コロナいつまでか?|収束時期を予想|試算結果は1年2か月後|2020年5月10日

◆コロナは、いつまで続く?いつ落ち着く?
◆コロナ収束時期を試算し、予想結果は「1年2か月後」

◆収束しても終息ではない。収まる方に向いても、終わるのではないとは?
◆いつまで外出自粛などの緩和・強化を、繰り返す?

◆予測は、抗体保有率から集団免疫の獲得時期の試算による

収束時期の試算結果は、1年2か月後(2021年7月)



「ウイルス対策」は、「最高の経済対策」 

新型肺炎から、人々の健康生命を守るため、コロナ・ウイルス対策は、重要なテーマです。
同時に、経済を守るため、ウイルス対策は、同じく重要です。

「ウイルスの制御や制圧」がなされれば、激しく落ち込んだ「景気はV字回復」でしょう。
つまり「ウイルス対策」は、「最高の経済対策」でもあります。

消費と経済の消費者経済総研では、「経済対策」は、主たるテーマの一つであります。
コロナ問題を、公衆衛生の問題としてのみではなく、経済問題として連載していきます。

そのため、消費者経済総研は、コロナ関連テーマを、連載で、お届け致しています。

番組出演・執筆・講演等のご依頼は、お電話・メールにてご連絡下さい

初稿:2020年5月10日 最新稿:2020年6月7日
 本ページは、修正・加筆等で、上書き更新されていく場合があります。

ご注意
このテーマに関連し、なにがしかの判断をなさる際は、自らの責任において十分にかつ慎重に検証の上、
対応して下さい。また「免責事項」をお読みください
緊急事態が解除されれば、通常生活に戻れる?
緊急事態の解除が意味するのは、自粛が緩和される事です。終息でも収束でも、ありません。
緊急事態宣言の趣旨は、医療崩壊の防止です。

緊急事態宣言が解除されても、緩和だけで、2019年のような自由な通常生活には、戻れません。
「マスク不要」に、なったわけでも、ありません。「コロナと共生の新生活」が始まったのです。

2020/5/25に首相は「ほぼ収束した」と発言しましたが、「2度目の緊急事態宣言もあり得る」
とも言っています。「収束した」ではなく「大幅減少した」の言葉の方が、良いかと思います。


「収束時期の予測」の試算結果は、1年2か月後(2021年7月)
「コロナは、いつまで? いつ終わる?」に、関心が集まります。
感染の減少 → 自粛の緩和 → 再び拡大 → 自粛の強化 」を繰り返す長期戦です。

3か月や半年又は夏に収束・終息との期待もされました。しかし、くやしけど「長い戦い」です。
結論ですが、収束時期の試算結果は、1年2か月後(2021年7月)でした。

抗体を6~7割の人が、獲得する「集団免疫の確立」までの期間としています。
抗体の保有率65%になる予測が、1年2か月後(2021年7月)です。

コロナウイルスに感染すれば、その人の体内には、コロナウイルスに対する抗体ができます。
抗体を保有すれば、その人はコロナに対する免疫力があり、もう発症しないという前提です。


予測の計算式は?
計算式を、様々な変数と係数を設定し、数学的に掘り下げることも、できます。
しかし、複雑化するとブラックボックス化してしまうので、本稿では、単純化を優先します。

まずは概略を記載しますので、根拠データ、考え方、用語の解説などの詳細は下段に記載します。
「抗体を6~7割の人が獲得」を収束の目安とします。6~7割の値を、ここでは65%とします。

なぜ6~7割(65%)なのか?

