クルマ購入編|消費税、経済の専門家評論家が、わかりやすく解説|消費者経済総研|2019年9月1日
|クルマ購入編| 消費税・経済の専門家評論家が、わかりやすく解説。 消費増税の後では、 自動車税の種別割の減税、環境性能割の軽減があります。 ★新車の「自動車税・種別割」が毎年減税 ★取得税→環境性能割へ変更で、増税後1年間は1%軽減 【 連載シリーズ 消費増税 】 ~ 増税の後は、どれだけ、お得?~ (クルマ 購入編) 消費増税の後には、様々な救済措置があります。 今回号は「クルマ購入時の救済政策」です。 消費と経済を科学する「消費者 経済 総研」 (東京都新宿区、代表:松田 幸治)は、 2019/9/1に、掲題内容を掲出します。 2019/10/1の消費増税に関連して 「シリーズ 消費増税」を連続して掲載していきます。 チーフ・コンサルタントの松田優幸を筆頭に、 消費税等の評論家・専門家として わかりやすい解説をお届けしています。 ------------------------------ 本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていきます。 *初稿:2019年9月1日(日)19:00 *当方が提供する情報は、正確性・完全性・有効性・真実性・最新性・適法性等何らの保証もなく、 利用・活用は、利活用者の自らの判断・責任であり、損害が生じても当方は一切の責任を負いません。 |

■「先立って、要約編」■ |
---|
■はじめに 本件のテーマに関連する制度や税制は、大変複雑です。 正確さを追求しますと、複雑化し、わかりにくくなります。 ここでは、わかりやすさを優先し、様々な点において単純化・省略化等をしています。 このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、要約編→詳細編を見た後であっても 行政庁や税理士等、メーカ・販売会社へ確認や相談をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、対応してください。また「免責事項」をお読みください。 ■増税後が、お得なケースとは? ~消費増税の後では~ ★ 新車の「自動車税」が、毎年減税へ ★「取得税」→「環境性能割」へ変更で、消費増税後1年間は1%軽減 ★ モデルケース(約200万円の新車)では、消費増税の後の方が、約3万円お得に! ■今回号は、「クルマ 購入編」 【連載シリーズ 消費増税】として(住宅編)では (その1)から(その3)そして(結論編)まで、連載してきました。 今回号の「クルマ 購入編」では、 消費税増税の「前」と「後」で、結局、どちらがお得? そして、どのくらいお得? を、取り上げます。 ※消費増税の前と後の時期は、前は2019年9月、後は2019年10月とします。 ■クルマに関する各種の税金とは? ◆保有の際の税金 ・自動車重量税 ・自動車税 ◆購入の際の税金 ・自動車取得税→環境性能割 ・消費増税 クルマの税金で今回注目するのは、主に上記4種類があります。順番に見ていきます。 ■消費増税の前と後 どう変わる? 4つの税金について、消費増税の前と後で、どう変わるかを見ていきます。 本ページでの消費増税の前と後の時期は、前:2019年9月、後:2019年10月としています。 ■クルマの種別は? 「自家用車」で「普通・小型の乗用車」の「新車」の購入の場合を対象として見ていきます。 ■「消費税」は? 消費税は、ご存知の通り、2019年10月1日に、8→10%へと、2%増税されます。 ■「自動車取得税」と「環境性能割」で、どう変わる? 消費増税の時に、購入時のクルマの税が、変わります。 「自動車取得税」は廃止され、新しく「環境性能割」が誕生します。 どちらの税制も、燃費の良い方が、税金が軽減されます。 ■消費増税の「前」の「自動車取得税」とは? *税率は? 「自動車取得税」は、自動車の購入時に、取得価額に、税率をかけて計算されます。 原則税率は、3%です。(取得価格×3%=自動車取得税) *軽減税率は? 取得税の税率は、「エコカー減税」が適用されると、軽減されます。 