円
= 2.0兆円です。

合計2兆円なので、消費増税を原資とする1.7兆円を、0.3兆円超えます。
不足0.3兆円は「子ども・子育て拠出金」の増額で、充当します。

※「子ども・子育て拠出金」とは?

「子ども・子育て拠出金」とは、子育ての支援等の資金を、
企業や個人事業主が、負担するものです。 この拠出金が、0.3兆円増額されます。

「子ども・子育て拠出金」は、企業等が、健康保険・厚生年金保険料とあわせて、納付します。
労使折半ではなく、会社等の事業主側の全額負担です。

※「労使折半」とは、健康保険や厚生年金の保険料を、
労働者の負担5割+使用者(事業主側)の負担5割と、折半で負担することです。

子育て等の支援の財源は、消費税の増税分の活用のほか、
社会全体で、子育て支援する観点で、企業等も負担するべきと、政府は考えているからです。

0.3兆円の増額分は、保育の運営費などに充てられます。


その他の社会保障(1.1兆円)

 *低所得の高齢者の介護保険料を、軽減(完全実施

 *低所得の高齢者の暮らしを、支援(上乗せ年金※を、年6万円等を支給。)

※「完全実施」とは、対象者は、住民税の非課税世帯ですが、従来は、その「一部の人に実施」
 に留まってていたのを、住民税非課税の世帯の「全体」を対象に「完全実施」することです。

※「上乗せ年金」(年金生活者 支援給付金)とは、詳細はこちら


軽減税率(1.1兆円)

一定の食品等の販売での税率は、増税後も、8%のまま です。

政府は「8%のままに、税率を、据え置く」という表現ではなく
「10%のものを、2%軽減し、8%とする」という表現でいます。

この政策に配分される金額が1.1兆円です。

 ※「軽減税率」に関する過去号ページは、こちら

将来への付け回し軽減

「借金の返済」と言われることがありますが、正確な言い方ではありません。
財政赤字の拡大を防ぐ※という意味がありますので、「付け回しの軽減」とされています。
 ※「国債の発行抑制」などへ、つながります。

政府は「基礎年金の国庫1/2負担」への配分を、まずは優先する姿勢と、見えます。
「人づくり革命」(1.7兆円)も、政府の目玉政策なので、優先されるでしょう。

「その他の社会保障」(1.1兆円)も、重視するとなると
「付け回し軽減」は、これらの中では、後順位とも感じられます。

「人づくり革命」(1.7兆円)+ その他の社会保障(1.1兆円)+ 軽減税率(1.1兆円)で
合計3.9兆円です。

消費増税での増収額5.7兆円から、この3.9兆円を、引いた残りは、1.8兆円となります。この設定での計算においては「付け回しの軽減」に、1.8兆円を、配分すると見えます。




財政の黒字化を、あきらめた?

政府は、財政の黒字化を、あきらめた、とはしていません。

「プライマリー・バランスの黒字化は、困難となるが、
 財政健全化の旗は、決して降ろさない」 と述べています。

「不断の歳入・歳出改革努力を徹底し、プライマリー・バランスの黒字化を目指すという
 目標自体は、しっかり堅持する」 としています。


 ※プライマリー・バランスとは、「基礎的財政収支」とも言います。
  単年度の「国の収入」※から、「国の支出」※を引いた「収支」の事です。
  会社であれば「利益」ですね。

プライマリー・バランスが、赤字(マイナス)ならば、
新たに借金(国債発行等)を、することになります。

 ※国の収入:税収の他、税外収入もある
 ※国の支出:ここでは、国債費(国債の元本返済や、利子の支払い費)を除く

新政策パッケージ以降の、消費増税分の配分とは?

新政策パッケージ(2017/12/8閣議決定)以降の消費増税分の配分は、
ここで設定した前提条件では、下記の様になります。

「人づくり革命」 1.7兆円

「他の社会保障」 1.1兆円

「軽 減 税 率 」 1.1兆円

「付け回し軽減」 1.8兆円

「 合  計 」 5.7兆円


2019年10月1日からの臨時的な、増税への救済策の使い道は?

 ~消費の平準化の政策~

10%へ増税されるのは、2019年10月1日からなので、
2019年度は、増税後の期間が、6か月となります。

単純化のため、2019年度において、6か月ではなく12か月とすると、
年間増税額は、5.7兆円となります。

特別の予算措置として、

下記の合計で、約2兆円です。

 ① キャッシュレス・ポイント還元は、2,800億円

 ② 25%プレミア商品券は、1,700億円

 ③ 次世代住宅ポイント制度は、1,300億円

 ④ すまい給付金は、800億円

 ⑤ 防災・減災、国土強靱化は、1兆3,500億円

①~④は、消費者経済総研の過去号でも、連載してきました。(過去号はこちら



消費増税は、消費者が負担します。企業は負担者ではありません。※
ですので、消費増税で財布が痛むのは、一般の消費者です。

その痛みへの対策が、①~④です。⑤は、消費者が恩恵を受けるには、遠回りですね。

※企業は、物品を買えば、消費税込みの代金を支払いますが、
 下記のAからBを引いた額を、企業は国に、納めます。

A:企業が、商品を販売した時に、本体価格とあわせて受領する消費税
B:企業が、物品を購入した時に、本体価格とあわせて支払う消費税


*消費税なしの場合は?

A販売時:「税抜き本体価格:140円」(消費税なし)の商品を販売した時

B購入時:「税抜き本体価格:100円」(消費税なし)の物品を購入した時

この場合の会社の利益は「本体価格:140円」-「本体価格:100円」=40円です。
利益の額の40円が、会社に残ります。

*消費税10%の場合は?