独メルケル首相が「国民の6~7割が感染する」という発言から、この割合が注目されました。
65%になっても終息ではありませんが「収束へのめどが見えた」という水準にはなるでしょう。

  ※この割合は、その他に、60%という意見や、7~8割など諸説あるが、本稿では65%を採用した。

「基本再生産数」(R0)は、1.4~2.5と言われますが、本稿では「2」とします。
R0が、だと1人→2人と感染拡大、1で1人→1人と感染横ばい、1未満で感染縮小です。

免疫獲得率が、初期の0%では1人→2人拡大、50%になれば1人→1人、65%で1人→0.7人です。
免疫獲得率が、65%(6~7割)では、1→0.7人で、減少で収束方向です。

出典:Statement on the meeting of the International Health Regulations Emergency Committee...(who)

  Human-to-human transmission is occurring and a preliminary R0 estimate of 1.4-2.5 was presented
   人から人への感染が発生しており、予備的なR0推定値1.4〜2.5が提示されました。

直近の調査データから、日本の抗体の保有率を4.1%とします。この検査時期は4月上旬です。
一方、感染拡大の開始時期は、3月上旬とします。

この 3月上旬 → 4月上旬 の1か月で、抗体保有率は、0%→4.1%に、増加したとします。
つまり、抗体保有率は「1か月あたり、4.1%のペースで、上昇」とします。

1年後(12か月後)は、どうでしょうか? 4.1%×12か月=49.2%です。
1年経過しても、抗体保有率は、まだ50%に達していません。

65%を目途としました。これを超えるのは、16か月後です。(4.1%×16か月=65.6%)
3月上旬スタートで、16か月後は、2021年7月上旬です。

 ※この詳細の解説は、下段の「詳細編」の項目を参照


収束しても、終息ではない その理由 とは ?
「終息」は「完全に終わった」という意味で「収束」は「だいぶ収まってきた」という意味です。
65.6%の人が抗体を持つと、再生産数は、0.66となります。

再生産数0.66では、3人の感染者が2人に感染させることになります。
3人→2人、いい替えると、1人→0.66人で、収束方向へ向かっています。

完全に終息では、ありません。34.4%の人は、まだ抗体が無いので、感染リスクはあります。
1人が2人に感染させて拡大だったのが、1人が0.66人に感染で、減少ということです。


緊急事態の解除の後も「ウイズ・コロナ」
「緊急事態宣言」で、ひとたび、新規の感染数は、減少します。
その後、解除で自粛緩和をすれば、人々の活動が活発になり、ウイルス感染が、再び拡大します。

こうして「 感染の減少 → 自粛の緩和 → 再び拡大 → 自粛の強化 」を繰り返すのです。

繰り返す理由は、抗体を保有しない以上、免疫力がないので、感染してしまうからです。
抗体を獲得するには、「感染する 又は ワクチン接種」の2択です。

ワクチンは?
ワクチン接種でも、体内に、抗体を保有できます。

開発のスケジュールは?

医薬品の開発は、下記のスケジュールで進みます。通常期で、11年~17年の期間が必要です。

「基礎研究」3~5年
  ↓
「動物実験等」2~3年
  ↓
「臨床試験」5~7年(治験P1 → 治験P2 → 治験P3※1
  ↓
「承認審査」1~2年
  ↓
「薬価設定・発売」 ※2

今まで最速ワクチンとされる「おたふくかぜワクチン」でも、認可までに、4年かかりました。
今回のコロナウイルスでは、頑張って急いでも1年半は、必要と言われます。


候補ワクチンは?

新型コロナウイルスのワクチンは、世界中で、124件のワクチンが、開発中です。
124件は、治験のP1又はP2まで進んだのが下記10件で、その他に治験前が114件です。※3

*英国系
・オックスフォード大学(英大学)/アストラゼネカ(英製薬)/セラム研究所(印ワクチン製造): P1/2

*米国系
・モデルナ(米製薬)/米国立アレルギー感染症研究所(NIAID) : P1、2
・ノヴァヴァックス(米ワクチン製造) : P1/2
・イノビオ・ファーマシューティカルズ(米医薬品) : P1

