2022年給料どのくらい?日本の賃金アップ率,引上げ額の予測|ベア・定昇とは?|消費者経済総研|2022/5/15
■番組出演・執筆・講演等のご依頼は、 お電話・メールにてご連絡下さい。 リモートでの出演・取材にも、対応しています 消費者 経済 総研 チーフ・コンサルタント 松田優幸 ■最新稿:2022年5月15日 本ページは、修正・加筆等で、 上書き更新されていく場合があります。 ■ご注意 「○○の可能性が考えられる。」というフレーズが続くと、 読みづらくなるので「○○になる。」と簡略化もしています。 断定ではなく可能性の示唆であることを念頭に置いて下さい。 本ページ内容に関しては、自らの責任において対応して下さい。 また「免責事項」をお読みください ■引用 皆さまに、本ページの引用や、 リンク設定などで、広めて頂くことを、歓迎いたします。 引用・転載の注意・条件 をご覧下さい。 |
- ■2022年の 日本の賃金を 予測
- 2022年の日本人の年間賃金は、増えるか・減るか?
「消費者 経済 総研 」 の予測では、
2021年:435万円 → 2022年:445万円 へ増加
増加額は、10万円で、増加率は、+2.1%
なお本件は、「民間給与 実態統計」ベースである。
※民間給与 実態統計の2021年分は、
2022年9月頃に、国税庁が発表する予定
- ■賃金のデータは、複数ある?
- 賃金の公的な統計データは、複数ある。
上記の「民間給与 実態統計」は、国税庁の調査だ。
他に、厚生労働省による「毎月勤労統計」もある。
しかし後者は、信頼性が低いため、採用しない。
連続性の喪失問題や、不正の発覚などが理由だ。
よって本稿では「国税庁データ」を、採用している。
-- 消費者 経済 総研 --
◆「毎月勤労統計」の諸問題とは?
毎月勤労統計の2004~2011年のデータは、
紛失・廃棄され、正確な実質賃金は、不明である。
また2018年1月から、調査方式が変更され、
それ以前と、以後の比較が、できない。
このような諸問題が、毎月勤労統計に、あるのだ。
-- 消費者 経済 総研 --
◆両者の統計データの違いとは?
両者の統計データの違いは、下記の比較表を参照
賃金関連統計の比較検証 総務省統計委員会14Pから
- ■用語の定義は?
- -- 消費者 経済 総研 --
◆給与が対象?
本ページでの賃金の予測は、
「民間給与 実態統計調査」における「給与」が対象
対象者は、
1年を通じて 勤務した 給与所得者※
※「1年を通じて 勤務した者 」 と
「1年未満の 勤続者 」 に、分類されている。
本稿では、前者を、対象としている。
「給与」とは、各年における1年間の「支給総額」
「支給総額」とは、給料+手当+賞与だ。
通勤手当等の非課税分は、含まない。
また、給与所得控除の前の収入額である。
よって「手取り額」ではなく「額面額」だ。
国税庁の民間給与は、企業へ調査した結果の集計。
企業の「給与の支払総額 ÷ 人数」である。
◆ベア、定昇 とは?
賃金UP =ベア + 定昇 である。
▼ベア とは?
「ベア」とは、ベースアップの略。
例えば、会社の利益が増えた時に、
社員全員の月給を、一律で上げるのは、ベアだ。
▼定昇 とは?
定昇は、「定期昇給」の略である。
「定期昇給」とは、定期的に賃金を、上げる制度だ。
例えば、下記のような会社のルールのことである。
入社1年目の社員の月給:20万円
↓
入社2年目の社員の月給:22万円
在職年数などで、上昇等する制度だ。
在職年数以外に、個人の好成績での昇格等もある。
自分の年次が上がって、賃金UPした際は
その分の収入は、増える。
ただし、それは、自分が歳をとった事での増加だ。
-- 消費者 経済 総研 --
◆定昇とベアの 決め方の違いは?
下記は、定昇・ベアの決め方の1つの例だ。
定昇は、賃金ルールとして、就業規則に定める。
ベアは、春闘などで、労使が交渉で決める。
「労使」とは、労働者、使用者。
「使用者」とは、経営者や管理職など。
-- 消費者 経済 総研 --
◆賃金UPの直近の実績は?
▼ベアは?
2021年のベアは、経団連の調査では、0.12%だ。
▼定昇は?
定昇を含めると、どうか?
ベア0.12% + 定昇1.84% = 賃金UP:1.96%
- ■2022年 賃金予測の 計算式は?
- -- 消費者 経済 総研 --
◆「消費者 経済 総研 」 の推計の計算式は?
