2021株価予想|経済専門家が予測|消費者経済総研|2021年6月26日
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- ■2021予測|日経平均株価は?
経済の専門家で、ファイナンシャルプランナーの
松田優幸(消費者経済総研チーフ・コンサルタント)
が、2021の消費と経済を、様々な切り口で予測
本ページは、下記の経済予測がテーマ
「日経平均株価|2021 予測」
- ■ 目次|2021予測は下記構成
- ※下線部のクリックで、その該当部分へ、移動
◆「2021年度景気の見通し|TOP」(別ページ)
◆「2021予測|日本のGDP、賃金年収」(別ページ)
◆「2021マンション市場予測|経済専門家が予測」(別ページ)
◆「2021オフィス市場予測|経済専門家が予測」(別ページ)
◆(本頁)「2021株価予測|経済専門家が予測」
*株高は、金利が原因? その理由 とは ?
*リスク・プレミアムは、何パーセント?
*日本株はバブル? その理由 とは ?
- ■コロナで、株価・最高値の理由とは ?
- コロナ・ショックで、2020年の2~3月に、
日経平均株価は、大きく下落した。
その後、日経平均は回復した。
2020年秋にはコロナ禍前の水準に戻った。
その後、日経平均は、さらに上昇を続けた。
そして、約30年ぶりの高値まで上昇した。
米国の株価の主要三指数も、史上最高値を更新した。
コロナ禍で、景気が低迷した。
なのに、なぜ株価は上昇するのか?
株価は、割高なバブル状態なのか?
◆株価水準は、割高? 割安?
株価の割高・割安を測る指標に、PERがある。
日経平均のPERは、近年は、15倍程度で推移した。
PERの値は、
「高いと割高」で「低いと割安」と、とらえられる。
※PERとは?
*2021年の年始では?
2021年の取引初日(大発会)は、どうだったか?
その日経平均の株価終値は、27,258円だった。
この額ではPERは、25である。
近年の15から、大きく上振れている。
PERの25は、近年の15に対して、
1.7倍(25÷15=1.67)も割高となる。
米国の株価(S&P500)のPERは、どうか?
2021/1/8ではPERの25倍だ。
これと比べると、日米の株価は、同等水準だ。
日米ともに株価は、かなりの割高水準だ。
はたして、バブルなのか?
- ■ 株の利回りは?
- PERが15倍では、利益が1なら、株価は15である。
「利益÷株価」で見れば、1÷15=0.067(6.7%)だ。
例えば、1株の株価が100万円なら、どうか?
利益は、その15分の1で、66,666円。
100万円の元本に対し、利益は6.7万円である。
ここでの利益とは、「純利益」である。
「純利益」とは、「経常利益」から、
特別損益と税金を引いた後の「最終利益」だ。
最終の純利益を、どう処分するか?
純利益は、株主への配当や、内部留保になるのだ。
つまり、純利益は、どういう性格か?
株主が配当として獲得できる金額の原資である。
純利益の全部を、配当にまわして、
株主が取得すると、どうなるか?
上記の例では、
100万円の株を持つ株主は、6.7万円獲得する。
元本100に対し、6.7のリターンで、利回り6.7%だ。
この利回りを「益利回り」という。
なお、PERが25の場合での益利回りは、
「1÷25=4%」である。
- ■株高は、金利が原因|その理由とは ?
- アメリカの金利※は、
2018年12月の3%から、
↓
2021年1月 の1%へ、2%下がった。
※以降は、2018年→18年、2021年→21年のように、年表記は2桁省略
※以降は、日本も米国も「金利」は、10年物の国債市場金利とする
※国債とは
◆株と国債の比較は?
株を保有すれば、配当がもらえる。
一方、国債を保有すれば、利息がもらえる。
原則はこの通りで、その点では似ている。
しかし、企業が倒産すれば、どうなるか?
その企業の株は、紙くずになるリスクがある。
一方、日米の国家が発行する国債の価値が、
ゼロになることは、まずない。
よって、国債は安全資産で、株はリスク資産である。
株にはリスクがある。
その分、利回りには、リスク・プレミアム※が乗る。
「リスク・プレミアム = 株の益利回り - 国債金利 」
こういう関係である。
※イールド・スプレッドとも言う。
リスクは、株>国債なので、
リターンも、株>国債になる。
よって、利回りは、国債利回りより、
株の利回りの方が、大きくなる。
国債利回り + リスクプレミアム
= 株の利回り である。
- ■リスク・プレミアムは、何%?
- まずは、米国のケースで見ていく。
米国のリスク・プレミアムは、どうか?
近年では、3%前後で推移している。
2018年と、2021年を、比較してみる。
※米国株は、3指数のうち
中間的性格の「S&P500」を本稿では採用
◆18年12月では、どうだったか?