*ドイツ他系
・バイオンテック(独医薬)/Shanghai Fosun Pharmaceutical(上海復星醫藥)/ファイザー(米製薬):P1/2

*中国系
・カンシノ・バイオロジクス(康希諾生物股分公司)/ 北京バイオテクノロジー研究所 : P1、2
・中国生物武漢生物製品研究所 / シノファーム(中国医薬集団) : P1/2
・北京研究所生物学的製品 / シノファーム(中国医薬集団) : P1/2
・北京科興中維生物技術(Sinovac Research & Development) : P1/2
・中国医学科学院医学生物学研究所 : P1

 ※1「P1」とは、Phase 1(フェ-ズ1)の略。日本では「第1相試験」という
  なお、P2とP3は、上記の数字を読み替える。

 ※2出典:臨床試験について(東京大学 医学部附属病院 臨床研究推進センター)

 ※3出典:DRAFT landscape of COVID-19 candidate vaccines|22 May 2020(WHO)

ワクチンのハードル とは ?

ワクチン開発は「承認」に至る保証はありません。有効性・安全性が確立しなければ中止です。
一般に、ワクチン開発の成功率は低く、認可に至るのは、候補ワクチンの10分の1未満です。※4

年内や秋での完成を目指すワクチンもありますが、そのスケジュールは、あくまで目標です。
仮に、スケジュール通りに完成しても、接種の普及には、より長い期間が必要でしょう。

オックスフォード大学は、ワクチン供給の最速を、目指しています。
以前、オックスフォード大学は、9月に100万回のワクチン製造を目指す、としていました。

100万では、77億人の世界人口には、不足です。自国民を優先することも考えられます。
また、優先接種者は、まずは医療従事者であろうと、捉えられていました。

その後、同大学は、アストラゼネカ等と、製造数を増加させる方針になりました。
また、アストラゼネカは、公平な方法で世界中で広く使えるようにする、と述べています。※5

9月からの具体的な供給計画も、より明らかになりました。

9月英国向けに3000万回までのワクチンを、アストラゼネカは、製造する計画です。※6
その後、早ければ10月に、米国に、最初の投与量が届けられる計画です。※7

オックスフォード大学・アストラゼネカの連合で、当初より供給数は増加見込みとなりました。
しかし、やはり順番は、9月に英国、10月に米国、という順番になりそうです。

順調に開発が進めば、このスケジュールで、進むかもしれません。
しかし、2つ前の項で既述のとおり、過去は9割以上失敗なのが、ワクチン開発の難しさです。

 -当総研は、ワクチンの早期開発を期待し、ワクチン開発者に感謝し応援します-


 ※4出典:ワクチンの開発と導入(米国研究製薬工業協会)

 ※5、6、7出典:消費者経済総研コロナ・ワクチン」(移動先ページの1、2、3が、本ページ5、6、7)


「徹底的にウイルスを封じ込めろ」では、どうなる?
コロナの徹底封じ込めは、人間の封じ込め

「自粛や行動制限を、より強化し、徹底的にウイルスを封じ込めろ」との意見もあります。
そのためには、人間を閉じ込めなければなりません。ずっと、ステイホームが長期継続です。

短期なら耐えられますが、長期では、経済崩壊、社会崩壊を招きます。
ステイホームを続けても、そもそも、抗体がなければ、感染のリスクは消えません。

韓国は、強い封じ込め策を採用し、一度落ち着きましたが、また第2派が、襲おうとしています。
ドイツでも、緩和の後に感染再拡大があり、日本でも北海道で、減少と再拡大を経験しました。

逆に、スウェーデンでは、封じ込めをせず、自然に感染し抗体を獲得する集団免疫方法です。
スウェーデンの抗体の保有率は、既に、最大25%にも、なっています。出 典 を参照

また、この新型コロナウイルスは、他の感染症と比較しても、感染力が強いのも特徴です。
ここでの強い感染力とは「無症状の感染が多い」のと「ウイルスの生存期間が長い」ことです。

