3分でわかる | 実は、年金は、お得な制度? | 年金は、払った金額の2倍以上も、貰える? | 2019年6月20日


【実は、年金は、お得な制度?】

年金は、払った金額の2倍以上も、もらえる?

「支払額」と「受取額」を比較します。


~3分でわかる 年金の損得~

わかりやすく解説します

令和と平成の消費と経済を科学する「令和平成・消費者 経済 総研」
(以下略称:「消費者経済総研」 東京都新宿区、代表:松田 幸治)は、
2019/6/20に、掲題内容を掲出します。


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本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていきます。

*初稿:2019年6月20日(木)18:00
*2稿:2019年6月26日(水)16:00
 

3分でわかる | 実は、年金は、お得な制度? | 2019年6月20日

■【先だって、要約編】■
◆単純化モデルでは?

「4000万円(生涯のもらう額)」÷ 「1800万円(生涯の支払い額)」
=約2.2倍

単純化モデルでは、支払った分の2.2倍も、
年金をもらえることになります。


◆個々人の計算では?

年金機構から届いた「ねんきん定期便」のハガキを見ると、
2倍強もらえる、となります。

■先立って、ご注意も

このページでは「わかりやすさ」のために、正確性を下げて、イメージとして掴んでいます。

■単純化モデル編

*期間の設定は?

支払期間は、20歳から59歳までの40年分
受取期間は、65歳から84歳までの20年分


*年収と手取りの設定は?

「額面年収500万円」-「税・保険料100万円」=400万円が「手取り年収」


*「所得代替率」とは?

所得代替率とは、簡単にいうと、「もらえる年金額」÷「現役世代の手取り収入額」です。
( "手取り" であることを忘れずに)

これは、受給年金の水準の指標です。
この水準の「所得代替率」は、下がった場合、50%未満になる可能性はありますが、
政府は、50%はキープしたい考えでいます。


*受け取りの設定は?

所得代替率を50%

手取り年収400万円 × 代替率50% = 200万円 を年間で、もらえる
200万円 × 20年 = 4000万円を、生涯で、もらえる。


*支払いの設定は

年収500万円 × 料率9% = 45万円(年間支払の額)
45万円 × 40年 = 1800万円(生涯の支払い額)


■「支払い額の総額」と「もらう額の総額」そして「倍率」

生涯の支払い額:1800万円
生涯のもらう額:4000万円

4000万円÷1800万円=約2.2倍です。


■個々人の計算 (ねんきん定期便で)

年金機構から届いた「ねんきん定期便」のハガキには、
① 加入実績に応じた年金額(年額)→もらえる見込み額
② 保険料納付額(累計額)→支払い累計額
が記載されています。

*50歳未満では?
①÷②=2倍強

*50歳以上では?
①÷(②+今後の支払額)=2倍強

ということで、
年金は、生涯の支払い保険料総額の、2倍強も、生涯で受け取れる、となります。
~以上が、「先立って、要約編」ですが、 この後、詳細編です~
■【支払いの計算(年金保険料の納付)】

まず、今回の前提条件を整理します。

20歳から59歳まで、年金の保険料を支払うとします。

65歳から84歳まで、年金を受け取るとします。
(85歳になる直前まで生存という仮定)

すると、ほぼ、40年分を支払って、20年分をもらう、となります。

現在の厚生年金保険料の支払いは、収入の18.3%です。

(「標準報酬月額」等の用語も使わず、
 賞与の上限なども考慮せず、とにかくシンプル・アバウトにして説明していきます)

保険料は、会社が半分払ってくれるので、半分を個人で払います。

( 会社負担 9.15% + 個人負担 9.15% = 18.3% )

単純化のために、少数以下を切り捨てて、個人負担を、9%とします。

年収500万円の人は、500万円×9%=45万円(年額)支払うことになります。

20歳から59歳までの40年分、毎年45万円払うと、
45万円×40年=1800万円となります。

(ここも昇給などを考慮せず、20歳~59歳まで
 年収は、500万円で一定としています。)

