コロナは残念ながら「長期戦」|「7割が感染」か「ワクチン開発」の2択?|消費者経済総研|2020年4月2日

コロナ いつまで? いつ終わる?

3か月や半年又は夏に収束・終息との期待もされました。
残念ながら「長期戦」です。

緊急事態で自粛やロックダウンしても、
緩和や開放すれば再拡大します。

抗体・免疫を、7割が獲得する集団免疫確立まで必要です。
そこでワクチンの早期開発に期待です。



「ウイルス対策」は「最大の景気対策」でもある

肺炎から、人々を守るため、ウイルス対策は、重要なテーマです。
同時に、経済を守るため、ウイルス対策は、同じく重要です。

「コロナ・ウイルスの制御や制圧」がされれば、激しく落ち込んだ景気は「V字回復」でしょう。
つまり「ウイルス対策」は、「最高の経済対策」でもあります。

消費と経済の消費者経済総研では、経済対策は、主たるテーマの一つであります。
コロナ問題を、公衆衛生の課題に加え、経済課題としてとらえ、連載しています。


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初稿:2020年4月2日 : 本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていく場合があります。

ご注意
このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、
対応して下さい。また「免責事項」をお読みください
はじめに

新型コロナウイルスに、罹患された患者さま、
被害に遭われた皆さま、影響を受けられた皆さま、
またその関係者の皆さまに、心より、お見舞い申し上げます。
今回号のポイント
感染数の 減少 → 増加 の反復

*コロナ問題は、残念ながら長期戦

*「都市封鎖」(ロックダウン)で、ひとたび感染減少しても、「都市開放」をすれば再び蔓延

*1つの国の感染者数が減少し、終息しても、その後、外国から感染者が来れば、再度、蔓延拡大へ

*よって、「減少 → 収束 → 再拡大 → 再度蔓延」を繰り返す。


緩やかに、広く、抗体の獲得の「集団免疫」作戦 とは ?

*7割が抗体を持てば「再生産数」が2→0.66へ低下で沈静化?(1人が感染させる人数:2人→0.66人)

*そのために、長期で、少しづつ感染していくしかない?

*英国・ドイツは、「感染との長期の共存」つまり「集団免疫」作戦を、当初、考えたが、撤回した。

*スウェーデンは、「集団免疫」作戦を継続中。日本はどうする?


長期戦では、「医療崩壊」しないレベルに、「自粛」をコントロール

*患者があふれて、病院の廊下に並んでしまうような「医療崩壊」の防止は生命線

*「医療崩壊」の限界線の下で推移すべく制御。そのための自粛レベルをコントロール

*「医療稼働率」の指数を設定。医療稼働率が100超にならず、100以下で推移するよう制御

*「自粛レベル」を設定。医療稼働率が100以下に収まるよう「自粛レベル」を増・減する


収束には、「早期ワクチン開発に期待」か、「緩やかに感染」か?

*コロナ・ワクチンができれば、そのワクチンで、抗体(免疫力)ができる。

*ワクチン開発は、通常、早くても数年単位。コロナ・ワクチンを急いでも1年~1年半必要

*安全の範囲内で緩やかに感染し抗体の獲得か、ワクチン開発後に、ワクチンで抗体獲得

*途上国が、後発で感染拡大したり、ワクチン接種率が高まらない場合、2021の東京五輪は?

*こうして、残念ながら、くやしいけど、コロナは長期戦。

 ※なお、「抗体の獲得者」は、以前の様に、普通に、働き、遊び、外出すればいいのです。


「抗体」と「免疫」とは?