無症状感染者

症状がなければ、自分が感染者だ、という自覚を持つのは、難しいです。
無症状の感染者が多いのも特徴で、知らずのうちに、感染拡大してしまうことがあります。

日本に入国する人に対する空港検疫PCR検査では、76%が、無症状の感染者でした※1

他の感染症のように、症状がはっきりしていれば、すぐに隔離などの対応が、できます。
新型コロナでは、無症状の感染者が、感染拡大するので、厄介です。

生存期間が長いウイルス

また、ウイルスの生存期間が、他のウイルスよりも、長いのも特徴です。※2
つるつるした表面では、特に長くなり、接触感染のリスクが、高まる原因になります。

新型コロナウイルスは、強敵

無症・軽症が多いと、ウイルスは、人間に気づかれずに、感染拡大しやすくなります。
致死率が高いウイルスなら、宿主の生命を奪うので、ウイルス自身も、存続率が下がります。

このように、新型コロナウイルスは、人類を苦しめる「ずる賢いウイルス」です。
他の感染症ウイルスより、対処が難しいのは、この点にもあります。


※1出典:消費者経済総研「無症状の率」を参照

日本人が中心で、件数が一定数まとまっている事例では、空港検疫があります。
空港経由で、日本へ入国(帰国)する人へ、検疫が行われています。
感染者数147人のうち、症状なしが112人(76%)で、症状ありが35人(24%)

※2出典:Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1

On cardboard, no viable SARS-CoV-2 was measured after 24 hours and no viable SARS-CoV-1 was measured after 8 hours
段ボールでは、24時間後には実行可能なSARS-CoV-2が測定されず、8時間後には実行可能なSARS-CoV-1が測定されませんでした
※SARS-CoV-1:SARSコロナウイル ※SARS-CoV-2:新型コロナウイルス


         ■■ 詳 細 編 ■■
        上記までは概略編で、ここからは詳細編です。


「集団免疫」 とは ?|緩やかに、広く、抗体の獲得
「集団免疫」とは、集団のうちの多数の人が、免疫力を獲得することです。
コロナウイルスに感染し抗体を保有する人が増え、多数の人が免疫力を持つ作戦です。

多数つまり国民の2/3(66%)程度が、抗体を持てば、沈静化するだとろう、との見解です。
独メルケル首相が「国民の6~7割が感染する」という発言から、この割合が注目されました。


「基本再生産数」と「実行再生産数」とは?
基本再生産数」は、対策なしでの再生産数です。
実行再生産数」は、自粛などの対策をした上での、再生産数です。

「最近の再生産数が、「1」を切ったから、良いではないか」と言う人もいます。
しかし、それは、行動制限のもとでの再生産数で「実行再生産数」です。

行動制限を、しなければ「基本再生産数」の「2」に、戻ります。


「抗体」と「免疫」
抗体と免疫 の違い とは?

*新型コロナウイルス感染症は、「COVID-19」が病名で、「SARS-CoV-2」がウイルス名称です。

「抗体」とは、体内に侵入したウイルス等の外敵を、攻撃するたんぱく質の物質です。

 1種類の抗体は、1種類の外敵にしか、対応しません。
 よって、SARS-CoV-2に関係の無い抗体は、SARS-CoV-2に対応できません。

 SARS-CoV-2が体内に内に入ると、その人にはSARS-CoV-2に、対応する抗体ができます。

*「免疫」とは、体内に侵入した外敵と戦う「しくみ」のことです。
*「免疫力」とは、体内に侵入した外敵と、戦う「能力」のことです。

抗体あっても、免疫力があるか 不明(WHO) とは ?