生涯で、支払う保険料を、1800万円とします。


■【「手取り」の年収とは】

額面の年収(月給+ボーナス)から、
税金・社会保険料を引いたのを「手取り」の年収とします。

ここでは、「手取り率」を単純化し、8割※とします。

「額面年収500万円」-「税・保険料100万円」=400万円が「手取り年収」

400万円(手取り) ÷ 500万円(額面)= 8割※


■【「所得代替率」とは?】

所得代替率とは、簡単にいうと、
「もらえる年金額」÷「現役世代の手取り収入額」です。
(手取りであることを忘れずに。)

これは、受給年金の水準の指標です。
この水準の「所得代替率」は、下がった場合、50%未満になる可能性はありますが、
政府は、50%はキープしたい考えでいます。


■【もらう額の計算(年金受給額)】

現役世代の年収を、額面500万円で、手取りが400万円とします。

所得代替率を50%とします。

貰える率(所得代替率)は、50%なので、
400万円×50%=年間で200万円もらえます。

65歳からもらい始めて、84歳までの20年分、年金を、もらうとします。

200万円×20年=4000万円もらえます。

■「支払い額の総額」と「もらう額の総額」

支払う:1800万円
もらう:4000万円

4000万円÷1800万円=2.2

ということで、払った額の約2.2倍もらえることになります。

ここだけ見れば、とってもお得です。

1800万円支払って、1800万円もらうならば、同じです。
しかし4000万円もらえるので、2.2倍も、もらえます。

   ~以上、シンプル・アバウトなモデルでの倍率でした~


■【自分は、何倍もらえるか?】

上記のモデルは、極めて単純化したものです。

年収水準は、85年間変わらず、一定としています。
物価も、85年間変わらず、一定としています。
保険料率(個人分)も9%で一定です。

その他、様々な変動要因がありますが、
正確性を上げていくと、複雑さは、どんどん増えます。

自分で、計算するのは、大変面倒です。
そこで、「ねんきん定期便」に注目します。


■【ねんきん 定期便 では、何倍になる?】

日本年金機構から、毎年、皆さんに
「ねんきん定期便」というハガキが、送られてきます。

日本年金機構が、皆さん個々人の支払額と、
もらえる額(予想)を、計算してくれて、それが記載してあります。

では、「自分の場合は、どうか?」 ねんきん定期便で、見てみましょう。

50歳未満の人と、50歳以上の人では「ねんきん定期便」のフォーマットは異なります。
■【50歳未満の人は?】


下記は、拡大図です

*「もらう額」と「支払い額」の倍率は?

① 加入実績に応じた年金額(年額)

② 保険料納付額(累計額)

ねんきん定期便のハガキには、この①と②も記載されています。
皆さんも、ハガキを見て下さい。

仮に84歳まで存命で、65歳の受給開始から84歳までの
20年分を、もらうと想定ます。

(①×20年)÷② → これは、どのくらいになりますか?

この倍率をみて「おぉ、結構な倍率で、もらえるな!」になるかもしれません。

「なんか少ないぞ!」の場合では、下段の記載の問い合せ電話で、聞いてみて下さい。

(個人負担は、しているが、会社から国へ納付されていない、や
 消えた年金記録問題にかかわっている可能性なども、無きにしも非ずです。)


*どの時点の金額?

最新のハガキの金額は、直近時点での金額です。
この時点で、仕事も辞めて、保険料の支払いもしない、
という場合は、もらえる年金は、この金額となります。

しかし、仕事も辞めず、今後も支払い続ければ、
②(支払い累計額)は、毎年、増えていきます。

②が増えれば、それに応じて①(もらえる額)も増えます。

ハガキは2009年4月から、毎年来ているので、
複数年のハガキを見比べてみれば、わかります。

次の年のハガキは、①も②も両方、増えていませんか?

①と②が両方増えてますので、
「①÷②の倍率」も、そんなに大きな変化は、ないのではないでしょうか?

ぜひ、ご自身のハガキを見てみましょう。


■【50歳以上の人は?】

50歳以上の人には、50歳未満の人のハガキとは、違うフォーマットのハガキが来ます。

ハガキには、
 ① 1年間の受取見込み額
 ② 保険料納付額(累計)
の記載もあります。

①が、もらえる額で、②が支払った額です。

「①×20年間」÷「②」を計算すると、
上述(50歳未満)の倍率よりも多いです。それはなぜでしょうか?