*「抗体」は、体内に侵入したウイルス等の外敵を、攻撃する物質

*「免疫」は、体内に侵入した外敵と戦う「しくみ」で、「免疫力」は、その外敵と戦う「能力」


続編の「コロナ収束時期の予測結果は、来年7月」を2020/05/10に発表しています。


<  解  説  編  >   

上記は、今回号のポイント(要約編)でした。ここからは「解説編」です。

感染数の 減少 → 増加 の反復
コロナ問題は、残念ながら「長期戦」です。

「自粛の強化」や「都市封鎖」(ロックダウン)等で、ひとたび、感染が減少する、かもしれません。

その後、自粛緩和や都市開放をし、仕事・学校・遊び・旅行などを、再開したら、どうでしょうか。
人々の活動の再開で、潜んでいたウイルスが、再び拡大してしまうのです。

また、1つの国・1つの地域の感染者数が、減少し終息しても、課題が残ります。
鎖国ではないので、外国や他の地域から、感染者が訪れれば、再度、拡大・蔓延してしまいます。

こうして感染数は「減少 → 収束 → 再拡大 → 再度蔓延」を、繰り返すのです。


「抗体」と「免疫」とは
*新型コロナウイルス感染症は、「COVID-19」が病名で、「SARS-CoV-2」がウイルス名称です。

*「抗体」とは、体内に侵入したウイルス等の外敵を、攻撃するたんぱく質の物質です。

 1つの抗体は、1つの外敵にしか、対応しません。
 よって、SARS-CoV-2に関係の無い抗体は、SARS-CoV-2に対応できません。

 SARS-CoV-2が体内に内に入ると、その人にはSARS-CoV-2に、対応する抗体ができます。

*「免疫」とは、体内に侵入した外敵と戦う「しくみ」のことです。
*「免疫力」とは、体内に侵入した外敵と、戦う「能力」のことです。

緩やかに、広く、抗体の獲得 | 「集団免疫」 とは ?
*「集団免疫」 とは ?

集団のうちの多数の人が、免疫力を獲得することです。
多数つまり国民の2/3(66%)程度が、抗体を持てば、沈静化するだとろう、との見解です。


*「再生産数」 とは ?

再生産数とは、感染者1人が、何人に感染させるかの人数です。
再生産数が「2」だと、1人が2人に感染させます。

例えば、「健康なYさん」と、「健康なZさん」の、2人がいたとします。
その2人に、「感染者x」さんが、接触しました。

「xさん」一人で、「Yさん + Zさん」の2人を、感染させます。
感染者数は、1人→2人 と、拡大します。 再生産数が「2」です。

  (※わかりやすい説明のために、この項では、正確化より、単純化を優先しています)

ゆっくり感染が広がり、感染経験者が、3人に2人 いる割合(66%、約7割)に、なったとします。
AさんBさCさんの3人で、青の人が免疫有りで、赤の人が免疫です。

*ケース①
Xさんは、自分1人で、2人を感染させるパワーが、あります。
しかし「免疫ありのAさん+免疫なしのCさん」に接触したら、Cさんだけ感染します。

再生産数は、2ではなく、1に、下がります。

*ケース②
Xさんが「BさんCさん」に接触したら、Cさんだけ感染します。再生産数は、1です。

*ケース③
Xさんが「AさんBさん」に接触しても、2人とも感染しません。再生産数は、ゼロです。

ケース①は、1人が新規感染、ケース②は、1人が新規感染、ケース③は、0人が新規感染です。
ケース①②③を平均すると、(1人+1人+0人)÷(3ケース)= 0.66人です。

感染拡大前は、Xさんは、自分1人で2人を感染させ、感染拡大に寄与してしまいました。
感染拡大後は、66%の人が免疫力を獲得したので、Xさんは、0.66人しか、感染させられません。

感染者数は、従前は「1人 → 2人 に増え」ましたが、従後は「1人 → 0.66人 に減り」ます。
つまり「再生産数」が、「2」→「0.66」に減り、「集団免疫」獲得後は、収束へ向かうのです。

このように、長期で、少しづつ、感染していくことで、収束方向へ向かう方法です。
イギリスとドイツは、このような「長期の感染との共存」を、当初は、考えました。

しかし、正しい反論なのかどうかは、別として、猛反論を受けて、その考えを撤回しました。

スウェーデンは、集団免疫作戦を継続中です。さて日本は、どうするのが、よいでしょうか?
日本は、まだ明確なスタンスがなく、議論できるチャンスでも、あるかも知れません。