「抗体あっても、再感染の可能性 とWHOが警鐘」から、誤解が生まれることがあります。

正しくは、下記「」のとおりです。(原文を、筆者:松田が和訳)
 2020年4月24日の時点で、SARS-CoV-2に対する抗体の存在が、
  その後の感染に対する免疫力になるかどうかを、評価した研究はありません。

まだ研究が無いので、エビデンス(証拠)が、無いということです。
「抗体で免疫力ができる」または「抗体で免疫力ができない」の両方とも、証拠がないのです。

新型のウイルスゆえ、今後の研究にゆだねますが、一般論では、抗体保有で免疫力を有します。

出典:"Immunity passports" in the context of COVID-19 Scientific Brief 24 April 2020(WHO)

As of 24 April 2020, no study has evaluated whether the presence of antibodies to SARS-CoV-2 confers immunity to subsequent infection by this virus in humans.


2021年7月上旬の結論に至る 計算のデータは?
抗体の保有率は?

抗体の保有率の平均値は、消費者経済総研の集計では、日本国内で4.1%でした。
(なお海外は10.7%です)

 *【6.0%】(東京 新宿)慶応義塾 大学病院 2020/4/21

 *【5.9%】(東京 立川・新宿)ナビタス クリニック  2020/4/30

 *【3.3%】 神戸市立 医療センター 中央市民病院 2020/5/4

 *【 1% 】大阪市立大学 医学部 附属病院 2020/5/1

※4.1%は、上記4データの単純平均 ※右の日付は発表日 ※慶応病院のみ抗体検査ではなくPCR検査からの感染率

検査の実施時期は?

検査の実施時期を、2020年4月7日としています。(下記4件の単純平均日)

慶応義塾 大学病院 4月13日~4月19日(→4/16)

ナビタス クリニック  3月21日~28日(→3/25)

神戸市立 医療センター 中央市民病院 4月のある2日間(→4/15)

大阪市立大学 医学部 附属病院 3月31日~4月7日(→4/4)

 ※検査の実施期間は、幅を持っているので、その中央日を、(→)に記載

4データ以外には?

上記4データは、本稿の初稿時に、存在したデータです。
その後、上記4データ以外にも、抗体の保有率の、新しいデータの発表が、続いています。

最近は、低めの抗体保有率のデータが出てきていて、4.1%より、低くなる可能性があります。

「無作為抽出である」「件数が多い」「簡易キットではなく高精度測定器による」
これらの条件が満たされるほど、精度が高まります。

大規模検査(東京・大阪・宮城)の結果発表の後に、抗体保有率4.1%の率を更新する予定です。

 ※上記4データの出典、および、4データ以外の新規データは、下記出典のページの下段に記載

  ※出典:消費者経済総研「各国の抗体保有率」を参照

6~7割の人が抗体を獲得する期間は?

65%の人が抗体を獲得する時期の計算は、複雑化せず、わかりやすさを優先し、下記の計算です。

日本で、最初にコロナ感染者が、確認されたのは、2020年1月14日です。
また、ダイアモンドプリンセス号に、感染者がいたことが、2月1日に確認されました。

2月では、散発的ではありますが、日本国内で、市中感染が、指摘されるようになりました。
それでも、2月は、東京の新規の陽性者数が、0人である日が、大半でした。

3月には、新規感染者数が増加していき、日々報道されるようになります。
感染拡大の開始時期を、3月上旬としています。検査の平均日は4/7なので4月上旬とします。

つまり概ねの「感染拡大開始」(3月上旬)→「抗体検査の実施時期」(4月上旬)の期間を1か月とします。

1か月間で4.1%増加なので、16か月で65%に達します。(4.1%×16か月=65.6%)

2020年3月上旬から16か月後は、2021年7月上旬です。
こうして、2021年7月に、抗体の保有率が、65%を超える計算となります。

「ワクチン 又は 感染」→ どちらが早い?