※同一日のデータが取れないので、
18年12月上旬での近い日付で見る。
18年12月7日の米国株のPERは、16倍だ。
よって、益利回りは、6.3%(=1÷16)
18年12月2日の米国の国債金利は、3.0%だった。
*益利回り:6.3% (18年12月07日)
*国債金利:3.0% (18年12月02日)
よって、リスク・プレミアムは、3.3%である。
(=6.3%-3.0%)
「元本100万円」という
単純化したケースで、考えてみる。
株の場合は、益利回りが6.3%だ。
よって、6.3万円のリターンが、期待できる。
国債の場合は、金利が、3.0%だ。
よって、3万円の利息が、もらえる。
株は、紙くずになるリスクがある。
よって「多めに3.3万円を、貰わないと、あわない」
ということだ。
◆21年3月では?
*益利回り:4.5%
(PERは22倍→ 4.5%=1÷22)
*国債金利:1.6%
※時点は両方とも、21年3月5日
よって、リスク・プレミアムは、2.9%である。
(=4.5%-1.6%)
リスク・プレミアムは、
こうして、3%前後が、続いている。
- ■ 株価上昇の理由 とは ?
- 米国株の上昇の理由は、主に金利低下である。
では、なぜ、そうなのか?
前述の通り「株の益利回り = 金利 + 約3%」だ。
米国では、金利の下落で、株の益利回りも下落した。
金利低下 → 益利回りも、低下
株価上昇 → 益利回り(=利益 ÷ 株価)は、低下
株価が上昇して、益利回りは下がった。
しかし、金利も下がった。
「益利回り-金利」のリスク・プレミアムの値は、
コロナ前も、ウイズコロナでも約3%で、ほぼ不変。
こうして米国の株高は、金利低下で説明できる。
つまり、割高でない。
よって、米国株は、バブルではないのだ。
- ■さらに株高を後押しする要因とは ?
- さらに株高を後押しする要因 とは何?
米国での「巨額の経済対策」である。
バイデン政権の経済対策は、200兆円と巨額だ。
※米国では、2021年3月11日、約200兆円もの
巨額のコロナ経済対策法が成立した。
これは、米国GDPを、大きく押し上げ、
また、企業収益にも貢献するだろう。
巨額のコロナ経済対策も、株高に貢献している。
これも「米国株はバブルではない」ことを補完する。
- ■日本株はバブル? その理由とは ?
- 2018年12月:約3%
↓
2021年1月: 約1%と、
米国の金利は、2%下がった。
米国株上昇とPER上昇は、金利低下で説明できた。
一方、日本の金利は、近年はゼロ%程度である。
あまり変動していない。
つまり、日本の株高は、金利では説明できない。
では、日本株は、なぜ上昇したのか?
「日銀が、株を買い支えているからだ」とも言われる。
しかし日銀は、株の購入を減らし始めたが、
それでも日本株は上昇した。
米国株につられて、日本株が上昇したのだ。
単純に、バブルである。
◆日本株は、米国株に、つられる?※それぞれ、各月の終値を採用
日経平均とS&P500の、2年間の比較グラフである。
この2年間の両者のの0相関分析を、実施した。
結果は、「相関係数 0.96」だった。
「相関係数」は「0から、1まで」の値で表される。
全く相関がないが「ゼロ」で、
完全に相関するのが「1」だ。
一般に、「相関係数」は、下記が目安とされる。
* 0.7~1.0 → 強い相関がある
* 0.4~0.7 → 相関あり
* 0.2~0.4 → 弱いが相関あり
* 0 ~0.2 → ほぼ相関なし
日経平均とS&P500の上記期間の相関係数:0.96。
両者は、強い相関関係にある。
また、コロナ前よりも、コロナ禍(20年2月~)の方が、
相関係数が高まっている。
◆長期的には?
将来成長が期待されると、PERの値は、高くなる。
日本企業・日本経済は、成熟状態にある。
つまり、低成長の体質にある。
GAFA等の成長企業が、多く生まれる米国とは違う。
日本は将来期待が低いのだ。
よってPERは、日本は、米国を下回るのは、当然だ。
◆21年度の日本|企業収益は?
21年度の日本企業の利益水準は、どうか?
消費者経済総研は、約45%の増益を予想している。
20年度が悪かったので、反動増もある。
◆株価の予測値は?
日経平均の21年1月の大発会の終値は、27,258円。
この時のPERは、25である。
近年の15に対し、1.67倍で割高だ。(25÷15=1.67)
つまり、株価は67%も割高だ。
一方、21年度の増益率は45%。
20年度の株価が100としたら21年度は145だ。
つまり、145の水準のところが、167の水準にある。
すると、適正水準は、
(27,258円÷167)×145=約24,000円である。
1月の27,258円スタートで、
9月頃に、24,000円の安値に向かう。
しかし、日本株は、米国株との連れ高傾向がある。
その傾向が、一部残ると想定した。
よって9月頃は、24,000円より若干上振れし、
26,000円程度と見た。
◆年末に向け、コロナと株価は?