長期戦では、「医療崩壊」しないレベルに、「自粛」をコントロール
「長期の緩やかな感染」を選択しても、国民の自由な行動を、放置したら、感染爆発します。
患者があふれて、病院の廊下に放たれてしまうような「医療崩壊」が、起きてしまいます。

「医療崩壊」は最悪です。「医療崩壊」の防止こそは、生命線です。
「医療崩壊」のグラフは、テレビ等でも、よく目にします。

医療の限界レベルの線を、超えずに推移するように、制御するのです。
そのために「自粛レベル」の強・弱のコントロールを、することになります。

「医療稼働率」の指数の設定が、必要です。
「医療稼働率」が、100超にならず、100以下で推移するように、コントロールするのです。

そのために「自粛レベル」の強・弱を、制御するのです。
「医療稼働率」が、100以下に収まるように、「自粛レベル」を、増・減させるのです。


抗体を獲得するには、ワクチンに期待か、又は、緩やかに感染か?
コロナ・ワクチンができれば、そのワクチンで、抗体(免疫力)を、獲得できます。
しかし、ワクチンの開発は、通常期で数年以上で、急いでも1年半が、必要とされます。

「長期で緩やかに感染し、抗体獲得」又は「ワクチン開発後に、ワクチンで抗体獲得」
この2択です。

1年半(早ければ1年後)のワクチンの登場で、収束するかもしれません。
しかし途上国では、後発で感染拡大し、さらにワクチン接種が、進まない事も、考えられます。

東京五輪には、世界中の選手が、集まります。延期後でも、本項の執筆時から1年3か月後です。
五大陸の選手と観衆が、笑顔で集まりたいところですが、課題は豊富です。

こうして、残念ながら、コロナは長期戦です。
解決には、「早期のワクチン開発」へ向けて、人類が、力と英知を合わせて、開発へ尽力です。

続編として「コロナ収束時期の予測結果は、来年7月」を発表しています

なお、「抗体の獲得者」は、従来の様に普通に、働き、遊び、外出すればいいのです。
 この点に関しては、前回号「「抗体検査」がコロナ解決の鍵」を、ご覧下さい。

また、過度な自粛や制限で「経済 犠牲者」と「犠牲者 総数」を、増やさぬよう、注意です。
 「犠牲者 総数」=「感染 犠牲数」+「経済 犠牲数」
 
 これに関しては、過去号「コロナ失業へ救済を | 失業率・自死数は0.95と高い相関係数」を
 ご覧下さい。

おわりに

あらためて、新型コロナウイルスに、罹患された患者さま、被害に遭われた皆さま、
影響を受けられた皆さま、またその関係者の皆さまに、心より、お見舞い申し上げます。

【筆者プロフィール】
松田優幸が登壇のセミナーの様子
【松田 優幸 (消費者経済総研 チーフ・コンサルタント) 経歴】

*1986年
私立 武蔵高校 卒業

*1987年
慶応大学 経済学部 入学

経済学部で、
・マクロ経済学(GDP・失業率・インフレーション・投資・貿易収支等)
・ミクロ経済学(家計・消費者、企業・生産者、取引市場等)・労働経済学を専攻
 経済学科「高山研究室」にて、貿易経済学・環境経済学を研究

*1991年
慶応大学 卒業  東急不動産(株) 入社

*1997年
親会社の東急電鉄(株)へ逆出向
消費の現場である商業施設と街づくりの計画担当

*2000年
東急不動産(株) 復職
各種の商業施設の企画開発・運営、接客等で消費の現場の最前線に立つ。

*2005年
東急不動産株式会社から、消費・商業・経済のコンサルティングをおこなう
株式会社 リテール エステートへ移籍し14年間、

全国の消費の現場を視察・調査。その数は多岐にわたる。

*現 在
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼 リテール エステート リテール事業部長

*資 格
 ・ファイナンシャル・プランナー
 ・宅地建物取引士資格者
 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで)
 ・簿記3級


【消費者経済総研について】

■研究所概要
名称  : 消費者経済総研
所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
事業内容: 平成・令和時代における消費者経済の調査・分析・予測のシンクタンク
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チーフ・コンサルタント 松田優幸