「感染する 又は ワクチン接種」で、集団免疫を獲得し収束へと、既述しました。
この2択では、現時点では「感染」での集団免疫の獲得の方が、日本では、早そうです。

理由は、ワクチン開発は、9割以上が失敗する確率であり、見通しが、立ちづらいからです。
世界中で、ワクチン開発が行われていますが、スケジュールは、いずれも目標です。

日本国内では、厚生労働省は「来年前半のワクチン接種開始」を目標としています。
大阪大学(アンジェス、タカラバイオ)は「来春にもワクチン実用化へ」としています。

もちろん、目標通りのスケジュールで完成し、早期接種が普及するかもしれません。
日本国内のワクチンの早期の成功・普及を、ぜひ期待しています。ワクチン開発最前線を参照

こうして、コロナとは、残念ながら「長期戦」です。
医療崩壊を防ぐため、自粛のレベルの緩和・強化を、医療稼働率を見ながらコントロールします。


「医療崩壊」しないレベルに、「自粛」をコントロール
「長期の緩やかな感染」を選択しても、国民の自由な行動を、放置したら、感染爆発します。
患者があふれて、病院の廊下に放たれてしまうような「医療崩壊」が、起きてしまいます。

「医療崩壊」の防止は、重要です。「医療崩壊の線」のグラフは、テレビ等でも、よく目にします。

医療の限界レベルの線を、超えずに推移するように、制御するのです。
そのために「自粛レベル」の強・弱のコントロールを、することになります。

それには「医療稼働率」の指数の設定が、必要です。
「医療稼働率」が、100以下に収まるように、「自粛レベル」を、増・減させるのです。

緊急事態が解除されても、去年のような自由な生活は、戻りません。
ウイズコロナ期は、新しい生活様式(ニューノーマル)で、注意しながらの生活が続きます。

そして「集団免疫の確立(65%等の抗体獲得)」又は「ワクチン開発・普及」を待つのです。

なお、抗体保有した人へ抗体証明書が発行されるのであれば、その人は、自由に活動再開です。


「医療の稼働率」を、毎日公表すべき
大阪モデルのように、大阪以外の各自治体も、指標を指数化し、毎日公表すべきです。
国民は、再自粛の納得を、しやすくなります。「おうちに、居て下さい」の連呼では駄目です。

例えば、病院のベッドが100床あり、患者増加の対応で、99床が埋まったら「指数0.99」です。
指数は、感染の専門家に設定して頂くのが良いですが、例えば下記の様に分類するのです。

 0.6 未満 : 健全
 0.6~0.8: 注意
 0.8~0.9: 警戒
 0.9 超  : 緊急事態

例えば0.8を超えたら、自粛強化で、0.9に近付いたら緊急事態の再宣言等で、見える化です。

コロナと共生による自粛の緩和で、新感染者数と医療稼働率は、再度増加するかもしれません。
その際に、指数が悪化した事が見えれば、自粛レベルUPでも、国民は、納得しやすいでしょう


「再生産数」の計算 とは ?
再生産数は、
・「 1超 」で、感染拡大
・「 1 」で、感染数は横ばい
・「1未満」で、感染数は減少

再生産数とは、感染者1人が、何人に感染させるかの人数です。
再生産数が「2」だと、1人が2人に感染させます。

例えば、「健康なYさん」と、「健康なZさん」の、2人がいたとします。
その2人に、「感染者x」さんが、接触しました。

「xさん」一人で、「Yさん + Zさん」の2人を、感染させます。
感染者数は、1人→2人 と、拡大します。 再生産数が「2」です。

  (※わかりやすい説明のために、この項では、正確化より、単純化を優先しています)

抗体の保有率が50%になったら?

5割の人が、感染し抗体を獲得したら、どうでしょうか。

2人のうち、1人は免疫力があり感染せず、もう一人は、免疫力がないので感染します。
つまり、1人から1人しか感染しません。

再生産数が1になり、感染者数は、横ばいになります。

3人に2人が、抗体を保有したら?(抗体の保有率66%)

ゆっくり感染が広がり、感染経験者が、3人に2人 いる割合(66%、約7割)に、なったとします。
AさんBさんCさんの3人で、青の人が免疫有りで、赤の人が免疫無しです。