減税の度合いは、燃費が良いクルマで、あればあるほど、有利になります。 減税の度合いは、▼2割~▼10割です。 ■消費増税の「後」の「環境性能割」とは? *税率は? 「環境性能割」の基本税率は、0~3%です。 燃費の良いクルマほど、税率が下がります。例えば、電気自動車は、非課税(0%)です。 *軽減措置とは? (1年間、1%分軽減) さらに、消費増税の後の1年間(2019年10月1日~2020年9月30日)は、 「環境性能割」の税率は、1%が、軽減されます。 ■自動車重量税 「自動車重量税」は、車の重さに応じて増える税金で、税額は0.5tあたりの「年額」です。 税額の単位は年額ですが、新車登録や車検の時に、3年分や2年分を、まとめて支払います。 自動車重量税は、消費増税の前と後では、お得度合いの差は、生じません。 ■「自動車税」は? 「自動車税」は、クルマの所有者が「毎年」払う税金です。 また「自動車税」は、排気量の多さに応じて、増える税金です。 登録車を所有している場合に、4月1日時点の車検証上の所有者に対し、毎年課税されます。 ◆自動車税の「毎年減税」とは? 消費税の増税以降に新車を購入すると「自動車税」が減税になります。 1回限りの減税ではなく、毎年減税が継続します。 ◆自動車税の減税で、お得度が、高いのは? 2,000cc以下は、減税額が大きくなります。 2,000cc以下は、排気量が、少なくなれば、少ないほど、お得になります。 一番低い排気量帯(排気量1000cc以下)では、年間4,500円が、毎年減税となります。 ◆自動車税の保有期間の合計のお得額は? ところで、クルマは、どのくらいの年数を、保有されるのでしょうか? 平均所有年数は約8年です。そこで、クルマを買ったら8年間、乗り続けるとしてみます。 ■具体的なクルマでは、どうなる? モデルケースで見てみます。 2018年の年間の乗用車の販売数ランキングは、 1位「ノート」、2位「アクア」、3位「プリウス」でした。 ここでは、2018年に最も売れた「日産 ノート」をモデルケースとして見てみます。 なお「ノート」の中にも、様々な種類がありますが「nismo」のグレードで見てみます。 「日産 ノート nismo」の概要は *環境性能: 【 排ガス基準(★★★★) 及び 2020年度 燃費基準 +10%達成車 】※です。 ※表記が長いので、略称【四つ星・10%プラスの車】とします。 *主なスペック: ・駆動:2WD ・エンジン+モーター:HR12DDR ・トランスミッション:エクストロニックCVT ・車両重量 1110kg ・排気量 1198cc ・メーカー希望小売価格: 2,122,200円(消費税抜きは1,965,000円) ◆消費増税の「前」の【取得税】は? *原則税率は? 取得税の原則税率は、3%です。 *税額は? 税額は、取得価格×3% で、計算します。 自動車の取得価額は、希望販売価格の「90%」程度が目安となっています。 希望小売価格1,965,000円 × 0.9 × 税率3% = 53,055円 53,055円が、自動車取得税額です。 *エコカー減税の後の税率は? 「ノート nismo」は「四つ星・10%プラスの車」の環境性能です。 その環境性能のクルマは、2019年9月末まではエコカー減税により 取得税が▼2.5割となります。 よって、エコカー減税後の取得税の税率は、3%-(3%×0.25) =2.25%となります。 こうして、消費増税の前では、2.25%の「自動車取得税」が課税されます。 *「エコカー減税」の適用後の税額は? エコカー減税を計算に入れると、希望小売価格1,965,000円 × 0.9 × 税率2.25% = 39,791円が、減税後の自動車取得税額です。 ※端数処理は考慮してません ◆消費増税の「後」の【環境性能割】は? *環境性能割の基本税率は? 消費増税の後は「取得税」がなくなり、新設の「環境性能割」が課税されます。 「四つ星・10%プラスの車」の「環境性能割」の基本税率は、1%です。 ※基本税率は、環境性能に応じて変化します。燃費が良い車ほど、税率は下がります。 日産ノートnismoは「四つ星・10%プラスの車」に該当し、基本税率は、1%です。 *環境性能割の1年間の軽減とは? 消費増税から1年間は、環境性能割には、臨時的軽減措置があります。 2019年10月1日~2020年9月30日では、税率は1%分が軽減されます。 よって「四つ星・10%プラスの車」である「日産 ノート nismo」は 基本税率1% - 軽減分1% = 0% で、非課税(0%)になります。 ◆消費増税の 前 → 後 (取得税 → 環境性能割)の差は? *税率の差は? ・消費増税の前:2.25% (自動車取得税) ↓ ・消費増税の後:0% (環境性能割) 消費増税の「後」が、2.25% お得!となります。 *税額の差は? ・消費増税の前:39,791円(自動車取得税額) ↓ ・消費増税の後:0円(自動車取得税は廃止で、新設の環境性能割はゼロ) 「日産 ノート nismo」(四つ星・10%プラスの車)における、 増税前(取得税) → 増税後(環境性能割) の差では、 消費増税の「後」が、約4万円(希望小売価格の約2%)お得!と、なります。 ■【自動車税】では、どのような差? 自動車税は、クルマの所有者が「毎年」払う税金です。 また「自動車税」は、排気量の多さに応じて、増える税金です。 ◆8年間分のお得額は? クルマの平均所有年数は、約8年なので、8年間で計算してみます。 「日産ノートnismo」は1198ccなので「1000cc超~1500cc以下」のクラスに該当します。 そのクラスでの自動車税は、 消費増税の「前」では、34,500円/年で、消費増税の「後」では、30,500円/年です。 消費増税の後に買えば、年間4,000円お得になります(4,000円=34,500円-30,500円) 8年間では、計32,000円お得になります。(年間4,000円×8年間) ◆自動車税の「グリーン化特例」を考慮すると? 「四つ星・10%プラスの車」は「グリーン化特例」が自動車税に、適用されます。 自動車税が、1年間分だけ、概ね▼5割が、軽減されます。 消費増税の「前」では、34,500円×0.5=17,250円/年で、 消費増税の「後」では、30,500×0.5=15,250円/年です。※ ※グリーン化特例の軽減割合は概数であり、計算結果の値も概数です。 グリーン化特例では、1回・1年分だけですが、 その年は、17,250円→15,250円と、お得度は2,000円に変わります。 1年分のお得額:2,000円(グリーン化特例) 7年分のお得額:4,000円×7年=28,000円 8年間の合計お得額は、30,000円(2,000円+28,000円)です。 こうして、自動車税では、消費増税の後の方が、3万円お得となります。 ■結局、合計で、いくらお得? 日産 ノート nismo (四つ星・10%プラス、1198cc)では ◆消費増税2%(8→10%) 希望小売価格1,965,000円 × 0.9(1割値引き)× 2% = 35,370円 35,370円が、消費増税の後で、「損」 ◆自動車税 30,000円が、消費増税の後で「お得」 ◆自動車取得税 → 環境性能割 39,791円が、消費増税の後で「お得」 ◆合計 + 30,000円 (自動車税) お得 + 39,791円 (取得税・環境性能割) お得 - 35,370円 (消費増税) 損 = 34,421円 消費増税の「後」が、34,421円 お得!となりました。 以上は、あくまで「四つ星・10%プラスの車」・「排気量1000cc超~1500cc以下」 に該当する「日産 ノート nismo 」の場合です。 「日産 ノート nismo」は、消費増税の後のお得度が高い車種です。 損得の度合いは、排気量や環境性能等で、変動します。 続いて下記に続く 「詳細編」 をお読みください。 |
続いて下段に続く「詳細編」をお読みください |
■筆者プロフィール 松田優幸 ◆番組出演・執筆・講演等のご依頼は、お電話・メールにてご連絡ください。 ◆実績一覧(番組出演・執筆・寄稿・講演等)は、 こちら を、ご覧下さい。 1987年に、慶応大学 経済学部 入学 1991年~東急不動産、東急電鉄、リテールエステートに勤務 現在は、消費者経済総研 チーフ・コンサルタント 資格は、 ・ファイナンシャル・プランナー ・宅地建物取引士資格者 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで) ・簿記3級 |