50歳以上の①の金額は、今後も、その時点の収入で59歳まで続いたら、
とした場合の予測額(見込み額)です。

②の金額は、直近時点での「これまでの保険料納付額(累計)」です。
今後も、支払いは続くので、②は、増えていきます。

「 ①×20年 」÷「 ② + ③(今後の支払い額) 」

「③=今後の支払い額」を足し算しないと、倍率が見えません。


*総支払い額(累計)は?

ハガキには、月別の「保険料納付額」の記載があります。

13カ月分の記載がありますが、
ここでは4月~3月までの12か月分で計算してみます。

最新のハガキでの、保険料納付額12カ月分を合計した金額を、
今後の「予想支払い年額」としてみます。

(なお、平成29年(2017年)9月からは、保険料率は、固定の見込みです。)

その金額に、退職するまでの年数をかけます。
今、50歳で、59歳までは10年分あるとします。

「予想支払い年額」×10年=「今後の予想支払い額」

「②これまでの保険料納付額(累計)」
 +
「③今後の予想支払い額」

②+③=④が人生での総支払額だとすると、
①(もらえる総額)÷④(生涯の支払い総合計)=この倍率は、
どのくらいになりますか?

このページでの設定に近い人の「ねんきん定期便」を、
いくつか見聞きしましたが、この倍率は、だいたい2倍強程度でした。

■【半分を、誰が負担?】

「国民年金」は、半分が、国庫負担(税金)です。
「厚生年金保険」は、半分が、会社負担です。

こうして半分を自分以外が負担しているから2倍になるとは、
単純に言えないかもしれませんが、「自分の負担は半分だ」ということは、
お得な理由になるのではと思います。

■【その他の見方】

なお、国庫負担があるということは、税金で国民が負担しているということで、
違う倍率になるという見方もあります。

逆にいうと、税金を通じて保険制度の費用を、既に負担しているので、
保険加入していない人は、損をしている、とも言えます。
 (実際は、「損得」の話ではなく、保険料を支払うことは「義務」です)

また、もし保険料を全額支払って、翌日、2倍強の年金を全額もらえるなら、
お得感は強いですが、支払期間と受け取り期間は、長期にわたります。

支払いの時期と、受取りの時期が離れているので「期間の概念」を考慮に入れると
また、話は変わってきます。

このあたりは、続編で取り上げてみたいと思います。


■【ねんきんダイヤルで質問、相談を】

今回は、思いっきり単純化した計算です。

繰り返しですが、様々な要因で、いろいろ変動します。
また、正確ではありません。

正確なことを知りたい、より詳しく知りたい場合は、
0570-058-555「ねんきん定期便・ねんきんネット等専用ダイヤル」
に電話して、確認してみて下さい。

私も、何度か電話して質問しました。

上記の電話が混雑している場合は、

「年金事務所」で検索して
 ↓
「全国の相談・手続き窓口|日本年金機構」
 ↓
「日本年金機構」の「全国の相談・手続き窓口」
 ↓
 各事務所の電話番号へ、掛けても、相談に乗ってもらえます。

私は、「ねんきんダイヤル」も「年金事務所」も
両方電話させて頂きましたが、後者の方がつながりやすかったです。


■【みんなで、年金制度を】

「年金は破綻する」「年金は、1円も、もらえない」
「もらえても、大幅に減る」など、こんな言葉が、日本では、飛び交っています。

金融庁ワーキング・グループの報告書の公表から、注目を浴びることになった「年金」

自民党の小泉進次郎さんは「年金を説明・議論するチャンス」
という趣旨の発言をしました。

消費者経済総研でも、ぜひ、皆さんと一緒に、
「年金を、知り、議論する」場を続けていきます。


■【 3分でわかるシリーズ 開設の動機 】

チーフ・コンサルタントの松田優幸は、1987年に慶応大学の経済学部に入学して、
4年間、マクロ経済学を始めとした各経済学を研究していました。

研究を開始した時の感想は「経済学の論文や文献は、よくわからない」でした。

その後、理解が進んだ後には
「よくわかった。しかしなんで、わざわざ、わかりにくい表現をするのか?」
との感想を持ちました。

昨今、世の中に登場する解説でも「わかりにくい」表現は、
いまだ少なくない、と感じています。

そこで「3分でわかるシリーズ」を展開することで、
多くの方々に「わかりやすく」お伝えしていく考えです。
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