A販売時:「税抜き本体価格140円」+「消費税14円」=計154円の商品を販売した時
      受領した消費税は、14円

B購入時:「税抜き本体価格100円」+「消費税10円」=計110円の物品を購入した時
      支払った消費税は10円

Aの14円から、Bの10円を引いた額の4円を、この会社は国に納めます。

入金・出金の差額は、出金154円-入金110円=44円です。そして上記の4円を国へ出金です。
44円から4円が減るので、会社には40円が残ります。
 
この場合の会社の利益は「本体価格140円」-「本体価格100円」=40円です。
利益の額の40円が、会社に残ります。

*「消費税なしの場合」と「消費税ありの場合」を比べると?

両方とも、40円の利益が、会社に残ります。消費税による企業へのダメージはありません。

しかし「消費税なし」なら140円の商品が、消費税により154円になるので、
いわば「強制的な値上げ」のような状態になり、商品は売れにくくなります。

商品の売れ行きが落ちるので、この点において、企業もダメージを受けます。

税制面での減税・軽減は?

*住宅ローン減税の拡充は、1,100億円

*自動車の減税・軽減は、1,800億円
 (自動車税・種別割 1300億円 + 自動車税・環境性能割 500億円)

税制面では、住宅とクルマ関連の合計で、約0.3兆円です。

臨時の救済策の合計は?

住宅・車の税制での対策 0.3兆円 + その他の対策 2兆円で、
臨時的な救済策の使い道では、合わせて2.3兆円程度です。

 ※ここでは、政府の分類に従い「税制での対策」と「税制以外」で分けました。
  買い物ジャンル、住宅ジャンル、車ジャンルなどで分けたケースは、上段の「要約編」参照

臨時の措置ではなく、恒常の措置は?

上記の臨時の措置以外に、「幼保無償化」「年金生活者 支援給付金」などもあります。
合計2.8兆円ですが、2019年10月1日からの一時的なものではなく、継続政策になってます。

 ① 消費増税:5.7兆円(8→10%の2%の1年分)

 ② 恒常政策:3.9兆円(社会保障系2.8兆円+軽減税率1.1兆円)

 ③ 純負担額:1.8兆円(①から②を差し引いた額)

 ④ 臨時対策:2.3兆円(ポイント還元などの合計)


純負担額 ③ の1.8兆円に、臨時対策 ④ の2.3兆円を投入します。

政府は、こうして、今回の消費増税による経済への影響を
十二分に乗り越える対策を準備した、としています。

但し、残念ながら(というより、当然ながら?)臨時対策の各種救済策は、やがて終了します。
終了時期は政策ごとで、ばらつきがあります。詳しくは「救済政策の期限 編」をご覧下さい。

救済政策が終了後は、恒常負担額の上記の「③の1.8兆円」が、効いてきます。

2014年の3%増税(5→8%)では、8兆円の国民負担と言われました。
それと比べると、1/4以下の水準です。

ダメージは、1997年や2014年の増税の時よりは、小さくなるでしょう。
しかし、消費税の性格上、経済へのダメージは、小さかったとしても避けられません。

※出典・引用一覧:今回号は、政府・自治体の、資料・議事録・記者会見等を参照
筆者プロフィール 松田優幸

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実績一覧(番組出演・執筆・寄稿・講演等)は、 こちらの実績一覧 を、ご覧下さい。

1987年 慶応大学 経済学部 入学
1991年~ 東急不動産、東急電鉄、リテールエステートで勤務
現在 消費者経済総研のチーフ・コンサルタント
資格は、
 ・ファイナンシャル・プランナー
 ・宅地建物取引士資格者
 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで)
 ・簿記3級

■ご留意事項
※当総研が提供する情報においては、情報の簡略化・省略等をしている箇所があります。
※ご自身が記載内容と全部又は一部において一致又は類似していても、制度がご自身に同様に適用又は非適用とはならない場合があり、また、同じ計算や同じ計算結果とならない場合があります。
このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、行政庁等へ確認や相談をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、対応してください。
また「免責事項 」をお読みください。

■筆者プロフィール 松田優幸

1987年に、慶応大学 経済学部 入学

1991年に、東急不動産へ入社し、途中に親会社の東急電鉄へ逆出向もし、
都市開発・街づくり・不動産営業を、おこなった。

大規模タワーマンションの開発や、賃貸住宅の開発・営業も手掛けた。

 ・ファイナンシャル・プランナー認定研修修了者(ファイナンシャルプランナー3級相当)
 ・宅地建物取引士資格者
 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで)
 ・簿記3級

現在は、消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
■ご留意事項
本件のテーマに関連する制度や税制は、大変複雑です。
正確さを追求しますと、複雑化し、わかりにくくなります。

ここでは、わかりやすさを優先し、様々な点において単純化・省略化等をしています。
住宅ローン控除制度を利用するには、このページ記載情報以外にも様々な条件があります。

このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、
行政庁や税理士等へ確認や相談をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、
対応してください。また「免責事項」をお読みください。
■【 3分でわかるシリーズ 開設の動機 】

チーフ・コンサルタントの松田優幸は、1987年に慶応大学の経済学部に入学して、
4年間、マクロ経済学を始めとした各経済学を研究していました。

研究を開始した時の感想は「経済学の論文や文献は、よくわからない」でした。

その後、理解が進んだ後には
「よくわかった。しかしなんで、わざわざ、わかりにくい表現をするのか?」
との感想を持ちました。

昨今、世の中に登場する解説でも「わかりにくい」表現は、
いまだ少なくない、と感じています。

そこで「3分でわかるシリーズ」を展開することで、
多くの方々に「わかりやすく」お伝えしていく考えです。
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