■ご留意事項 ※当総研が提供する情報においては、情報の簡略化・省略等をしている箇所があります。 ※ご自身が記載内容と全部又は一部において一致又は類似していても、制度がご自身に同様に適用又は非適用とはならない場合があり、また、同じ計算や同じ計算結果とならない場合があります。 このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、行政庁や税理士等へ確認や相談をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、対応してください。 また「免責事項」をお読みください。 |
~以上が、「先立って、要約編」ですが、 この後、詳細編です~ |
---|
■■ 詳 細 編 ■■ |
■クルマの種別とは? ◆「自家用車」「営業車」について クルマには「自家用車」や「営業車」の区別があります。 ここでは「自家用車」にフォーカスします。 ◆「普通・小型の乗用車」や「軽乗用車」について 「普通・小型の乗用車」や「軽乗用車」などの区別があります。 なお「普通乗用車」とは、通称「3ナンバー車」のことです。 「小型乗用車」とは、通称「5ナンバー車」のことです。 ちなみに、2018年の新車の年間販売台数は、 ・軽乗用車は、約150万台 ・乗用車(普通+小型)は、約290万台 この2種類の比較では、普通・小型乗用車は、軽乗用車の約2倍です。 このページでは、多い方の「普通・小型の乗用車」にフォーカスします。 また、新車か中古については「新車」を対象として見ていきます。 ■クルマに関する各種の税金とは? ◆クルマの「保有」の税金とは? クルマを保有している間の税金には「自動車重量税」と「自動車税」があります。 *「自動車重量税」とは? 「重量税」は、クルマの重さに応じて増える税金で、税額は0.5tあたりの「年額」です。 税額の単位は年額ですが、新車登録や車検の時に、3年分や2年分を、まとめて支払います。 *「自動車税」とは? 「自動車税」は、排気量の多さに応じて増える税金です。 クルマの所有者が、「毎年」払う税金です。 登録車を所有している場合に、4月1日時点の車検証上の所有者に対し、毎年課税されます。 ◆クルマを買うときの税金は? 購入時の税金には「自動車取得税」と「消費税」があります。 *「消費税」は ご存知の通り、2019年10月1日に、8→10%へと2%増税されます。 *「自動車取得税」は 原則的に、取得価格×3%の金額が、課税されます。 税率は「エコカー減税」が適用されると、軽減されます。 *「環境性能割」は 消費増税の時に、新しい税制として導入されます。税率は0~3%です。 消費増税の時に「自動車取得税」は廃止され、代わりに「環境性能割」が導入されます。 ■消費増税の前と後 どう変わる? ・自動車重量税 ・自動車税 ・自動車取得税→環境性能割 ・消費増税 上記4つの税金を、順番に見ていきます。 ■自動車重量税 このページでの消費増税の前と後の時期は、 前:2019年9月、後:2019年10月としています。 自動車重量税は、消費増税の前と後では、お得度合いの差は生じません。 ■「自動車税」が毎年減税(新車) 消費税の増税以降に新車を購入すると「自動車税」が減税になります。※ 1回限りの減税ではなく、毎年減税が継続します。 ※10月1日以降に、初回新規登録を受けた場合 排気量2500㏄超のクルマでは、年間1000円が、毎年減税になります。 なお、全ての排気量において「自動車税」が引き下げられるのは、 1950年の制度創設以来、初めてです。 ◆自動車税の減税で、お得度が、高いのは? 排気量2500cc超のクルマの減税額は、年間1000円が、毎年減税でした。 2,000cc以下は、減税額が大きくなります。 排気量が、少なくなれば、少ないほど、お得になります。 一番低い排気量帯(排気量1000cc以下)では、年間4,500円が、毎年減税となります。 ※排気量別の自動車税一覧はこちら ◆自動車税の保有期間の合計のお得額は? ところで、クルマは、どのくらいの年数を、所有したり、使用されたりするでしょうか? 平均使用年数は、約13年で、 ※1 平均所有年数は、約8年です。 ※2 ※1 新車登録されてから抹消登録されるまでの期間の平均年数(日本国内) ※2 1オーナーが、1台を乗り続けた期間 (出典情報は下段に一覧記載) そこで、クルマを買ったら8年間、乗り続ける、としてみます。 ◆8年間で、どれだけお得? 例えば、1,500ccの自動車を、8年間保有した場合の、自動車税は、 消費増税の「前」では、34,500円/年で、消費増税の「後」では、30,500円/年です。 年間4,000円お得なので、8年間では計32,000円(4,000円×8年) お得になります。 ~このケースでは、消費増税の後で、自動車税は3.2万円お得~ ※この他「グリーン化特例」が適用される場合があります。 ■「自動車取得税」と「環境性能割」どちらがお得? 消費増税の時に、購入時の税が、変わります。 「自動車取得税」は廃止され、新しく「環境性能割」が誕生します。 どちらの税制も、燃費の良い方が、税金が軽減されます。 ◆「自動車取得税」の税率は? 「自動車取得税」は、自動車の購入時に、取得価額に税率をかけて計算されます。 税率は、3%です。 燃費の良い自動車は「エコカー減税」によって、「自動車取得税」が軽減されます。 減税の度合いは、燃費が良いクルマであればあるほど、高まります。 減税の度合いは、▼2割~▼10割です。 ※エコカー減税の減税度合の一覧表はこちら ◆「環境性能割」の税率は? 環境性能割の税率は、0~3%です。 燃費の良いクルマほど、税率が下がります。 例えば、電気自動車は、非課税(0%)です。 ※環境性能割の税率一覧表はこちら ◆「環境性能割」で負担はどう変わるの? エコカー減税適用後の「自動車取得税」の税率より、「環境性能割」の方が税が軽減される自動車も多くあります。 ◆1年間、1%分軽減 さらに、消費増税の後の1年間(2019年10月1日~2020年9月30日)は、 環境性能割の税率は、1%が、軽減されます。 ※環境性能割の税率一覧表はこちら ◆モデルケースで見てみます。 「排ガス基準(★★★★)」及び「2020年度燃費基準+10%を達成」の登録車※ を、購入する場合を見てみます。 ※この表記は長いので、「四つ星・10%プラスの車」とします。 ※登録車とは、一言で言うと「軽自動車以外」です *消費増税の前 自動車取得税の原則税率は、3%です。 「四つ星・10%プラスの車」は、2019年9月末までは、エコカー減税で▼2.5割です。 よって、3%-(3%×0.25)=2.25%となります。 こうして消費増税の前では、2.25%の「自動車取得税」が課税されます。 *消費増税の後 消費増税の後(2019年10月以降)は、新設の「環境性能割」が課税されます。 「四つ星・10%プラスの車」の基本税率は、1%です。 *環境性能割の1年間の軽減とは? 消費増税から1年間は、環境性能割には臨時的軽減措置があります。 2019年10月1日~2020年9月30日では、環境性能割の税率から、1%分が軽減されます。 よって「四つ星・10%プラスの車」は、基本税率1% - 軽減分1% = 0% で、 非課税(0%)になります *消費増税の前と後の差は? ・消費増税の前:自動車取得税2.25% ↓ ・消費増税の後:環境性能割0% 消費増税の後が、2.25%お得!となります。 ■具体的なクルマではどうなる? 2018年の年間の乗用車販売数ランキングは、 1位「ノート」、2位「アクア」、3位「プリウス」でした。 1位の日産自動車のノートは、13万6324台を販売しました。 「ノート」の中にも、様々な種類がありますが「nismo」というグレードで見てみます。 【日産 ノート NISMO】の日産の公式サイトでは、 「排ガス基準(★★★★)」及び「2020年度 燃費基準+10%達成車」※1の記載は 見当たりませんでしたが、「エコカー減税 取得税:-25%」※2との記載は、あります。 ※2は、※1の場合に適用ですので、「ノート nismo」は 「排ガス基準(★★★★)及び2020年度 燃費基準+10%達成車」 であると想定して見てみます。 ※2019/8/28に日産自動車に電話したところ、上記の想定通りと翌日確認できました。 ですので「四つ星・10%プラスの車」です。 ※「ノート nismo」は、自動車税のグリーン化特例対象であるのに、「自動車税減税額」 が「-(適用無し)」と日産公式サイトに記載されていました。(2019/8/28時点) この点も筆者が指摘したところ「筆者指摘通りなので修正しておく」との回答が、 日産自動車さんから翌日、ありました。 【日産 ノート NISMO】主なスペック ・駆動:2WD ・エンジン+モーター:HR12DDR ・トランスミッション:エクストロニックCVT ・車両重量:1110kg ・排気量:1198cc ・メーカー希望小売価格: 2,122,200円(消費税抜きは1,965,000円) ◆【取得税】は? エコカー減税の後の額は? 取得税の税率は3%です。 自動車の取得価額は、希望販売価格の90%程度が目安です。 1,965,000円×0.9×3%=53,055円で、 53,055円が自動車取得税額です。 エコカー減税(-25%)を計算すると53,055×0.25=13,264円が減税額です。 53,055-13,264=39,791円 39,791円が減税後の自動車取得税額です。 ※端数処理は考慮してません ◆【環境性能割】は? 消費増税の後の環境性能割の税金は? 「四つ星・10%プラスの車」の「環境性能割」の税率は既述の通り、 基本税率1% ― 軽減措置1% = 0%となり、環境性能割は、非課税となります。 *消費増税の前は、39,791円(自動車取得税額) ↓ *消費増税の後は、0円(自動車取得税は廃止で、新設の環境性能割はゼロ) 消費増税の後で、約4万円(自動車価格の約2%)お得!と、なります。 ■【自動車税】は? ◆8年間分のお得額は? 既述の通りクルマの平均所有年数は、約8年なので8年間で計算してみます。 ノートnismoは、1,500cc以下に該当します。 自動車税は、消費増税の「前」では、34,500円/年で、「後」では、30,500円/年です。 年間4,000円お得なので、8年間では計32,000円(4,000円×8年) お得になります。 ◆グリーン化特例を考慮すると? 「四つ星・10%プラスの車」は「グリーン化特例」が適用されます。 自動車税が、1年間分だけ、概ね▼5割軽減されます。 消費増税の「前」では、34,500円×0.5=17,250円/年で、 消費増税の「後」では、30,500×0.5=15,250円/年です。 グリーン化特例では、17,250円→15,250円と、お得度は2,000円となります。 1年分のお得額:2000円(グリーン化特例) 7年分のお得額:4000円×7年=28,000円 8年間の合計お得額は、30,000円(2,000円+28,000円)です。 自動車税では、3万円お得となります。 ■合計で、いくらお得? 日産 ノート nismo (四つ星・10%プラスの車、1198cc)では ◆消費増税 2% 1,965,000円×0.9(1割値引き)×2%=35,370円 35,370円が、消費増税の後で、損 ◆自動車税 30,000円が、消費増税の後で、お得 ◆自動車取得税→環境性能割 39,791円が、消費増税の後で、お得 ■合計と結論 35,370円(消費増税)-30,000円(自動車税)-39,791円(取得税・環境性能割)=-34,421円 日産ノートnismoでは、 消費増税の後が、34,421円お得!となりました。 |
■筆者プロフィール 松田優幸 1987年に、慶応大学 経済学部 入学 1991年に、東急不動産へ入社し、途中に親会社の東急電鉄へ逆出向 現在は、消費者経済総研 チーフ・コンサルタント 資格は、 ・ファイナンシャル・プランナー ・宅地建物取引士資格者 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで) ・簿記3級 |