*ケース①
Xさんは、自分1人で、2人を感染させるパワーが、あります。
しかし「免疫ありのAさん+免疫なしのCさん」に接触したら、Cさんだけ感染します。

再生産数は、2ではなく、1に、下がります。

*ケース②
Xさんが「BさんCさん」に接触したら、Cさんだけ感染します。再生産数は、1です。

*ケース③
Xさんが「AさんBさん」に接触しても、2人とも感染しません。再生産数は、ゼロです。

ケース①は、1人が新規感染、ケース②は、1人が新規感染、ケース③は、0人が新規感染です。
ケース①②③を平均すると、(1人+1人+0人)÷(3ケース)= 0.66人です。

感染拡大前は、Xさんは、自分1人で2人を感染させ、感染拡大に寄与してしまいました。
感染拡大後は、66%の人が免疫力を獲得したので、Xさんは、0.66人しか、感染させられません。

感染者数は、従前は「1人 → 2人 に増え」ましたが、従後は「1人 → 0.66人 に減り」ます。
つまり「再生産数」が、「2」→「0.66」に減り、「集団免疫」獲得後は、収束へ向かうのです。

このように、長期で、少しづつ、感染していくことで、収束方向へ向かう方法です。
イギリスとドイツは、このような「長期の感染との共存」を、当初は、考えました。

しかし、正しい反論なのかどうかは、別として、猛反論を受けて、その考えを撤回しました。

スウェーデンは、集団免疫作戦を継続中です。さて日本は、どうするのが、よいでしょうか?
日本は、まだ明確なスタンスがなく、議論できるチャンスでも、あるかも知れません。


抗体の獲得のペースで、変化 とは ?
収束時期の計算の振り返り

本ページの中段既述の2021年7月上旬の結論に至る 計算のデータは?」では
「抗体の保有率」で、計算しました。

1か月間で、抗体の保有率が、4.1%に増えた計算でした。
集団免疫獲得の65%になるには、16か月必要でした。(65% ÷ 4.1% ≒ 16月)

この抗体の保有率が、4.1%ではなく2%ならば、約33か月必要です。(65% ÷ 2% ≒ 33月)
逆に抗体の保有率が、8%ならば、約8か月です。(65% ÷ 8% ≒ 8月)


「抗体の保有率」のほかに「PCR 新規陽性 人数」を、参考にすると?

次に、毎日夕方に発表の「東京のPCR新規陽性人数」(以下新規数)も参考にしてみます。

既述の抗体の保有率が、4.1%に増えた期間は、3月上旬~4月上旬の1か月でした。

感染拡大開始(3月上旬)→抗体検査の実施時期(4月上旬)の1か月間を、3月8日~4月7日とします。
その間の「新規数」の1日平均は、36人です。※1

「新規数」が、日々36人発生する環境で、抗体の保有率が、4.1%UPしたと、捉えます。


最近の「新規数」は、どうか? 自粛の 強・弱で、減・増する

*直近2週間は、少ない

東京は、5月上旬以降からは「新規数」が、だいぶ減り、一けたの日も、出始めました。
そこで、5月7日~5月20日の直近2週間を見てみると、1日平均は18人です。※2

抗体の保有率65%に至る期間は、1日36人のペースで、16か月でした。
1日の「新規数」が、18人のペースだと、2分の1(18÷36)のペースでの増加となります。

今回の計算において、仮に最初から、1日18人ペースだとすると、どうでしょうか。
期間は2倍になり、32か月後に65%到達となります。

*緊急事態の前の2週間は、多い

東京も近々、緊急事態宣言が解除される見込みです。そして行動制限(自粛)も緩和となります。
新規数」は、再び増加傾向になるでしょう。

なお、緊急事態宣言の前の2週間(3月24日~4月6日)の平均「新規数」は、69人でした。※2


抗体獲得が、早い場合と、遅い場合は?