2022年の賃金予測の計算根拠を、掲示するが、
面倒なら、飛ばして「次項」に、進んで頂きたい。
下記が、「消費者 経済 総研」による推計の内容だ。
経団連のベアから、計量モデルを設定し算出した。
なお2022年ベアは、経団連のデータは、発表前だ。
そこで、2021年分までの、
下記のAとBで、近年分の単回帰分析を、実施した。
A 春季生活闘争 最終集計結果(日本労働組合総連合会)
の「賃上げ分」の率
B 日本経済団体連合会のベア引上げ率
2022春闘 第5回回答集計結果(連合データ)を、
Bを被説明変数、Aを被説明変数とした回帰式の、
説明変数に入力し、
2022経団連・ベア引上率の推計値を、求めた。
ベア率(経団連集計)から、
各年のベア指数を設定し、それを説明変数とし、
国税庁給与を被説明変数とし、
単回帰分析の計量モデル式を設定した。
なお、国税庁は2021年分は発表前のため、
厚生労働省勤労統計の現金給与総額一般労働者の
同年昨年比を2020国税庁データに乗じ算出した。
最後の単回帰分析の計量モデルの説明変数に、
2022推定ベア(連合データから推定された経団連推計値)
を入力し、求めた。
上記は、厚労省、連合、経団連の
ベア、定昇、込月例の各データと、
国税庁給与との間の相関係数の比較で、
ベア(経団連ベース)と、国税庁給与の相関係数が、
最も高いことに着眼し、
それを、基に単回帰モデルをたてた。
※出典: 日本労働組合総連合会
|2022春季生活闘争 第5回回答集計結果
※出典: 連合|労働・賃金・雇用 春季生活闘争
※出典:厚生労働省|R3春闘【確定版】プレスリリース
※出典: 厚生労働省|20-1-1-3_03.pdf
※出典: (一社)日本経済団体連合会|2021 年1~6月実施分
「昇給・ベースアップ実施状況調査結果」の概要
※出典:国税庁|民間給与実態統計調査結果
- ■長期トレンドの賃金は?
- -- 消費者 経済 総研 --
◆平成初期は、賃金は 上昇トレンド?
平成の初期の賃金は、どうだったか?
下図の通り、1989年(平成元年)~1997年は上昇だ。
-- 消費者 経済 総研 --
◆日本人の賃金は、いつから低迷?
しかし1997年・467万円から、下落傾向になった。
下落の原因は、何か?
下落の原因は、消費税 の 増税だ
1997年の消費税の増税で、
下落トレンドに、変わってしまった。
一時的な下落では、済まなかった。
長期間も、下落が続いてしまったのだ。
つまり、1997年のの消費増税で
「失われた20年」が、始ってしまった。
-- 消費者 経済 総研 --
◆リーマン・ショックで、急落?
その後、2007年は、一時的に反転上昇した。
だが翌2008年のリーマン・ショックで急落した。
※グラフは、右の出典から消費者 経済 総研が作成 ※出典:国税庁 民間給与実態統計
その後、2013年からのアベノミクスで上昇へ。
その後、2019年は、大企業の残業規制が、強化。
翌2020年は、中小企業の残業規制が、強化された。
残業減で、総労働時間が減ったが、賃金も減少した。
- ■アベノミクスはOK? 増税はNG?
- 平成元年(1989年)からの長期推移を、まとめる。
1997年・消費増税は、日本経済へ大きなダメージ。
2013年からのアベノミクスで、回復基調だ。
アベノミクスの最大の特徴は、何か?
日銀の黒田総裁による、異次元の金融緩和だ。
黒田バズーカ砲と、言われるほどの大胆な緩和だ。
黒田総裁の任期は、2023年4月8日まで。
次の日銀総裁は、金融引き締め派が、着任なのか?
来年、「緩和」から「引き締め」になったら、どうか?
失われた30~40年になるかもしれず、要注意だ。
- ■物価は、どうなる?
上の図は、賃金の推移と予測だ。
予測賃金は、上昇するから、良いのか?
2022年は、2.1%のUP率で、近年では、高い方だ。
喜んで、よいのか?
残念ながら、喜べない。
賃金UPよりも、物価UPの方が、高くなるからだ。
日本もインフレが、加速するのだ。
-- 消費者 経済 総研 --
◆良いUPと、悪いUP とは?
下のイメージ図のように、
賃金UP>物価UP なら良い。
下のイメージ図のように、
物価UP>賃金UPでは、悪いインフレだ。
よって、物価の上昇率で、話は変わってしまう。
残念ながら、後者の悪いインフレになるだろう。
今後の日本の物価の上昇率は、〇〇%と予測する。
何%に、なるのか? 驚きの数字か?