■ご留意事項 ※当総研が提供する情報においては、情報の簡略化・省略等をしている箇所があります。 ※ご自身が記載内容と全部又は一部において一致又は類似していても、消費増税の救済策がご自身に同様に適用又は非適用とはならない場合があり、また、同じ計算や同じ計算結果とならない場合があります。 このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、行政庁や税理士等、メーカ・販売会社へ確認や相談をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、対応してください。 また「免責事項」をお読みください。 ※引用・出典 車の平均所有期間・平均使用年数:カーセンサー |
■筆者プロフィール 松田優幸 1987年に、慶応大学 経済学部 入学 1991年に、東急不動産へ入社し、途中に親会社の東急電鉄へ逆出向もし、 都市開発・街づくり・不動産営業を、おこなった。 大規模タワーマンションの開発や、賃貸住宅の開発・営業も手掛けた。 ・ファイナンシャル・プランナー認定研修修了者(ファイナンシャルプランナー3級相当) ・宅地建物取引士資格者 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで) ・簿記3級 現在は、消費者経済総研 チーフ・コンサルタント |
■ご留意事項 本件のテーマに関連する制度や税制は、大変複雑です。 正確さを追求しますと、複雑化し、わかりにくくなります。 ここでは、わかりやすさを優先し、様々な点において単純化・省略化等をしています。 住宅ローン控除制度を利用するには、このページ記載情報以外にも様々な条件があります。 このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、 行政庁や税理士等へ確認や相談をし、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、 対応してください。また「免責事項」をお読みください。 |
■【 3分でわかるシリーズ 開設の動機 】 チーフ・コンサルタントの松田優幸は、1987年に慶応大学の経済学部に入学して、 4年間、マクロ経済学を始めとした各経済学を研究していました。 研究を開始した時の感想は「経済学の論文や文献は、よくわからない」でした。 その後、理解が進んだ後には 「よくわかった。しかしなんで、わざわざ、わかりにくい表現をするのか?」 との感想を持ちました。 昨今、世の中に登場する解説でも「わかりにくい」表現は、 いまだ少なくない、と感じています。 そこで「3分でわかるシリーズ」を展開することで、 多くの方々に「わかりやすく」お伝えしていく考えです。 |
- ご案内・ご注意事項・免責事項
- ■引用・取材依頼
*消費者経済総研のサイト内の情報の無断転載は禁止です。
*NET上へ引用掲載する場合は、
①出典明記 ②部分引用に限る ③当総研サイトページにリンクを貼る。
以上の①②③を同時に満たす場合は、連絡なく、一部転載・引用ができます。
*テレビ局等のメディアの方がたは、取材対応での情報提供となりますので、ご連絡下さい。
■免責事項
*本サイトを利用し、または、本サイトや当総研・当社が提供する情報(以下「当方情報」)
を利用した場合は、免責事項に同意したものとみなされますので、ご注意下さい。
*当方情報は、正確性、完全性、有効性、真実性、最新性、適法性等をはじめ、
全く何も保証されません。
*当方情報の利用・活用には、利活用者の自らの判断・責任です。
*当方情報に基づき損害が生じても、
当方は一切の責任を負いませんので、あらかじめご承知おきください。
- 取材等のご依頼 ご連絡お待ちしています
- この連絡先は、メディア関係者(TV・ラジオ・新聞・雑誌)様と、企業・団体・法人様向けです。一般個人の方には対応いたしかねます。
メール: toiawase★s-souken.jp(★をアットマークに変えて下さい)
電 話: 03-3462-7997 (離席中が続く場合は、メール活用願います)
- チーフ・コンサルタント 松田優幸
-