自粛が緩い期間は「新規数」は多く、自粛が強い期間は「新規数」は少なくなります。
抗体の保有率の増加は、「新規数」が、多いと早く、少ないと遅く、なります。

ウイルスを抑え込もうとすると、逆に、集団免疫の獲得の時期が、遅くなることに、なります。
一方、逆の見方では、医療負荷の軽減と、ワクチン供給を待てるという利点が、考えられます。

ちなみに、アメリカの歌手のマドンナは、次のように、はしゃいでいました。
「検査を受け、抗体を持っているのが判明した。ドライブに出て、ウイルスの空気を吸おう!」

「早く抗体を獲得したい」と考える人も、いるかもしれません。
意図的に感染者に接近し、自ら感染を試みる「コロナパーティー」もアメリカであったようです。
これには、米当局も、危険であるとし、警鐘を鳴らしています。


※1出典:東京都陽性患者数テーブル 
  ・注:医療機関等が行った検査も含む ・注:チャーター機帰国者、クルーズ船乗客等は含まれていない
3/8:0人、3/9:0人、3/10:3人、3/11:6人、3/12:2人、3/13:2人、3/14:10人、3/15:3人、3/16:0人、3/17:12人、3/18:9人、3/19:7人、3/20:11人、3/21:7人、3/22:2人、3/23:16人、3/24:17人、3/25:41人、3/26:47人、3/27:40人、3/28:63人、3/29:68人、3/30:13人、3/31:78人、4/1:66人、4/2:97人、4/3:89人、4/4:116人、4/5:143人、4/6:83人、4/7:79人

※2出典:東京都新規患者に関する報告件数の推移テーブル
  ・注:保健所から発生届が提出された日を基準とする ・注:医療機関等が行った検査も含む
  ・注:チャーター機帰国者、クルーズ船乗客等は含まれていない
3/24:18人,3/25:41人,3/26:46人3/27:40人,3/28:64人,3/29:72人3/30:12人,3/31:78人,4/1:67人,4/2:98人,4/3:92人,4/4:118人,4/5:141人,4/6:85人

5/7:23人、5/8:39人5/9:36人5/10:22人5/11:15人、5/12:28人、5/13:10人、5/14:30人、5/15:9人、5/16:14人、5/17:5人、5/18:10人、5/19:5人、5/20:5人

※注:東京都発表データは、数値や表現など、変更されてきている。
   本稿では、※1と※2で、その時点での東京都公表内容をそのまま転載し、それを計算の基礎とした。


【筆者プロフィール】
松田優幸が登壇のセミナーの様子
【松田 優幸 (消費者経済総研 チーフ・コンサルタント) 経歴】

*1986年
私立 武蔵高校 卒業

*1987年
慶応大学 経済学部 入学

経済学部で、
・マクロ経済学(GDP・失業率・インフレーション・投資・貿易収支等)
・ミクロ経済学(家計・消費者、企業・生産者、取引市場等)・労働経済学を専攻
 経済学科「高山研究室」にて、貿易経済学・環境経済学を研究

*1991年
慶応大学 卒業  東急不動産(株) 入社

*1997年
親会社の東急電鉄(株)へ逆出向
消費の現場である商業施設と街づくりの計画担当

*2000年
東急不動産(株) 復職
各種の商業施設の企画開発・運営、接客等で消費の現場の最前線に立つ。

*2005年
東急不動産から、消費・商業・経済のコンサルティングをおこなう
株式会社 リテール エステートへ移籍し14年間、

全国の消費の現場を視察・調査。その数は多岐にわたる。

*現 在
消費者経済総研 チーフ・コンサルタント
兼 リテール エステート リテール事業部長 (52歳)

*資 格
 ・ファイナンシャル・プランナー
 ・宅地建物取引士資格者
 ・不動産コンサルティング技能登録者(新制度更新前まで)
 ・簿記3級


【消費者経済総研について】

■研究所概要
名称  : 消費者経済総研
所在地 : 東京都新宿区新宿6-29-20
事業内容: 消費・商業・経済の、調査・分析・予測のシンクタンク
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チーフ・コンサルタント 松田優幸   経歴のページはこちら