次号、「連載シリーズ 経済予測|物価上昇率」を、
ご覧頂きたい。
■番組出演・執筆・講演等のご依頼は、 お電話・メールにてご連絡下さい。 ■ご注意 「○○の可能性が考えられる。」というフレーズが続くと、 読みづらくなるので、 「○○になる。」と簡略化もしています。 断定ではなく可能性の示唆である事を念頭に置いて下さい。 このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、 自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、 対応して下さい。また「免責事項 」をお読みください。 ■引用 真っ暗なトンネルの中から出ようとするとき、 出口が見えないと大変不安です。 しかし「出口は1km先」などの情報があれば、 真っ暗なトンネルの中でも、希望の気持ちを持てます。 また、コロナ禍では、マイナスの情報が飛び交い、 過度に悲観してしまう人もいます。 不安で苦しんでいる人に、出口(アフターコロナ)という プラス情報も発信することで、 人々の笑顔に貢献したく思います。 つきましては、皆さまに、本ページの引用や、 URLの紹介などで、広めて頂くことを、歓迎いたします。 引用・転載の注意・条件をご覧下さい。 |
- 【著作者 プロフィール】
- ■松田 優幸 経歴
(消費者経済|チーフ・コンサルタント)
◆1986年 私立 武蔵高校 卒業
◆1991年 慶応大学 経済学部 卒業
*経済学部4年間で、下記を専攻
・マクロ経済学(GDP、失業率、物価、投資、貿易等)
・ミクロ経済学(家計、消費者、企業、生産者、市場)
・労働経済
*経済学科 高山研究室の2年間 にて、
・貿易経済学・環境経済学を研究
◆慶応大学を卒業後、東急不動産(株)、
東急(株)、(株)リテール エステートで勤務
*1991年、東急不動産に新卒入社し、
途中、親会社の東急(株)に、逆出向※
※親会社とは、広義・慣用句での親会社
*2005年、消費・商業・経済のコンサルティング
会社のリテールエステートに移籍
*東急グループでは、
消費経済の最前線である店舗・商業施設等を担当。
各種施設の企画開発・運営、店舗指導、接客等で、
消費の現場の最前線に立つ
*リテールエステートでは、
全国の消費経済の現場を調査・分析。
その数は、受託調査+自主調査で多岐にわたる。
商業コンサルとして、店舗企業・約5000社を、
リサーチ・分析したデータベースも構築
◆26年間の間「個人投資家」としても、活動中
株式の投資家として、
マクロ経済(金利、GDP、物価、貿易、為替)の分析や
ミクロ経済(企業動向、決算、市場)の分析にも、
注力している。
◆近年は、
消費・経済・商業・店舗・ヒットトレンド等で、
番組出演、執筆・寄稿、セミナー・講演で活動
◆現 在は、
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼、(株)リテール エステート リテール事業部長
◆資格は、
ファイナンシャル・プランナーほか
■当総研について
◆研究所概要
*名 称 : 消費者経済総研
*所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者 : 松田優子
*U R L : https://retail-e.com/souken.html
*事業内容: 消費・商業・経済の、
調査・分析・予測のシンクタンク
◆会社概要
「消費者経済総研」は、
株式会社リテールエステート内の研究部署です。
従来の「(株)リテールエステート リテール事業部
消費者経済研究室」を分離・改称し設立
*会社名:株式会社リテールエステート
*所在地:東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者:松田優子
*設立 :2000 年(平成12年)
*事業内容:商業・消費・経済のコンサルティング
■松田優幸が登壇のセミナーの様子
- ご案内・ご注意事項
- *消費者経済総研のサイト内の
情報の無断転載は禁止です。
*NET上へ「引用掲載」する場合は、
①出典明記
②当総研サイトの「該当ページに、リンク」を貼る。
上記の①②の2つを同時に満たす場合は、
事前許可も事後連絡も不要で、引用できます。
①②を同時に満たせば、引用する
文字数・情報量の制限は、特にありません。
(もっと言いますと、
①②を同時に満したうえで、拡散は歓迎です)
*テレビ局等のメディアの方は、
取材対応での情報提供となりますので、
ご連絡下さい。
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- 取材等のご依頼 ご連絡お待ちしています
- メール: toiawase★s-souken.jp
(★をアットマークに変えて下さい)
電 話: 03-3462-7997
(離席中が続く場合は、メール活用願います)
- チーフ・コンサルタント 松田優幸
- 松田優幸の経歴のページは「概要・経歴」をご覧下さい。