2021年の10月~12月には、
日本もマスクなしでも、感染減少へ向かう。※
※出典:「コロナいつまで・いつ終わる?|収束予想」
コロナの脅威は年度の後半には減少する。
消費を中心に、大きく回復していくのだ。
ここで一転、強気相場へ向かい上昇すると予測した。
2021年12月末は、28,000円と見た。
その後は、市場は落ち着き始めると予測。
年度末(2021年3月末)では、
若干の増加にとどまり、29,000円と見た。
- ■ 関連ページは?
◆「2021年度景気の見通し|TOP」
◆「2021予測|日本のGDP、賃金年収」
◆「2021マンション市場予測|経済専門家が予測」
◆「2021オフィス市場予測|経済専門家が予測」
- ■ その他の関連テーマのページは?
◆【2021年度 大予測・総合編】
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- 【著作者 プロフィール】
- ■松田 優幸 経歴
(消費者経済|チーフ・コンサルタント)
◆1986年 私立 武蔵高校 卒業
◆1991年 慶応大学 経済学部 卒業
*経済学部4年間で、下記を専攻
・マクロ経済学(GDP、失業率、物価、投資、貿易等)
・ミクロ経済学(家計、消費者、企業、生産者、市場)
・労働経済
*経済学科 高山研究室の2年間 にて、
・貿易経済学・環境経済学を研究
◆慶応大学を卒業後、東急不動産(株)、
東急(株)、(株)リテール エステートで勤務
*1991年、東急不動産に新卒入社し、
途中、親会社の東急(株)に、逆出向※
※親会社とは、広義・慣用句での親会社
*2005年、消費・商業・経済のコンサルティング
会社のリテールエステートに移籍
*東急グループでは、
消費経済の最前線である店舗・商業施設等を担当。
各種施設の企画開発・運営、店舗指導、接客等で、
消費の現場の最前線に立つ
*リテールエステートでは、
全国の消費経済の現場を調査・分析。
その数は、受託調査+自主調査で多岐にわたる。
商業コンサルとして、店舗企業・約5000社を、
リサーチ・分析したデータベースも構築
◆25年間の間「個人投資家」としても、活動中
株式の投資家として、
マクロ経済(金利、GDP、物価、貿易、為替)の分析や
ミクロ経済(企業動向、決算、市場)の分析にも、
注力している。
◆近年は、
消費・経済・商業・店舗・ヒットトレンド等で、
番組出演、執筆・寄稿、セミナー・講演で活動
◆現 在は、
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼、(株)リテール エステート リテール事業部長
◆資格は、
ファイナンシャル・プランナーほか
■当総研について
◆研究所概要
*名 称 : 消費者経済総研
*所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者 : 松田優子
*U R L : https://retail-e.com/souken.html
*事業内容: 消費・商業・経済の、
調査・分析・予測のシンクタンク
◆会社概要
「消費者経済総研」は、
株式会社リテールエステート内の研究部署です。
従来の「(株)リテールエステート リテール事業部 消費者経済研究室」を分離・改称し設立
*会社名:株式会社リテールエステート
*所在地:東京都新宿区新宿6-29-20
*代表者:松田優子
*設立 :2000 年(平成12年)
*事業内容:商業・消費・経済のコンサルティング
■松田優幸が登壇のセミナーの様子
- ご案内・ご注意事項
- *消費者経済総研のサイト内の
情報の無断転載は禁止です。
*NET上へ「引用掲載」する場合は、
①出典明記
②当総研サイトの「該当ページに、リンク」を貼る。
上記の①②の2つを同時に満たす場合は、
事前許可も事後連絡も不要で、引用できます。
①②を同時に満たせば、引用する
文字数・情報量の制限は、特にありません。
(もっと言いますと、
①②を同時に満したうえで、拡散は歓迎です)
*テレビ局等のメディアの方は、
取材対応での情報提供となりますので、
ご連絡下さい。
*本サイト内の情報は、正確性、完全性、有効性等は、保証されません。本サイトの情報に基づき損害が生じても、当方は一切の責任を負いませんので、あらかじめご承知おきください。
- 取材等のご依頼 ご連絡お待ちしています
- メール: toiawase★s-souken.jp
(★をアットマークに変えて下さい)
電 話: 03-3462-7997
(離席中が続く場合は、メール活用願います)
- チーフ・コンサルタント 松田優幸
- 松田優幸の経歴のページは「概要・経歴」をご覧下さい。